《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》底辺ザコ野郎はスローライフの夢を見ない その②

「何を言ってるのかよく分かりませんね」

「ん? 詳しく説明したほうが良いかな?」

「いや、別にいいですけど」

「そうかな。それはし殘念だな」

「大、相手に気付かれない攻撃ができるからっていい気にならないでください。そのくらい、僕だってできる(・・・・・・・)」

僕は【切斷(キル・ユー)】を、相手を背後から切り裂くように発した。

だけど、ハリシはそれを、まるで背中に目が付いているみたいに簡単に躱した。

見えないはずの刃を。

「……スキル頼みの戦い方だな、殺人鬼」

「はい?」

「相手に気付かれないように攻撃するなら敵の背中を狙うなんていうのは、誰もが考えつくことだからな。狙いが分かれば回避するのは容易いことだな」

「本當にそうでしょうか(・・・・・・・・・・)?」

「どういう意味かな?」

ハリシが聞き返した瞬間、そんな彼の右肩を見えない刃が切り裂いていった。

回避されたものが、弧を描いて再びハリシを襲ったわけだ。

「……種明かしするようで嫌なんですが、【追尾(ストーカー)】なんてスキルも、僕は持ってるんですよ」

ただ、相手の首筋を狙ったはずなのに肩付近にしか命中しなかったのは、多分相手がうまく避けたからだろう。

【追尾(ストーカー)】も、狙ったところに直撃させられるような完全なスキルじゃないってことか。

それとも……僕がにつけた時に劣化したのか?

いや、そんなことは今考えるべきことじゃない。

とにかく、こいつを殺す。

両手両足を先端からしずつ細切れ(・・・)にしてやる。

「やはりスキル頼みだな、殺人鬼」

「誰に頼もうが、あんただけは殺して見せますよ」

「しかし、どうだろうな。スキルを併用できる人間が、普通(・・)であるはずがないのだがな」

「どういう意味です?」

「……俺に勝てたら、教えてやろうかな」

ハリシが目を細める。

僕を挑発しているらしい。

なるほど。

面白い。

のってやる。

僕はハリシに向かって足を踏み出そうとした。

が。

足がかない。

嫌な予がして足元を見てみれば、再び僕の足は針で地面に固定されていた。

「殺し合いの最中に喋りすぎだな、お前は」

あんただって喋ってたくせに……!

いや、それともこうして攻撃するために、わざと喋っていたのか?

僕に隙を作らせるために。

ええい、迂闊だった。

相手のペースに乗せられっぱなしだ。本當に落ち著いたほうが良い。

じゃないと……じゃないと、こいつは僕を殺すだろう。

嬲り殺しっていう、僕の一番いやな殺し方で。

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