《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》弱い雑魚オーバーキル! その⑥
「再會を喜ぶべきなのかな? お前と俺は」
「僕はあんまり嬉しくないけどね」
「言ってくれるじゃないか。まあ、なんだ、そんなところに突っ立っていても退屈だろう。こっちに來て座れよ」
僕は兵士に目配せをして、エヌの部屋に足を踏みれた。
兵士は敬禮をしてから一歩下がった。
「どうしてこんなところにこんな部屋が?」
「ふん。俺の得意な魔法を忘れたかな、えーくん?」
この男と出會ったときのことを思い出してみる。
……ああ、そうか。魔法で人をったのか。
「ずいぶん悪趣味なことをするね」
「悪趣味? 我ながら良いデザインだと思ったがね。ここまで揃えるのには苦労したよ」
僕はエヌの向かい側に置かれた椅子に座った。
家の良しあしは分からないけれど、その椅子が――というより、この部屋に置かれた様々なインテリアがそこそこ高級なものだということくらいは見て取れた。
「何か飲むか?」
「いや、僕は良いよ」
「ちょうどいい酒が手にったところだが」
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「僕は下戸なんでね」
「そうか。それは殘念だ」
そう言ってエヌは再びグラスを傾ける。
それから僕の方に視線を向けて、
「――で?」
「で? ……って?」
「お前がわざわざここに來たということは、それだけ重要な用事なのだろ? 何があった? それともわざわざこんなところまで俺を殺しに來たか?」
「今更そんな面倒なことしないよ。むしろ逆だ。君の力を借りにきた。不本意ながらね」
僕が言うと、エヌは鼻で笑った。
「ふん。お前が俺の力を? 笑えない冗談だな。俺を殺しに來たと言った方がまだ信じられる。どうしてそんなことを? そもそも俺が素直に協力するとでも?」
「ああ、協力するさ」
「なぜそう言い切れる」
「だってこれは、ミアの命令だから(・・・・・・・・)」
エヌがグラスを床に落とした。
グラスは割れ、その破片と中にっていたが周囲に飛び散った。
「……み、ミアが、俺に……!?」
目を見開き、を震わせるエヌ。
「ああ、そうだ。僕は君を救出して來いと言われた。だからこうして來た」
「そうか、ミアが俺を必要としてくれているんだな! こうしちゃおれん!」
素早く椅子から立ち上がったエヌは、どこからか黒のロングコートを持って來て、それを勢いよく羽織った。
その変わりの早さに僕は呆気に取られてしまった。
「あ、あの……」
「何をぐずぐずしている。ミアが俺を待っているんだろ! 一刻も早くミアの元にはせ參じなければならん!」
「いや、でも、あんたと僕は殺し合った仲だし」
「そんな昔のことはどうだっていいだろうが。今はお互いミアのために共に戦おうではないか、えーくん。ミアを守りたい気持ちは同じはずだが?」
うっ。
それを言われると辛い。
っていうかこいつこんなキャラだったっけ?
……こんなキャラだったかもしれない。
「だけど、良いの? 一応あんたは囚われのなんだろ?」
「だからお前が俺を救出しに來たんだろ。ミアの事だ、俺がここを逃げ出しても良いように手は打ってあるに違いない。さあ行こうえーくん、ミアの元へ! 今日から俺たちはミアのために共に戦う忠実な騎士となろう!」
エヌが僕に右手を差し出す。
僕は仕方なくその手を握った。
特に不意打ちをされるということもなくて、し安心した。
「じゃあ、行こうか。あんたの言う通りミアが待ってるだろうから」
「當然のことだ。……ふっふっふ、ミアが俺を……そうかそうか、あの頃の可いミアに戻ってくれたのなら俺はそれだけで十分だ」
「え、何の話?」
「昔のミアは、何かあると俺のことを頼ってな、いつも俺の後ろをついて回るような可い可いの子だったんだ」
「は、はあ……?」
なんだろう。
こいつ、ちょっと気持ち悪いなあ。
監獄生活が長かったせいで多変になってしまったんだろうか。
「それが今や――と言っても俺が最後に會ったのは三年前だが――経済界を牛耳りつつある裏のボスなんてな。人は変わるものだよ、えーくん」
「知ってるの?」
「當たり前だ。俺の報網を甘く見てもらっては困るな。お前たちが壊滅したと聞いた時は自分の不甲斐なさに涙したものだ……そして、お前のけなさに怒りもした。どうしてあの時ミアを守れなかったのだ、お前は」
三年前。
僕がニヒトに敗北した時の話だ。
僕は思わず奧歯を噛みしめていた。
「今更言い訳をするつもりはないけど、反省はしてる。次は必ずあの男を仕留める」
「……ふん。覚悟は出來ているようだな」
「それなりにね」
僕らは並んで部屋を出た。
兵士が僕らの前に立って、道案をしてくれた。
『うまくいったようね、えーくん』
ミアの聲が僕の頭の中に響いた。
信魔法だ。
「ああ、案外協力的で驚いたよ」
『そう。あとは無事に戻ってきてくれればそれでいいわ』
「えーと、エヌと話さなくていいの?」
『ええ。絶対に嫌よ』
斷固拒否。
僕はちょっとだけエヌに同した。
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