《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ノータリンの擔架 その⑧

※※※

「おかえりなさい、えーくん」

グルツおじさんの屋敷の前で僕を出迎えてくれたのは、他でもないミアだった。

「へー、珍しいね。わざわざミアが僕を出迎えてくれるなんて」

「そうかしら? 私、あなたに対してそんなに冷たい態度はとっていないつもりなのだけれど」

相手がハラスメントだとじたらハラスメント、という言葉が僕の脳裏によぎった。

いや、よぎっただけ。

別にそれがどうこうって話じゃない。

「で、どうなの、そっちは。順調?」

「販路拡大と近代化。科學と魔法の融合……考えるのは簡単でもやってみるのは案外難しいものだわ。だけど、アミスさん――覚えているかしら? あの、経済部門を擔當していた元老院の人よ」

「ああ、覚えているよ」

僕はあの渋い顔をした初老の男を思い出した。

流れがなんとかかんとか、って言ってた人だ。

「あの人の私的に使っていた貿易ルートを利用しているの。だからことはスムーズに運んではいるわ」

「元老院なんて組織が今も生きてたことに驚いたね。軍部の一黨獨裁じゃなかったの?」

「そう。実質的にはね。だからあの人もかなり苦労しているみたいよ」

要するに、ミアはあのアミスって人を利用して一儲けしてるってわけか。

グルツおじさんも良いように扱われているみたいだし、魔というのはミアみたいな人のことを言うのかもしれない。

もしかすると、年上の男の人をるのが得意だったりするのかも。前にそういうバイト(・・・・・・・)をしていたって言ってたし。

「……僕の方は、言われたことは果たしたよ。『弱者の牙(ファング)』との関係も概ね良好」

リジェさんは、軍部との戦いに必要なときはいつでも協力すると言ってくれた。

口約束だけど、あの人はそれを破るような人ではないだろう。そんな気がする。

僕が言うのだから間違いない。

いや、僕が言うのだから絶対に間違っているのか?

……このことについては考えないでおこう。

多分大丈夫だろうけど。

「それで、ミア。こうやって僕を出迎えてくれたからには、何か良くないこと(・・・・・・・・)も起っているんだろ?」

僕が言うと、ミアは疲れたように笑った。

化粧でごまかしているみたいだけど、そういえばミアの顔はしやつれたようにも見える。

「ええ。……私たちのきが軍部に察知されつつあるわ」

    人が読んでいる<外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください