《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》弱者のミカタ その④

地面を転がり、僕は再び立ち上がった。

サイカとイチゴさんが激しい弾戦を繰り広げている。

もしスキルを無効化しているとすれば、問題はその方法だ。

シロとかいう名前のあの白髪は、彼自のスキルによって能力を無効化する空間を創り出していた。

目の前のこのも同じような能力を持っているのだろうか。

……いや、違う。

僕の第六的シックスセンスがそう告げていた。

ならば考えられるのはもう一つの理由――すなわち、【人進化研究所(クーパ)】関係だ。

初めてツヴァイちゃんと戦った時と同じように、あの人たちが僕のスキルに対して何らかの対策を打っている可能は否定できない。

だけど、そうなると、今度は別の問題が出て來る。

こんなに本気で僕らを潰しに來たとなると――ラフィさんたち、敵になっちゃったのか?

いや、今はそのことは考えないでおこう。

とにかく何らかの方法で僕のスキルが無効化されているということだけは間違いない。

だとしたら、僕も拳で対抗しなければならないことになる。

イチゴさんにコテンパンにやられて以來、ちょっとだけ自信喪失中なんだよなあ……。

サイカから距離を取ったイチゴさんが、僕の隣にり込む。

「えーくんさん、相談があるのです!」

「相談?」

「はい! しの間、奴の相手をお願いできますか?」

「まあ、構いませんけど。もともと僕の相手ですし」

「私はチャンスを伺いますです! それまで、よろしくお願いしますです!」

サイカが僕らとの距離を詰めて來る。

僕はイチゴさんの前へ出て、サイカの打撃をけ止めた。

「――排除」

「あんまり他人を嫌ってると、友達なくしますよ」

敵の空いた腹部に膝を叩きこむ。

しかし相手はじない。

それどころか、逆に僕の方へを乗り出して來た。

――マズい。

サイカの右手が僕の顔を鷲摑みにして、そのまま地面に叩きつけられる。

後頭部に激しい痛みが走った。

目が飛び出すかと思った。

相手は再び僕の頭部を持ち上げ、もう一度地面に叩きつけた――というか、叩きつけられた。

このままじゃ死ぬ。

だけど完全に主導権を握られてる。

ええい、効いて効かなくても関係ない。

しだけ隙がしい。

「【切斷(キル・ユー)】!」

僕はただやみくもに、數百枚の不可視の刃を放った。

一瞬、敵のきが止まった。

僕はをよじり、サイカのを蹴りつけ、何とかその場を離れた。

息が上がる。

眩暈がひどい。

くそ、【天(ソーラ)】なんてスキル、二度と――いや『二度と』は言い過ぎか。『できるだけ』使わない!

中を傷だらけにしたサイカが、顔だけを僕の方に向ける。

「目標の生反応、低下――排除は目前」

あれだけダメージをれらていて、まだくのか。

そろそろ諦めてくれればいいのに――ん?

ちょっと待て、僕、今、何を考えた?

あれだけダメージを(・・・・・・・・・・)れられていて(・・・・・・)?

そうだ、僕は何考えてたんだ。

スキルが完全に無効化されているわけないじゃないか。

現に、【切斷(キル・ユー)】の刃は通っている。

ということは、無効化できない攻撃もある?

なら、【切斷(キル・ユー)】と【貫通(メーク・ホール)】の違いは?

……いや、攻撃の質の違いが原因じゃない。

恐らくは――攻撃をける、部位だ。

思い出してみれば、相手は【天(ソーラ)】の一撃目にも耐えていた。

だけど、その後の、今使った【切斷(キル・ユー)】のダメージは通っている。

しかし、【貫通(メーク・ホール)】はけ止められた――掌《・》で。

掌だったから。

――掌にけた、最初の攻撃だったから。

「無効化できるといっても、數回が限度ってわけか……!」

恐らくは、あのに何か細工があるのだろう。

しかしその細工も、何度か攻撃をければ機能を停止する。

つまりは。

勝つためには。

力押しこそが有効ってことになる。

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