《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》ノータリンの擔架 その⑩

「何を言っている。俺も俺の仕事を果たしているつもりだがな。既にこの――ミア・ミザルは數度命を狙われている。彼の近辺を守っているのは俺だということを忘れるな」

「あなたが? 屋敷の用心棒じゃなかったんですか?」

「ここにはギルもいるし、あのツヴァイとかいうガキもいる。一番危険が迫っているのはこのだと判斷した」

ふと僕は、ハリシの左手に包帯が巻かれているのに気が付いた。

「……その怪我、どうしたんです」

「警護時に敵の狙撃手にやられた傷だな。何、気にするな。仕事は果たすからな」

「案外、任務に忠実なんですね?」

「俺は依頼人のことは裏切らない主義でね。俺を二度も追い詰めたような人間が相手なら、尚更だな。強いものに従うのが生き延びるコツとはよく言ったものだな」

おいおい、よりによってこんな男をボディガードにするなんて。

ミアは僕を傍に置いておきたくないのか?

「……どうした殺人鬼。らしくない顔をしているな?」

「そうですか? 僕は大いつもこんな顔ですよ」

「ミア・ミザルのことか? それならば気にする必要はないな。あのの執念は凄まじいからな。俺も驚かされるくらいにはな。あの、まだまだ倒れはしないな」

「そんなこと、僕が一番分かってますよ。ただ、ミアがあなたを傍に置いているのが気にらないんです」

僕が言うと、ハリシは聲を上げて笑った。

「嫉妬というわけだな? 得の知れないガキだと思っていたが、お前もお前でまともな部分があるらしいな」

「いけませんか?」

「いや……悪いとは言っていないがな、それでもやはりらしくはないな。余計なは死を招くということは覚えておいた方がいいな。どうしてもというなら、ミア・ミザルに直接言えばいいと思うがな」

「……ミアだって、何か考えがあって僕を遠ざけているんでしょう。余計なことをしてミアを困らせる気はありませんよ、僕には」

「自分の役割が分かっているようだな。安心しろ殺人鬼。お前たちに拾われた命だ、お前たちのために使って見せよう」

ハリシは右手(・・)を上げた。

長袖のジャケットから覗くその右手には手袋がしてあった。

「その右手……」

「外國からの技というらしいがな。ミア・ミザルに発注してもらったものだな。脳からの電気信號と連してくとか聞いたが、まあ、かしやすいことは確かだな。……なあ、殺人鬼」

「なんですか?」

自分の右手を見つめながら、ハリシは言う。

「外國にはこれだけの技がある。このままでは遠からずこの魔導王國は滅びるな。だとすれば、ミア・ミザルがやろうとしているのはこの國を延命させることになるかもしれないな」

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