《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ノータリンの擔架 その③

……どうするんだ、僕。

このままじゃ勝てないぞ。

能力で生み出した攻撃さえ焼失させてしまうような線なんて規格外だ。

「やはり殺すしかないようだな。反分子は反分子に過ぎん」

再び意識を取り戻した僕の前で、テンヤは既に聞いたことのある臺詞をなぞるように言う。

僕の攻撃が通用しない。

もちろん、小細工のような真似をしても意味がないだろう。

こうなってしまうとやれることは一つしかない。

――というか、これが最適解だろう。

信じられるのは自分のだけ。

僕は、思い切り地面を蹴ってテンヤの方へ駆けだした。

「ふん。自棄(やけ)になるほど愚かな行為はない」

テンヤが僕を軽蔑したような目で見る。

だけど構わない。

軽蔑されようが見下されようが、最後に生き殘るのが僕でさえあればそれでいい。

「【死線(デッドライン)】」

れた者の生命を奪う鎌を発現させ、テンヤめがけて振り下ろす。

が、テンヤはそれを躱した。

用な男だ。スキルを使い分けているのか? それとも、これがお前の役割とでも言うのか?」

「僕に答える義務はありませんね」

鎌の切っ先を変え、再びテンヤに向けて振る。テンヤが見た目に似合わない素早いのこなしで僕から離れる。僕はその度に距離を詰める。

「……いいきをしている。なぜその力を正しいことに使わない?」

「正しさなんて人それぞれでしょ? 僕は僕の思う正しいことをやっているつもりです。

それより――さっきの線は撃たないんですか?」

「安い挑発だな」

テンヤが顔を歪める。

恐らくは、線を撃とうにも撃てないんだ。なぜなら、今あの線を撃てば自分もただじゃ済まないから。

なら、このまま押し切れば勝てる。

「挑発だなんてとんでもない。ただ、し疑問に思っただけですよ」

テンヤの背後には崩れ落ちた建の瓦礫がある。

それが障害になって、相手はこれ以上後ろに下がることはできない。

完全に捉えた。

僕は死の鎌を振り下ろした――瞬間、僕の顎に鈍い痛みが走っていた。

姿勢を低くしたテンヤの右拳が、的確なタイミングで僕の顎を打った。

完璧なカウンターだ。僕は視界が揺れるのをじた。

まさか、い込まれていた……?

「接近戦に持ち込もうとした考えは評価できる。が、私はどちらかというと弾戦の方が得意でね。私が弱點を曬すような人間だと思ったのなら、それは迂闊としか言えないな」

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