《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》おまえを即死にしてやるから、僕を長生きさせてくれ! その④

男は片手のハンマーを持ち上げた。

見るからに重たそうだ。

ということは、相手のきはそう速くもないだろう。

僕のスキルがあれば簡単に殺せ……。

あっ。

だめだ。

殺しちゃだめなんだ。

【死線(デッドライン)】も【切斷(キル・ユー)】も、【貫通(メーク・ホール)】さえも確実に敵を殺してしまう。

使えないじゃないか。

仕方ない、ナイフで適當に傷つけて戦意を喪失……。

あっ。

ナイフはあの白髪ホモに突き刺したまま返してもらってない。

ということは、今の僕は実質なんの武も持っていないということだ。

あれ、もしかして僕、結構ピンチ?

今から土下座したら見逃してくれるだろうか。

「骨の一、二本で勘弁してやるぜ!」

ハンマーを抱えた男が迫ってくる。

思いのほか素早い。

僕は僕めがけて振り下ろされたハンマーを、後ろに飛んで躱した。

風圧でがよろめく。

そして、心なしか反応が鈍い。

睡眠不足の弊害だ。

なんて、余計なことを考えていると。

余計なことを考えていたから。

我に返った瞬間、僕の目の前には敵の振ったハンマーがあった。

「危な――」

を反らして避ける。

ハンマーはギリギリで僕の鼻先を通り抜けていった。

同時に僕は、相手から距離を取るためにもう一度後ろに飛びのいた。

だけど、相手はそれを見越していたように距離を詰めて來る。

そして、ハンマーが振り下ろされる。

回避できるタイミングじゃない。

咄嗟に両手でその攻撃をガードした。

重たい衝撃が僕の腕から全へ駆け抜けていく。

「ッ……」

「悪いがとどめだ、ガキ!」

男はハンマーを構えなおし、そして大きく振り上げた。

骨の一、二本で勘弁してくれるんじゃなかったのか。

ええい、仕方ない。

男がハンマーを振り下ろすタイミングを狙って、僕は、男の顎を蹴り上げた。

手ごたえは十分。

男のがよろめいた隙に、僕は再び彼から距離を取った。

そして、気づく。

あれ? なんか腕が上がらないんだけど……。

それどころか、指先ひとつかない。

「俺のスキルの味はどうだ?」

顎を押さえながら、男が僕の方を向く。

「スキルだって?」

「そうさ。俺のスキル、【砕(クラッシュ)】は一撃で相手を々にするスキルだ。家に當てりゃ家を、腕にあたりゃ腕そのものを々にするのさ」

「へえ……」

相手は武を持ってる上にスキルまで使ってくるらしい。

ますます不利じゃないか。

まあ、當たったら死ぬ(・・・・・・・)ようなスキルじゃなくて助かったってところかな。

いや……僕の場合ひと思いに殺してくれた方が、助かるんだけど。

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