《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》底辺ザコ野郎はスローライフの夢を見ない その⑦

※※※

「ミア、聞こえる?」

『聞こえるわ、えーくん』

「ごめん、ちょっとした手違いで敵を逃がしちゃったんだ。ミア、多分君を殺しに行ってるところだと思う」

『そうらしいわね。私の方へものすごいスピードで近づいて來る人間を探知したわ』

「今僕も追いかけてるんだけど、敵の位置が分からない。ナビゲートして。最短距離で」

『了解。えーくんの位置から北側へ直進よ』

「分かった。僕が行くまで死なないでね、ミア」

『善処するわ。ただ……追いついたとしてもギリギリになるかもね』

「ギリギリ?」

僕は地面を蹴り、駆け出した。

が軽い。

が、自分のイメージ通りのきをしてくる。

の屋から屋へ飛び移り、夜風を切り裂いて、ミアのもとへ。

『今のえーくんは確かに速い。あの針使いよりもね。だけど、私のところへたどり著くのは相手とほとんど同時になると思う』

「僕が到著する前に、ミアがあいつを倒してくれてもいいんだけど」

『無理言わないでよ。……だから、えーくん。私に考えがあるわ』

「考えって?」

『私が相手に隙を作る(・・・・・・・・・・)から、一撃で倒して』

「本気?」

『本気よ』

あの男に対して隙を作る?

そんなことがミアにできるんだろうか。

……まさか仕掛け?

いやいや、極度のロリコンならともかく、あんな凹凸もへったくれもないでそれはないだろう。あれなら、ちょっとエロい形に育っちゃった野菜の方が気がある。僕はそう思う。

『えーくん、なにか余計なこと考えてない? 進行方向がずれてる』

「いや、何も。ミアのことを心配してるだけさ」

『……私もできるだけ見つからないようにするから、急いでね。私、死ぬのは嫌よ』

「誰だって死ぬのは嫌だよ。僕だって嫌だ。未だに慣れない。それで、敵との距離は?」

『もうしよ。私が追いつかれるのも、えーくんが追いつくのも』

の屋から飛び降り、地面へ著地する。

ダメージはない。

これが強化薬(ティルフィング)か。

まさに魔法の薬だ。

街中から離れ、壊れていくに任せたような古びた空き家が目立つようになってきた。

前方に、ようやくハリシの後姿が見えてくる。

『えーくん、悲しいお知らせ』

「何? 聞きたくないけど」

『敵はもう私を見つけてるわ。時間は稼げない』

「そうなると?」

『予定通り。私が一瞬隙を作るから、絶対に敵を殺して』

「……分かった」

僕はさらに加速をかけ、ハリシに接近した。

だけど、駄目だ。相手も速い。

ハリシの背中越しに、ミアの姿が見えた。

そして、ハリシの手元にる針が。

「ミア――」

その瞬間、ハリシのきが止まった。

一瞬のスキって、これか!

【死線(デッドライン)】は屆かない。

なら。

「【切斷(キル・ユー)】!」

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