《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》下著のヒモ生活 その①
※※※
そして、一週間が過ぎた……。
「やっぱり下著と言えばローライズですよ! 鼠徑部の見える範囲が広い方が興するでしょ!?」
「いいえ! 紐だけは譲れませんですっ! 結び目にロマンが詰まってるんですっ!」
「ええいこの分からず屋! なんだったら僕が履いて証明してやりますよ! ローライズタイプの下著の良さをねッッッ!」
「……え、いや、それは……」
「ちょ、ちょっと、急に引くのやめてもらえません? これじゃまるで僕がただの変態じゃないですか」
「悔しいですがお認めいたしましょう。えーくんさん、あなたは変態です。しかし、変態ナンバーワンの稱號は譲りません!」
「い、要りません! そんなもの!」
「えー!? いらないのでございますか!? 私は、自分が死んだ暁にはえーくんさんにこの座をお譲りするつもりでしたのに!?」
「不名譽な稱號だああああっ!」
「なっ!? 不名譽とおっしゃいましたですか!? もう許しません、今日こそ真の変態がどちらかを賭けて勝負しましょう! 一対一のタイマンです!」
「だからそんなものを賭けないでください!」
と、僕が怒鳴り返した時。
イチゴさんの部屋のドアが開いた。
「……あの、お取込み中失禮しますけど」
「あ、あなたはえーと確か、ハイルさんでしたっけ?」
「そう、ハイル・カミンです。りますよ?」
「どうぞ、卑下しているわけではなく汚いところですが」
「ちょっとえーくんさん! 汚いところとはどういうことですございますですかっ!? こんな理想的な空間なかなか作り出せませんですよ?!」
ハイル年が壁中下著で飾られた部屋にって來る。
その足取りに躊躇はない。どうやら彼も、この異様な景を見慣れてしまったらしい。
僕は日常に戻ることができるんだろうか。
うっかりグルツおじさんの屋敷を下著まみれにしてしまわないだろうか。
それだけが心配だ。
まあ、ミアに頼めば彼のパンツの一枚や二枚譲ってくれるだろう。それを飾って我慢しよう――ってヤバい。思考がイチゴさんに毒されてる。
普通の人は、下著を部屋に飾ったりしないのだ。
うわー、僕、本當に大丈夫かなあ。ちょっと心配になって來た。
「で、何の用ですか?」
僕はハイル年に尋ねた。
彼は僕の方を見て、
「あなたはここに下著の鑑賞をしにきたわけじゃないでしょ? そろそろ仕事をしてもらう時が來ましたよ」
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