《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》下著のヒモ生活 その②

何を言ってるんだ、この人は?

僕の仕事は下著を鑑賞すること――じゃ、ない。

そうだ。

思い出した。

僕はこのトーブの街に援軍としてやってきたのだった。

完全に洗脳されかけていた。

恐るべし、イチゴさん。そして下著の魅力。

うっかり下著泥棒なんかになってしまわないように気をつけよう。

「そうでしたそうでした、もう思い出しましたよ。で、仕事って何です? 僕は何をしたらいいんですか?」

「前にもお知らせしたかもしれませんが、あなたにはイチゴさんと共に先陣を務めてもらいます。危険な仕事ですが、イチゴさんと一緒なら死にはしないでしょう……いいですね、イチゴさん」

ハイル年の言葉にイチゴさんがを張る。

「もちろんでございますです! たとえこのイチゴ、が朽ち果てようともえーくんさんは死なせません!」

僕の場合それは余計な心配なんだけど、まあ、とりあえず気を使ってもらえるならありがたい。

僕死なないんで大丈夫ですなんて言ってもちょっと変な人だと思われるだけだろうし。

いや、変な人だとはもう思われてるのか?

どっちでもいいか。

「このタイミングで攻勢に出るってことは、戦局が変わったんですか?」

僕の質問にハイル年が頷く。

「そうです。ここ數日は小競り合いが続いていましたが、こちらが完全に押し切れるという算段が付きました。簡単に言えば戦力差がひっくり返ったんです。あとはダメ押しの一撃がれば向こうは壊滅するでしょう」

どうやら今までとは違って簡単な任務らしい。

ちょっとだけ気が楽になった。

「で、その反攻作戦はいつ始まるんですか?」

「今夜、奇襲を掛けます。それまでは待機ですね」

「なるほど、つまりもうしばしの間私はえーくんさんと下著談義を楽しめるわけなのですね?」

「……そうなります。そうなりますけど、そんなことしてたんですか?」

ハイル年が冷たい目で僕を見た。

「それ以外することがなかったのでね。どうです、作戦が終わったらご一緒に」

はあ、とため息をつくハイル年。

「気が向いたらそうさせてもらいますよ。では、また後程」

そう言い殘し、彼はイチゴさんの部屋を出て行った。

「……心配はいりませんですよ、えーくんさん。私にお任せ下さればそれで。安全なところから見ているだけでもいいのです」

「そういうわけにはいきませんよ。僕だってやるときはやるってことをアピールしとかないとね」

そう。

こんなところまでわざわざ下著談義をしにきたわけじゃないんだ、僕は。

※※※

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