《外れスキル『即死』が死ねば死ぬほど強くなる超SSS級スキルで、実は最強だった件。》さよならテオノトナタ その②
「そろそろ彼らの勢力圏ね」
「彼ら? ジャギア族のこと?」
「そうよ。ここから先、私たちの一挙手一投足が彼らに見張られていると考えていいわ」
「ミアが使っていた探知魔法みたいなもの?」
「えーくんにしては鋭いことを言うのね。その通りよ。だから、気をつけてね」
ミアが目を細めながら言う。
「気を付けるって、何に?」
「ジャギア族に決まってるじゃない」
「……?」
ジャギア族は敵なのか?
エヌの件もあるし敵じゃないとは言い切れないか。
僕は一番後ろを歩くエヌの方を振り返った。
エヌは僕の視線に気づいたようにこちらに顔を向けた。
「……ん、ああ、俺はともかくミアは家出してきたようなものだからな。ジャギア族からは――特に族長からは疎まれているかもしれんな」
「族長?」
「そうだ。ケート・ミザル。ミアの……」
「それ以上言うと許さないわよ、エヌ」
迫力ある目つきでミアがこちらを睨む。
やれやれとでも言いたげに首を振って、エヌはため息をついた。
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「―――というわけだ。これ以上は俺の口からは話せん」
「何かあったの? 家庭不和?」
「さっきエヌが言った通りよ。というか、えーくんには前も話さなかったかしら。私は家から逃げ出してきたから元の場所に帰れないって」
「國をひっくり返そうっての子が、まるでただの家出だね?」
「……そのことに関してだけ言えば、その通りだわ。今日はやけに鋭いことをいうのね、えーくん」
ほ、褒められた。
あのミアに、褒められた。
明日は雪でも降るんじゃないか? ……って、今もう既に降っているんだった。
「しかし安心していいぞ、ミア。俺が一緒なのだからジャギア族の連中も迂闊に攻撃してくることはないだろう。そもそも俺が首都へやってきたのは、ミアがどこで何をしているのかを探りジャギア族の地へ伝える任務を兼ねていたのだ。俺にとっては三年ぶりの帰還ということになるな。こうしてミアを連れて來たのだから、ある意味では目的を達したと言えるだろう」
満足げに頷きながらエヌが言う。
そして、次の瞬間、エヌはゆっくりと雪の上に倒れこんでいた。
「……え?」
一瞬呆気に取られた僕だったが、複數の気配が僕らを取り囲むようにいているのに気が付いて我に返った。
「どうやら先手を打たれていたみたいね」
ミアが苦々しく呟く。
その時には、僕らは正不明の集団に包囲されていた。
そして彼らは一様に――赤い瞳をしていた。
「君さえよければ全員殺すけど、ミア?」
「それはやめて。ここは彼らに従いましょう」
ミアが言葉に、ツヴァイちゃんとギルさんも殺気を解く。
「ふーん。やっと活躍できるときが來たと思ったのに、殘念なんだよ」
「……無用な爭いは避けるということですな」
僕らは両手を上げ、ジャギア族の人たちに従うことにした。
※※※
「―――はっ、ここはどこだ!?」
「ジャギア族の里だよ」
エヌが目を覚ましたのは、僕らが暗い牢屋のようなところに放り込まれてしばらくたった後だった。
「そうか、ついたのか……いや待て、それならどうしてこんな場所にれられているんだ? これではまるで罪人だ」
「まあ、罪人と言えば罪人だろ、僕ら。特にエヌはつい最近まで囚われのだったじゃないか」
「それはそうだが、しかし、ジャギア族にとって俺はそうではないはずだが?」
「そんなの知らないよ。向こうに聞いてよ」
僕は鉄格子の向こうに立つ、僕らの見張り役の方を顎で指した。
屈強そうな男の人だ。
「……何か理由があるのかもしれんな。俺も同族相手に爭いを起こしたくはない」
「ビビったの、エヌ?」
「馬鹿にするなよ、えーくん。逃げようと思えばこんな檻、簡単に抜け出せる。そうだろうミア」
隅の方に座っていたミアがこちらを向き、小さくうなずく。
「當たり前よ。ちゃちな魔導障壁だわ。でも、今から渉をしようという相手に対し武力を行使するのは、私も気が進まないわ」
「でもでも、あたしみたいな子供をこんな暗くてじめじめしたところに閉じ込めるなんて、扱いがなっていないんだよ。(ロリ)に対しては紳士であってしいんだよ」
と、ツヴァイちゃん。
「ツヴァイちゃん、いい加減君もロリって年齢(とし)じゃないだろ。をわきまえろよ」
「ふーん、お兄様はもっと小さい子が好み?」
「ずいぶん挑発的なことを言うじゃないか。よし分かった、僕がロリの魅力について君に教えてあげよう。いいかいツヴァイちゃん、まずとの違いだけど―――」
僕が意気揚々と語りだした瞬間、向こうから足音が近づいて來るのが聞こえた。
見ると、威厳ある雰囲気を醸し出した初老の男が、護衛に付き添われてこちらに歩いて來ているところだった。
男は僕らの牢の前で立ち止まった。
「……まず、このように手荒な歓迎になったことを詫びたい。私がジャギア族族長、ケート・ミザルだ」
「ミザル? ってことはミアの関係者?」
僕は男――ケートさんとミアを見比べた。
確かに言われてみれば、どことなく似ているような気がする。
ケートさんはひとつ咳払いをしてから、
「ミアは私の娘だ」
「娘? ってことはミアのお父さんですか?」
「ああ、そうだ。……ひとまずはゆっくり話せる場所へ移ろう。彼らを牢から出してくれ」
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