《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》黙殺変死ネクラちゃん その⑥

「あの……僕、普通にこの街に來れちゃったんですけど、マズかったですかね? 軍部の監視がついてたりなんかしませんか?」

「監視網に引っかかっていたとしても問題はないさ。どちらにせよ相手はこちらの位置なんてとっくに把握しているんだ。俺たちをなぶり殺しにするつもりなんだよ」

「そうさせないためにも、反攻作戦をしかけるんですね?」

「その通りだ。一方的な殺ではなく、暴徒と化した相手から仕掛けてきたから仕方なく返り討ちにした――軍部の連中が描いているシナリオは大かたそんなところだろうが、相手の思通りに事を進めてやるつもりはないよ」

「戦力差は?」

「もちろんこちらが不利だ。だからこそ君を派遣して貰ったんだ。一人で一個大隊並みの戦力になると聞いているが?」

……そんなことを言ったのは、多分ミアだな。

他人事だと思って勝手なことを。

「それは買い被りすぎですよ。まあ、役には立つつもりでいますけど」

「そうか。……ここだ」

階段を降りて長い廊下を歩いた先に、固く閉ざされた鉄の扉があった。

扉の脇にはの人が一人立っていた。

ピンクのショートボブで、薄汚れたローブを羽織った小柄なの人だ。

「やっほー、待ってたにゃーん」

「……誰ですか、この変な人」

「しょ、年! 変な人ってどういうことにゃん!? 人を見た目や言葉遣いだけで判斷してはいけないナリよ!」

「こいつはマニー・クイン。俺たち『弱者の牙(ファング)』のナンバー2だ」

「こんな人が……。よっぽど人手が足りてないんですね」

「にゃ、にゃにをう! 失禮な年だにゃあ! マニーは『弱者の牙(ファング)』のムードメーカーにしてマスコット的存在なのですよう!?」

両手を振り回しながら、マニーと名乗るの人は僕に抗議する。

ひどいキャラだ。やけしそう。

「まあ、君の言いたいことも分かるが、彼の実力は確かだ。俺たちは何度もこいつに救われているんだからな」

リジェの言葉に、マニーさんがを張る。

「ほらぁ! 年もマニーの実力が分かったら、そんな汚を見るような目でこっちを見るのはやめてもっと崇め奉るんだぴょん!」

「わー、すごい、すごいです」

「ぼ、棒読みだぴょん。すごい棒読みだぴょん。マニーちょっと悲しい……」

泣き真似のつもりだろうか、マニーさんは両手で自分の顔を覆った。

この人とはあまり関わらないでおこう。めんどくさそうだし。

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