《【書籍化決定】拾ったギャルをお世話したら、〇フレになったんだが。》第32話 ギャルと一段落

起きると、時刻は既に十七時を回っていた。

やばい、今日は寢すぎた。夜眠れるかな。

寢室からリビングに出ると、玄関の方で清坂さんと天さんが喋ってるのが聞こえてきた。

「あっ。パイセン、おは!」

「お、おはよう。ごめんね、今日は一日寢ちゃって」

「んーん。純夏といっぱい話せたから、問題ないよ!」

その言葉に、清坂さんが顔を真っ赤にして俯いてしまった。

え、何? なんの話をしてたの?

「じゃ、私は帰るよ。晝間のことがあったし、早く帰ってお母さんを安心させたいから」

「わ、わかった。深冬、またね」

なんだ、本當にいい子じゃないか。なんでギャルしてるの、この子?

「じゃあね、天さん」

「ういーっす。パイセン、また明日も來るんで」

「え、本當に來るの?」

「當たり前じゃん。私、パイセンのハフレだよ? ガッコーじゃ人目があってハグは難しいし、ここくらいしかないじゃん?」

別にハグのために來る必要はないんだけど。

でもまあ、いいって言っちゃったし、ここで突っぱねるのもなぁ……。

「はぁ。わかった、いいよ」

「にししっ。パイセン、話が早くて助かるーっ。じゃー……はいっ」

と、満面の笑みで俺に向けて腕をばしてきた。

「えっと……?」

「何してんの? ほら、ハグ!」

「え」

は、ハグ? ここで? 清坂さんの見てる前で?

慌てて清坂さんを見ると、キョトンとした顔で俺を見ていた。

「センパイ? ほら、ハフレなんだから、ハグしないと」

「え、ええ……?」

この狀況に著いていけないの、俺だけ? なんで冷靜なのこの子達。

というか俺、なんで清坂さんの顔を伺ったんだ……? あーでも、清坂さんとはソフレだから、心境的にちょっといたたまれない……とか?

ダメだ、自分のことなのに全くわからん。

「パイセーン、はーやーくー」

「うぅ……そ、それじゃあ……」

「ぎゅーっ」

う、ぐっ、うお……! 清坂さんにも負けず劣らずのデカいお様が、俺ので形を歪めている……!

何だこれ。何で俺、自分の部屋でギャルと抱き合ってるんだ……!

「むぅ。パイセンからも抱き締めてしいんだけどー」

「む、無茶言うな……!」

「……ま、今はこれくらいで許してあげましょう」

ほ、やっと離してくれた。

小さく息を吐くと、天さんは今度は清坂さんとハグをする。

二人のお様、歪みまくって大変なことになってんだけど……。

二人は抱き合ったまま、満足そうな顔をした。

「はふ。いいね、ハグ。私もハマりそう」

「あっ、それならパイセンと純夏もやったら?」

「えっ!?」

「ほらほらっ!」

さんは清坂さんから離れ、背をこっちに押す。

流石に恥ずかしいのか、前髪を直すふりをして目を逸らされた。

「あ、天さん。俺らはソフレであって、ハフレじゃ……」

「じゃあハフレにもなればよくない? 別に二つはダメなんてルールはないし」

いやそうだけどね? でも、その……なんか天さんとは違う恥ずかしさがあるというか……。

どうしよう。これ、俺から行った方がいいんだろうか。

でも清坂さんが嫌がるんだったら、それ以前の問題だし……。

「き、清坂さんはどうなの……?」

「わ、私は、大丈夫っすよ……? い、い、いつでもっ、バッチコイっす……!」

「そ、そっすか」

「はいっす……」

ダメだ。逃げ場を失った。

「かーっ。パイセンはチキンだなぁ。ほら、純夏」

「う、うん。それじゃ……えいっ」

「うぉっ」

唐突に、清坂さんが俺のに腕を回した。

著する

清坂さんは顔を伏せているから、どんな顔をしてるかわからない。

でも、嫌そうじゃないのは合から伝わってきた。

「せ、センパイも、ぎゅーって……」

「う、うん……」

あまり力をれないように、に手を回す。

……あれ? なんかあまり張しないな。むしろ安心するような……あ、そうか。いつも添い寢してるからか。

……改めて思うけど、本當に不純な関係だなあ、俺ら。

「にしし。じゃ、帰るわ。まったねーん」

「あ、ちょっ!」

……本當に帰った。俺らを殘して。

抱きついたままの清坂さんと俺。

清坂さんは離れる気配はないし、どうするよ、これ。

「センパイの心臓、ドキドキしてます」

「そ、そりゃそうでしょ。こんな狀況じゃ……」

「ふふ、そうですね。でも何ででしょう……安心と幸せをじてます」

「……実は、俺も」

「私ら、ハフレの才能もあるんすかね?」

「そんな才能しくなかった」

でも、なんとなくその気持ちもわかる。

こう言っちゃなんだけど、ある意味でだけの関係だよなぁ……不純だ。

そんなことを考えていると、清坂さんがグイッと俺を押して距離を取った。

「す、すんません、センパイ。今日、先にお風呂っていいっすか?」

「え? ああ、構わないけど……」

「あ、ありがとうございますっす……!」

パタパタと浴室にっていった清坂さん。

出てきたのはその二時間後。

隨分と長かったけど、どことなくスッキリした様子なのはなんなのだろう?

「長かったね、大丈夫?」

「あ。す、すんませんっ。その……久々で気持ちよかったというか、やり過ぎちゃったというか……ごにょごにょ」

「え?」

「な、なんでもないっす!」

布団の中に潛り込んでしまった。

やり過ぎたって……何してたんだろう?

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