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しばらくして、ロプテさんは目を覚ました。

その時にはもう、僕らは彼を僕らの家から離れた場所に移させていた。

「ここは、どこだ？」

ロプテさんが辺りを見回す。

「ロプテさん、あなたを解放します」

「え？　ああ、そうか。當然だ。むしろお前が今ここで俺に殺されないことを謝すべきだな」

僕は何も言わず、ロプテさんの鳩尾を毆った。

を九の字に折ってくロプテさん。

「あの、勘違いして貰っちゃ困るんですけど、あなたの命はまだ僕らが握っています。いいですか、あなたを解放するのはやってしいことがあるからです」

「やってしいことだと？」

「まず、強化薬(ティルフィング)の出所を調べること。それから、ラギリルという男を呼び出すこと。この二つです」

「誰がてめえらの言うことなんざ……」

次は、僕はロプテさんの太を蹴った。

かなり強めに。

再びくロプテさん。

「斷るのなら、今すぐここで殺します。あなたじゃ想像もできないような殘なやり方で」

「…………」

「それと、もう一つ。僕らを裏切るような真似はしないことです。例えば僕らの存在をギルドに知らせるとか」

同時に、僕は信魔法を使って、

『ミア、お願い』

『了解したわ』

頭の中にミアの聲が響くと同時に、ロプテさんの顔が変わった。

「な、なんだあ、こりゃあ！？」

どうやら信魔法がロプテさんにも繋がったらしい。

『……分かりますか、ロプテさん。今後指示はこの信を通して行います。それから、あなたの行も逐一監視しています。くれぐれも妙な気を起こさないよう、お願いします。お互いのために(・・・・・・・)』

「な、なんだ？　何者なんだ、お前たち！？」

「僕ですか？　僕はただの落ちこぼれですよ」

「何が目的なんだ！」

「目的？　そんなのは僕が考えることじゃない。まあ、強いて言うなら、自分は強いと思っている人を、一人殘らず死に変えてみたい。そういうじですかね」

「ギルドどころじゃねえ、この魔導國家が黙っちゃいねえぞ。死刑じゃすまされない」

「だから、そうならないためにあなたに手伝ってもらうんですよ」

「俺にギルドを裏切れっていうのか？　こんなことしていいと思ってんのか？　お前の親が……」

今度はほとんど反のようなもので、気が付けば僕はロプテさんの顔面を毆っていた。

グーで。

ロプテさんが背中から倒れる。

「それ以上喋ると、本當に殺します。あなたは何も言わずギルドに戻ってください」

ロプテさんは舌打ちをすると立ち上がり、僕らに背を向け、そして歩いていった。