《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》この世界が理不盡だと僕だけが知っている その③

「ま、まあ、待ってよ。ここは平和的に解決を――」

「問答無用!」

空気を切り裂くような音がして、の子の拳が僕の眼前を掠めた。

いつの間に距離を詰めたんだ?

ただの年下のの子と思っていたら余計な怪我をしてしまうかもしれない。

僕は後ろに跳んで、彼から距離を取った――が、相手はすぐに近づいてきて、蹴りと突きを絡めた連撃を僕に放つ。

僕は咄嗟に相手の右手を摑み、投げ技をかけようとした。

完全に極まったタイミングだ。

「……!」

ごきっ、と嫌な音がする。

骨が外れた音だ。

だけど僕の骨が外れたわけじゃない。

同時に、投げられたはずのの子が自然な勢で著地するのが見えた。

「そこまでやるか……!?」

恐らく、相手はわざと自分の肩を外して僕の攻撃から逃れたのだ。

そして、そんな風に相手の行を推察する時間は、一対一の勝負において無駄な時間以外の何でもなかった。

瞬時の隙を突いたの子の上段蹴りが僕の側頭部に直撃する。

次の瞬間、僕は地面を転がっていた。

「いい加減パンツを返す気になりましたですか!?」

「……勝負に夢中になって大事なことがおろそかになっていたようだね」

「な、なんなのでございますですか、その不敵な笑みは!?」

「ふっ。まだ気づかないとは。今度から君はスカートを履かないこ(・・・・・・・・・・)とをお勧めするよ(・・・・・・・・)」

「つ、つまりパンツ丸出しで外を歩けと!?」

「ち、違うよ! ええい仕方ない、これを見ろ!」

僕は左手を開いた。

そこには薄桃のパンツが握られていた、というか、握っていた。

「まさか――それは!」

の子が驚愕の表を浮かべる。

「そうさ! さっき君が蹴りを放った瞬間、僕はこれを――君の履いていたパンツを奪い取っていたのさ!」

どうだ、怖気づいたか? 參ったか? 僕の勝ちを認めるか?

……いや待て、これで相手が僕の勝ちを認めたとして、その場合僕は人間として大切なものを失ってしまう気がするのだけれど。

だけど、事態はそう思い通りにはかなかった。

「フフ……フッフッフッフ……ワハハハハハ!」

突如、の子が大聲を上げて笑い出した。

「な、何がおかしい!?」

「私と同レベルの下著マニア……いや、変態に出會えたことを心から喜んでいるのでございますですよ……さあ、本當の勝負はここからでございますです!」

や、ヤバい。

逆効果だった。

変態を本気にさせてしまった。

僕は生き延びることができるのだろうか……!

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