《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ノータリンの擔架 その①

「え……!?」

何が起こったんだろう。

この雪の中でも火は燃え続けていたのに。

……いや、答えは簡単だ。

こんな理解できないような事態を引き起こせるものはあるとしたら、それは魔法しかない。

そしてこんな大規模な範囲で魔法を使える人間がそう何人もいるはずがない。だとしたら、この拠點にいるのだろうその誰かは、それなりの地位にいる人間――つまり、僕らの標的となっている人間に違いない。

「雰囲気の違う男がいると思えば――まさか、これだけの攻撃を一人で行うとはな」

背筋に冷たいものをじ、僕は反的に振り返った、

というか、振り返らされていた。

そこに立っていたのは一人の老人だった。

「あなたが、ここの司令ってわけですか?」

その老人は顔にこそ深い皺が刻まれていたが、背筋はびていてつきも若々しかった。

軍部を司る元老院の……えっと、確か名前はヒガとか言ったかな? どことなくあの男を思い出させられた。

「私の名前はテンヤという。王國に歯向かう反分子に存在意義はない。貴様は私がここで始末しよう」

「あなたに出來ますか?」

「私はこの一帯を任せられただ。その責務は果たさねばなるまい」

テンヤが右手を上げた。

その直後、僕の全は焼失していた。

「な――」

何もできなかった。

一瞬遅れて熱さをじた瞬間には、僕は既に死んでいた。

そして気がつけば僕は再びテンヤと対峙していた。

「雰囲気の違う男がいると思えば――まさか、これだけの攻撃を一人で行うとはな」

さっき聞いたばかりの臺詞をテンヤが言う。

「……あなたがこの辺り一帯を任されている人ですね?」

「ふん。人を見る目は多なりとも持っているようだな。左様、私こそがテンヤだ。反分子は抹消しなければならない」

どんな攻撃が來るかは分からない。

それを理解する前に僕は死んでいた。

とにかく今は、ここに居てはヤバいということだけは分かっている。

だから僕は、思い切り橫に跳んだ。

次の瞬間、僕の立っていたはずの場所にはが降り注ぎ、降り積もっていた雪が地面ごと蒸発した。

そう、――線だ。

エヌも似たような攻撃を使ってきたが、あの時とはなんだかじが違う。

エヌの攻撃は細い糸のような線だったが、こっちは僕の全を包むほどに範囲の広い攻撃だ。

「……躱したか。我が前線基地に単乗り込んできただけのことはある」

「それは僕を買い被りすぎです。乗り込んできたのはり行きみたいなもので、100%僕の意志ってわけじゃないんですよ」

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