《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》黙殺変死ネクラちゃん その⑧

「えーくん、ここにいたのか」

「リジェさん」

僕と同じように、コートを著たリジェさんが僕の隣に座る。

「敵に目立ったきはない。こちらの作戦もれてはいないようだ」

「でも、一斉にくとさすがにバレますよね? 相手は僕らを四六時中監視しているんでしょ」

「そのための俺のスキルだ」

「リジェさんのスキル?」

「見るかい?」

リジェさんが立ち上がり、僕の目の前に立った。

そして。

「【防壁(ウォール)】」

リジェさんと僕の間に明な壁のようなものが出現したかと思えば、すぐにリジェさんの姿が見えなくなった。

「……どういう能力なんですか?」

「要するに盾だな。巨大な盾だ。彩も自由に変えられる。この雪の中なら、擬態もそう難しくはない」

再びリジェさんが姿を現す。

「それで全員を見えなくするんですね」

しだけ違うな。俺の【防壁(ウォール)】で守るのは本命の攻撃部隊だけだ。マニーの部隊には目立ってもらわなきゃいけない」

つまり囮ということか。

「大丈夫なんですか? あの人たちが全滅させられると、リジェさんの組織にとっても痛手だと思いますけど」

「マニーが居れば全滅することはないさ。だが、そうなったとしたら、その時は『弱者の牙(ファング)』が滅びるときなんだろうな。それがいつ訪れても良いように、覚悟はしているが」

「覚悟、ですか……」

「ああ、覚悟だ。そろそろ中にろう。最終的な打ち合わせをしたいし、何よりここは寒いだろう」

※※※

日が落ちて、予測通り雪が降り始めた頃、リジェさんたちの打ち合わせが終わった。

どうやら予定通りに作戦が決行されるらしい。

拠點の中が慌ただしくなる。

資が行ったり來たりするのを、僕は薄暗い廊下でぼんやり眺めていた。

この拠點、僕が思ったよりかなり広いみたいだ。慌ただしく作戦の準備を進める『弱者の牙(ファング)』の構員らしき人たちを何人も見かけるし、さらに民間人を匿うスペースが奧にあるという。

「やっほー、年。ぼけーっとしちゃってどうしたにゃー?」

人のごった返す廊下の向こうから、ピンクの髪をしたの人が駆け寄って來る。

「マニーさん……でしたっけ?」

「そうそうそのとーり。こんなとこで何してるぴょん?」

「出番を待ってるんですよ。こういうとき、余計な手伝いをするとかえって混させちゃいますからね」

「賢明だぴょん。マニーもこういうの苦手にゃんだよね。ほら、マニーは壊すの専門だから」

そうなのか。初めて知った。

「リジェさんは?」

「彼は準備が大好きだから、ノリノリで陣頭指揮とってんだにゃ。だからマニーはここに逃げて來たってわけ」

「なるほど」

僕が頷いたとき、大きな揺れに襲われた。

発のようだ。拠點全が揺れている。

このタイミングで仕掛けてくるということは――おそらく、軍部の連中だ。

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