《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》この世界が理不盡だと僕だけが知っている その②

※※※

おじさんに別れを告げ、僕は反軍の拠點にやって來た。

「さて、どうしよう」

一人、資の搬作業をしている人たちを眺めながら呟いてみる。

どうしようも何も、ここに突っ立っているわけにもいかない。

誰かに聲を掛けてみて、偉い人に會わせてもらおう。

そう思って、僕がその辺りの暇そうな人に聲を掛けようとしたときだった。

風に乗って飛んできた一枚の布切れが僕の顔面を強襲した。

強襲したと言っても僕にダメージがあったわけではない。布だし。

ただ一瞬視界が奪われただけだ。

僕は僕の顔面に覆いかぶさったその布をつまみ上げ、形狀をよく観察してみた。

逆三角形のシルク生地。ちょうど真ん中よりし上の部分に小さなリボンのようなものがついたそれに、僕は多なりとも見覚えがあった。

「……パンツ?」

「ちぇりおーっ!」

同時に僕は、今度こそ本當に顔面を強襲された。

の子の飛び膝蹴りに。

完全に不意打ちだったので、僕はあえなく地面を転がった。

「私のコレクションにべたべたらないで頂きたいでございますです! さっさと返卻いたすのです!」

仁王立ちで僕を見下ろすそのの子は、僕よりし年下に見えた。

魔導學園に居た子生徒たちが著ていた服――制服だっけ? あれと雰囲気の似た服を著ている。

「えーと、最初に質問。コレクションって、これ?」

僕はを起こしながら純白のパンツをつまみ上げ、の子に見せた。

「當たり前でございますです! それ以外に何がおありなのですかっ!?」

「いや……」

ちょっと待って。

脳の処理が追い付かない。

コレクション(・・・・・・)?

これがコレクションだというのなら、この子はパンツの収集家ってことになる。

「いいからお返しくださいです!」

の子が僕の右手に握られたパンツに手をばす。

僕は反的に右手をひっこめていた。

「……嫌だね。僕が見つけた時點でこれは僕のものだ」

「なっ……!? ひ、卑怯なっ!」

「ふん。妙な言いがかりはよしてもらおうか。それともこれが君のものだって証拠でもあるのかな?」

の子は驚愕の表を浮かべた。

「一何に使おうというのでございますですか!? まさか――履くのですか!?」

「履かねえよッ!」

「な、なるほど。あなたもあなたで中々高尚な趣味をお持ちでいらっしゃいますのですね? 人の下著を勝手に履いてしまうような……」

「だから履かねえよッ!」

「しかしだからと言ってそれを渡すわけにはいきませんのです! ここはパンツを賭けて一騎打ちでございます!」

の子がファイティングポーズを取る。

なんか、妙なことになって來た。

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