《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ノータリンの擔架 その⑦
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ガルツの町へ戻った僕らの目に飛び込んできたのは、全壊した街並みだった。
建が並んでいたという面影はなく、そこにはただ瓦礫の山があるばかりだった。
「……こうなってしまったか」
リジェさんは沈痛そうな面持ちで言った。
「とりあえず拠點の方まで行ってみますか?」
「ああ」
僕らは再び歩き出した。
あちこちに焦げ付いたような跡があって、被害の大きさを語っている。
まだし焼けたような匂いが辺りに漂っている。
『弱者の牙(ファング)』の人たちは無事だろうか。
僕が々センチな気持ちに浸っていたとき。
「およよーっ!? なーんか見覚えあると思ったらえーくんじゃにゃいの!?」
ピンクの髪を揺らしながら僕らに近づいて來たのはマニーさんだった。
……なんか、気分がぶち壊しだ。
「マニーか! 無事だったのか!?」
リジェさんが僕とマニーさんの間に割ってる。
「リジェも無事だったんだねぇ!? あれ、でも他の仲間は……」
「マモトとラクシャは死んだらしい。見つからなかった」
「あー、そっか……。ってことはあのビームはリジェ達のところが発生源なのかにゃ?」
「ああ、そうだ。俺の【防壁(ウォール)】でも守り切れなかった」
「だけど、リジェ達がここに戻って來たってことは敵を倒したってことぴょん?」
「倒したんは俺じゃない。えーくんだ」
「あ、いや、リジェさんがいなければ無理でしたよ。あんな敵を倒すなんてことは」
「えー!? えーくんが倒したぴょん!? やるじゃん。へっへっへ」
にやにやしながらマニーさんが僕の脇腹をる。
何だこの。マジで何なんだ。
「それよりも俺たちの仲間はどうだ? 被害は?」
「安心安心、マニーたちの拠點はほとんど無傷だよっ! 建は全部吹き飛んじゃったけど、地下部分は大丈夫ぴょん。負傷者は何人かいるけど、みーんな軽傷だから問題ナッシング」
「そうか……」
リジェさんが安心したように肩の力を抜く。
「えーと、とりあえず僕の仕事は果たせたってことですか?」
「ん? ああ、そうだ。ありがとうえーくん」
「いえ、お役に立てたようで何よりです」
リジェさんの差し出した右手を僕は握った。
これで『弱者の牙(ファング)』を包囲する軍部もいくらかは弱化するだろうし、一応は萬事解決、ということになるだろう。
さて、あとはミアのところへ帰るだけか。
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