《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》おまえを即死にしてやるから、僕を長生きさせてくれ! その⑧

「僕が一人じゃないと……何か困るんですか?」

「てめえを殺した後の処理が面倒になるだろうが」

「自分のの心配はしなくてもいいんですか?」

「だからよ、さっきも言ったと思うが、そういうセリフは優位に立ってるやつが言えるんだぜ? 今のてめえの狀況を見てみろよ」

「さあ、どうかな。もう仕掛け(・・・)は終わってる」

「仕掛け?」

怪訝な顔をする男。

剎那、その鼻先が斬れ、が噴き出した。

「なっ!?」

「さっきも言ったと思い(・・・・・・・・・・)ますが(・・・)、僕だってスキルの一つや二つ持ってる」

つまり 今のは、【切斷(キル・ユー)】でうまく相手の鼻先だけを斬ったわけだ。

さて、これからが本番だ。

うまく殺さずにやれるかどうか……。

僕は、男に向かって走った。

「來るのか? だがなっ! 《ファイア》!」

男が火魔法を唱え、僕は咄嗟に構えた――んだけど、僕のが炎に包まれることはなかった。

ミアの水魔法が効いたからとか、そういうことじゃない。

単に、魔法が発しなかった(・・・・・・・・・・)らしい。男の表を見れば分かる。

チャンスだ。

僕はそのまま男の懐に潛り込み、肘で男の左肩を砕いた(・・・)。

「何ぃ!?」

「次!」

「やらせるか!」

男の膝を砕こうとした瞬間、僕は男の右腕に弾き飛ばされていた。

攻撃をガードした両腕が痺れる。

地面を跳ね、そして僕はすぐに立ち上がり、男と向き合った。

「このじ……俺のスキルを使いやがったのか!?」

「さて、これでどっちが有利か分からなくなりましたね」

「そいつはどうだろうな」

「え?」

「ちょうどこいつ(・・・)が切れかかってたところなんだよ」

そういって男がポケットから取り出したのは、先端が針のようになった奇妙な……たしか魔導學院で見たことがある。西側から伝わって來た、注とかいうやつだ。

男はそれを、ためらいなく自分の首筋に突き立て、中のを自らに注した。

「い、痛そう」

「どうだろうな。慣れりゃこいつが快楽(・・)に代わる」

うえー、気持ち悪。

まるで、首都の裏路地で見た薬中毒者みたいだ。

『えーくん、気を付けて!』

ミアの張した聲が僕の頭に響く。

「何、どうしたの?」

『敵のステータスが、上昇を続けているわ』

「上昇?」

『そう。もはやさっきとは別人よ』

「なんだって?」

「よそ見してていいのかよ!?」

気が付けば、男の拳が僕の目の前にあった。

次の瞬間、僕のは大きく宙を舞っていた。

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