《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》この世界が理不盡だと僕だけが知っている その④

「先に名乗らせていただくでございますです。私の名はイチゴ・ナナハ。傭兵にしてレジスタンス『瓶の中の小人(ホムンクルス)』の特攻隊長なのでございますっ!」

「僕は、えーと、えーくんとでも呼んでくれよ。無職にして貞、趣味は読書! 座右の銘は『働いたら負け』だ!」

「なるほど。えーくんさん、あなたごときに変態の座は譲りません!」

いや、僕はそんな座に就いた覚えないんだけど。

譲ってほしければいくらでも譲るつもりだけど。

しかし、イチゴと名乗るの子のパンツを(しかも二枚)握っている以上、ここで引き下がるわけにはいかない。

「僕も負けるつもりはないよ!」

「では始めましょう。真の変態の名を掛けて! 変態ファイト、レディィィ!」

「ゴォォォォッ!」

僕は両腕の力を抜いた。

自然で、できるだけ素早く相手の攻撃に対応するためだ。

が。

そんな小手先の小細工なんてしも通用せず、イチゴさんの拳は僕でさえ認識できない速度で、僕の顔面にヒットしていた。

顔中が砕けてしまったような衝撃が――いや、多分本當に砕けてしまったのだろう、僕の目の前は一瞬で真っ赤に染まった。

っていうか。

これって。

僕、死ぬんじゃない?

こんなギャグパートで?

普通、ギャグ的な演出で助かるんじゃないのか?

なんてことを考えているうちに、僕のは地面を転がり、かなくなった。

要するに死んだ。

なんて不條理な死に方だ……。

多分、今までで一番嫌な死に方だ。

さすがレジスタンスの特攻隊長。とんでもないパワーだぜ。

そういえば僕は雑魚と言ったら魚に悪いようなよわっちい人間だったよなってことを再認識させられた。

一応言い訳をさせてもらうと、僕は完全にギャグパートのつもりだったから……いや、これ以上の弁解はやめよう。

「なるほど、えーくんさん。あなたごときに変態の座は譲りません!」

ふと気が付くと、イチゴさんはさっききいたばかりの臺詞を喋っていた。

このままだと間違いなく殺される。

「ちょっと待ってよ、イチゴさん」

「――はい?」

「ここは平和的な解決をしよう。このパンツは君に返すよ」

「どうしました? まさか怖気づいたのでございますか?」

もちろんその通りだ。

口には出さないけど。

「どうしてもというなら僕が今履いているパンツも渡そう。それでチャラにしないか?」

「……私、男の人の下著には興味ないんです」

…………。

………。

……やっぱ、そうだよな。

僕としても、男の人のパンツを何枚貰っても微塵も嬉しさはじない。

そんなものより、の子の一枚のパンツだ。

つーか、この短い時間で僕は何度パンツという単語を連呼すればいいんだ。

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