《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》いちばんしたの大往生 その④
「だ、だからって」
「敵は幻覚と本の位置をれ替えることが出來るらしいな。最後の最後でミスをするとは、けない。……まあいい。行け、殺人鬼。碌な死に方をしないと思っていたが、これなら悪くはない」
強い力で蹴り飛ばされ、僕のは地面を跳ねた。
「ハリシ!」
僕が起き上がるのと同時にハリシは多方向に針を投げた。
針は、僕らの戦闘で傷ついていた天井や壁に突き刺さり、そして崩壊した。
「今まで命を奪うことしかできなかった俺が、最期に守ったのがお前というのは悪い冗談だな」
ハリシは僕の方を見て笑った。
その瞬間、天井が崩落し、瓦礫に押しつぶされ、ハリシとキュタの姿は見えなくなった。
―――死んだ、のか?
あの男が?
あの、摑みどころのない殺人狂が?
呆然としたまま、僕はハリシたちを押しつぶした瓦礫の山に背を向け、ミア達の後を追った。
※※※
通路は山の中腹部に続いていた。
外に出ると辺りは暗くなっていて、向こうの方に明かりが見えた。
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近寄ってみると、それはミア達だった。
「無事だったのね、えーくん」
「おかげさまで。でも……」
「どうしたの?」
「ハリシが死んだ」
ミアが息を呑むのが分かった。
「……それは、仕方のないことよ」
「僕が油斷していなければ死ななかったかもしれない」
「相手は元老院よ。全滅していた可能だってあったわ。えーくんが無事だっただけでも良かった」
「ありがとう。めとしてけ取っておくよ。それで、こっちは大丈夫だったの?」
「ええ。追っ手の気配もないみたい」
僕はその場にいる全員を確認した。
よかった。ちゃんとみんな居る。
「で、これからどうするつもり? 別の拠點に逃げるの?」
「いいえ。出路が敵にバレていた以上、他の拠點の位置も把握されていると考えるのが妥當でしょうね」
「じゃあ、當てもなく放浪する?」
「それも駄目ね。見つかるリスクを高めるだけだわ」
「なら、どうするんだよ」
「ねえ、えーくん。私はどうしてこの男を助け出したと思う?」
そう言ってミアが指さしたのはエヌだった。
エヌはを張って答える。
「ミアが俺のことを忘れられなかったからだろう?」
「大外れ。正解は、私たちの逃げ場所を確保するためよ」
「逃げ場所を確保? どういうこと?」
僕が訊くと、ミアはため息を吐いた。
「本當はこの手を使いたくはなかったのだけれど、仕方ないのよ。……私たちは、北(・)の地へ逃げるわ」
「北の地?」
「そう。北の地――ジャギア族の地へ」
※※※
「おいそこのお兄ちゃん、どこに行こうってんだい?」
「どこ……? この先ですけど」
「悪いことはいわねえ。やめときなよ。ここから先は極寒の地だ」
「それは分かってますよ、でも、僕はこの先に用があるんです」
「用だって? 一何の用があるってんだよ。雪ばっかりで何もねえところだぜ。それに、この先の山を越えた先にはジャギア族の居留地があるって話だ」
「ならちょうど良かった(・・・・・・・・)。今からそこに行くんですよ」
「じょ、冗談だろ? 俺はなあ、兄ちゃん。時々いるあんたみたいな自殺志願者を止めるためにこの北の関所にいるんだ。いいから大人しく俺の言うことを聞いてくれよ」
「……僕は元々首都の近くに住んでたんですけど、やっぱりこの辺りは寒いですね」
「な、なんだよ、急に」
「おじさんもこんなところで働くのは大変でしょう。これ、シュルルツでもめったに手にらない酒です。僕は飲めないので、差し上げますよ」
「……なんだよ、そういうことなら最初から言ってくれよ。よしよし、分かった。通りな。書類は適當に誤魔化しておいてやるから」
「どうも。おじさんもに気を付けて」
「ああ。道中の幸運を祈ってるよ」
「みんな、通っていいってよ」
僕は後ろを振り返って、ミア達を呼んだ。
「そう。助かるわ、おじさん」
「ありがとうなんだよ」
あざとい笑顔を浮かべたミアとツヴァイちゃんが、関所の門をくぐる。
「このことはぜひごに頼みますよ」
「誰かに喋ったら、地の果てまで追ってでも息のを止めてやる」
瞳に殺気を宿しながら、ギルさんとエヌがおじさんの間を通る。
僕は、四人が関所から出たのを確認して、もう一度おじさんの方を振り返った。
おじさんは呆気に取られたような、何とも言えない顔をしていた。
「えーと、まあ、そういうことですから」
「……兄ちゃんたち、何者なんだい?」
「それを聞いちゃうと、あなたも危ないですよ」
「ジャギア族に會ってどうするつもりなんだ?」
「さあ。僕はよく分かりません――が、世のため人のためってわけじゃないのは確かです」
「約束だから、あんたたちのことは黙っておくが……妙な騒ぎは起こさないでくれよ。なんだかんだ気にってんだ、この仕事」
「ご期待に添えるよう努力しますよ」
かくして僕らはジャギア族が住むという北の地へ足を踏みれたのだった。
※※※
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