《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》この世界が理不盡だと僕だけが知っている その⑨

「とにかく、この人は味方なのでございますです。作戦の事を教えてあげてしいのです!」

僕の隣に立っていたイチゴさんが、モモさんの方にを乗り出す。

するとモモさんは両手をの前で組んで、うーん、と唸った。

「……えーと、何か不都合が?」

「ううん、違うんだけど……。だけどこれ言っちゃっていいのかなー?」

「何がです?」

「簡単な話をするね、ええと」

モモさんが何かを訊きたそうに僕を見る。

「あ、えーくんと呼んでください」

「それじゃ、えーくん。これを見てくれる」

モモさんがテーブルの上に取り出したのは地図だった。

恐らくはこの辺りの地図なのだろう。

「こっちが私たちの拠點。そしてこっちが敵対する軍部の拠點。で、今は市街地で陣地を取り合ってる狀態なの」

「はい、ここに來るときに戦闘が行われているのを見ました」

「はっきり言うとね、この市街地はあと一日もすれば落とせるのよ」

「……え?」

「市街地を足掛かりにすれば、そのまま敵拠點を落とすのに時間はかからない。軍部があの拠點を放棄することを決定したという報が數日前にったから、恐らく援軍も來ない」

「と、言いますと?」

「こういっちゃなんだけど、支援は必要ないってことね」

え?

噓?

本當?

いきなり要らない子宣言されちゃったよ?

「そうなると、僕はもう帰っちゃってもいいってことですか?」

「君がそうしたいのなら私は止めないよ?」

「う」

帰ろうかなあ……。

わざわざここまで來ておいてってじもするけど。

「ちょっと待ってくださいです、モモさん!」

再びモモさんの方にを乗り出すイチゴさん。

「あら、どうしたの?」

「この人はきっと役に立ちますです! 私には分かりますのです!」

「イチゴちゃんの気持ちは分かるけど、いくらこちらが優勢とは言え命の取り合いをやっているのよ。不必要に危険な目に遭わせる必要はないと思うわ」

「いえ、それは違いますです。この人はきっと、危険な目に遭わなければ生きていけないタイプの人なのです!」

どんなタイプの人だよ。

タイプ一致でこうかばつぐん、ダメージ三倍か?

「うーん、イチゴちゃんはこう言ってるけど、あなたはどう思う?」

「僕ですか? 僕は一応あなたたち『瓶の中の小人(ホムンクルス)』の援護が任務ですから、帰っていいと言われて素直に帰るわけにもいきません」

ここで恩を売っておかないと、抵抗勢力をひとまとめにするというミアの目的も果たされなくなってしまう。

確かにミアの言うことを素直に聞くのに嫌気がさして來た今日この頃ではあるけれど、かといってまるっきりミアの命令を無視するわけにもいかないし、そうする気もない。

基本的に僕はミアに忠実なつもりだ。

読んで頂いてありがとうございます!

次回の更新は12月13日、20:00の予定です!

予定ですのであしからず。

次回もえーくんと地獄に付き合ってもらう。

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