《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》だから僕は、長生きができない。 その④

※※※

生まれてからずっとこの街に住んでいたと言っても、僕はほとんど外に出たことがなく、そのためにこの街のどこに何があるかなんてほとんど分からなかった。

だから、この街の街並みを、僕は今日初めて見たことになる。

案外狹い街で、活気があるわけでも珍しいものがあるわけでもない、普通のところだ。

そんな普通の街で、僕とミアは數日分の食料とミアの著替えを買った。

お金はミアの家から持ってきていたから、その點では心配なかった。

で、一度僕の部屋に戻って、荷を置いて。

夜がやって來た。

買いをしているときにギルドの建がある場所は把握していたので、迷わずに行くことができた。

さすがにこの年になって迷子になるのはちょっとアレだ。さすがの僕でもし恥ずかしい。

「さて、本當にロプテさんは來るのかな?」

僕は建の影から顔を出しながら、ミアに訊いた。

「すぐ近くにいるわ。もうすぐえーくんからも見えるはずよ」

「そうかい?」

僕らがいる場所からし離れたところに、ギルドの資搬口が見える。

街燈の明かりがそう強くなく、辺りは薄暗い。

「というか、ミア、部屋で待ってなくてよかったの?」

「私一人で部屋に居たら危ないからって言ったのはえーくんだったはずよ」

「ああ、そういえばそうだね……」

僕のいないところで、ミアが敵に襲われるようなことがあっちゃ困るもんな。

ラギリルって人が比較的穏やかで、抵抗せずに僕の質問に答えてくれることを祈る。

そうじゃないと、また荒っぽい手段を使わなきゃならなくなる。

そんな事態にならないことを祈る――後片付け(・・・・)が面倒だから。

「えーくん、見て!」

ミアが僕の背中側から顔を出し、資搬口の方を指さす。

そこには、ロプテさんともう一人、痩せた背の高い男が立っていた。

「あれがラギリルって人かな?」

「違うかしら……どう思う?」

「どう思うったって、僕にそんな人を見る目なんて備わってないし。ミアの意見は?」

「私にも、人を見る目はないもの」

「僕についてきちゃうくらいだからね。あはは」

「笑い聲が渇いてるわ、えーくん」

ごほん。

冗談はさておき。

「ロプテさんと信してみよう。繋いでくれ」

「分かったわ」

ミアが信魔法を使い、僕とロプテさんをつなぐ。

「あ、もしもしロプテさん? ラギリルって人を連れてきてくれたんですね?」

『……てめえ、殺人犯って割には簡単に人を信用するんだな』

「え?」

『ママに習わなかったか? 大人を信用しちゃいけませんってよぉ!』

ロプテさんの聲が僕の頭に響いた瞬間、僕の目の前で、ちょっと信じられないことが起こった。

ラギリル(仮)さんが、ロプテさんの首の骨を折ったのだ。

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