《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》だから僕は、長生きができない。 その⑥

そういうことか。

つまりロプテさんは、ラギリルとかいう人を連れて來ると言いながら、このハリシって男を連れてきたってことか。

そして恐らくは、この男に僕らを殺させるつもりだったんだろう。

で、當てが外れて自分も殺される羽目になったというわけだ。

「……なんで、ロプテさんを?」

僕が言うと、男はし驚いたような顔をした。

「まだ喋れるのかな? そうか、まだ痛み(・・)を失くしたままだったな」

ハリシが指を鳴らす。

その瞬間、僕の足と首に激痛が走った。

まるで針でも刺さった(・・・・・・・)かのような痛みだ。

死にそう。

「質問に答えるならな、答えは一つだな。あいつは俺を利用しようとした。人を自分のために利用しようとするような奴は、死んでいい(・・・・・)。そうは思わないかな、殺人鬼」

「……人殺しは良くないと思いますよ?」

口元を歪めたようにして、ハリシが笑う。

「お前が言っていいセリフかな? それは」

同時に、右目が見えなくなった。

そして、後頭部まで貫かれたような激痛。

ミアの悲鳴が聞こえる。

これは……刺されたな。

見えないからよく分からないけれど、恐らくは右目から後頭部にかけてを針で突き刺されたに違いない。

もう、駄目だ。

死ぬ。

ハリシの不気味な笑顔が見えたのを最後に意識が飛び、そして僕は再び目覚めた。

それから、僕はロプテさんが首を折られた瞬間をもう一度目撃した。

「ミア、すぐに逃げよう」

「えーくん?」

「あの男はラギリルじゃない。ここにいると僕らは……なくとも僕は殺される」

ミアは一瞬訝しげな表を浮かべたけれど、すぐに頷いて、

「分かったわ。急ぎましょう」

と、走り出してくれた。

敵は、どういう能力を持っているんだ?

針をる能力か?

いや、というよりは。

「痛みをる……のか?」

まあ、いいさ。

あいつがラギリルって人じゃないなら、いつまでもここに殘っておく必要なんてない。

やっぱり逃げるが勝ちってわけだ。

だけど、その時。

僕は、前を行くミアの頭上で何かが煌めくのを見た。

「ミア!」

咄嗟にミアに飛びつき、地面に押し倒す。

痛みはなかった(・・・・・・・)。

「えーくん!?」

僕のの下で、ミアの赤い目が見開かれる。

「怪我はない? ミア」

「私は大丈夫。だけど、えーくん……!」

「何?」

「せ、背中に……」

ミアに言われ、背中に手をやると、何か細長い金屬質のがあった。

針だ。

……まるでハリネズミにでもなったような気分だ……!

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