《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》この世界が理不盡だと僕だけが知っている その⑤

「ええい、ならば仕方ない。やはり君とはここで決著をつけるしかなさそうだな!」

「そうなのでござますです。今更引き返せはしませんのですよ!」

再びイチゴさんが両手を握り直す。

うわー、ヤバい。

やる気にさせてしまった。

だけど僕の頭には彼に対して何の策も浮かんではいない。

つまり、このまま戦ってもまたやられてしまうだけなのだ。

顔面を砕かれた時の痛みが蘇る。

スキルを使って戦うか?

でも、そうすると本格的に相手を殺しちゃうことになるからなあ。

やるしかないのか……!

僕は全の力を抜いた。

もしかしたら、うまい合にカウンターがって何とかなるかもしれない。

とりあえずそれに賭けてみよう。

「よ、よし、どこからでもかかってこい!」

「行きますですよーっ!」

イチゴさんがくのが見えた。

僕は反的にくのが分かった。

しかし。

同時に、その反が間に合わないこともじ取っていた。

マズいな。

もしかしたらイチゴさんに出會った時點で、僕は詰んでいたのか?

というか、詰んだ狀況に巻き戻ったらどうなるんだ?

死ぬしかないじゃないか……!

イチゴさんの拳が僕の眼前に迫る。

多分、死ぬ――僕が覚悟を決めたその時。

「そこまでにしてください、イチゴさん」

「!?」

初めて聞く聲だ。

イチゴさんのきが止まる。

「は、ハイルさん!」

「ハイルさん?」

聲のした方を見ると、僕とあまり年が変わらないくらいの男(年?)が立っていた。

髪は黒く、死んだ魚みたいな目をしている。

服は、軍服を改造したようなものを著ていた。

「すみません、ご迷おかけしました」

彼は僕の方に歩み寄ってくるなりそう言った。

「いや……まあ、り行きみたいなものですから。イチゴさんが一方的に悪いってわけじゃありません。僕にも多原因があります」

「そうですか。いや、そうでしょうね。あなたの両手を見れば分かります」

言うまでもなく、僕の両手にはもののパンツが一枚ずつ握られている。

うん、完全に癡漢の現行犯だ。

このまま軍警察に突き出されても文句は言えない。一応抵抗はするけど。

「何度も言わせてもらいますけど、り行きでこうなってしまったようなものなんです。決して僕が故意でやったわけじゃないんです。誤解されないよう、先に弁解しておきます」

「偶然両手で下著を握ったとでも言いたいんですか?」

「それもまあ、仕方ないんです。反的にやっちゃっただけです」

「反的に……下著を?」

「はい、反的に」

ヤバい、これじゃ不審者倍増だ。

不審者のバーゲンセールだ。

僕は棚に大量の不審者が並べられている様子を想像してみた。

そんなバーゲンセール、最悪だ……!

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