……どうしてこうなった。

俺は風呂場の中で一人、パンツ姿で立ち盡くしていた。

何故パンツ姿か？　當たり前でしょ。これからの子がってくるとわかってて、ノーパンなわけがない。

まあ、二人も花も恥じらう子高生だ。濡れてもいい服に著替えてくるだろう。

念の為に腰にタオルを巻くと、所の扉が開いて二人がってきた音が聞こえた。

「センパイ、いるっすかー？」

「あ、うん。いるよ」

「それじゃ、風邪引かないうちに私らもりますねー」

「わ、わかった」

やばい。いくらなんでもこの狀況はやばい。

なんか凄く張してきた。清坂さんと天さんは服を著てるとは言え、これはまずい。

家でギャルに背中を流してもらう。

なんだこれ。前世の俺はどんな徳を積んできたんだ。

すると──ぷち、ぷち。しゅる……とすっ。

ん？　なんの……って！？

磨りガラスの向こうにいる二人。

の、面積が徐々に増えてるような！？

い、いやいやいや。そんなわけない。あれだ、すぐそこで著替えてるだけだ。そうに違いない。

そう、慌てる必要はない。でも煩悩は退散してもらいたい。

煩悩退散。煩悩退散。煩悩退散。

ガチャッ──！

「センパイ、お待たせしました！」

「現役JKギャルが、背中を流しに來たよ」

「あ、うん。お願……い″っ！？」

ちょ、えっ、ええ！？

「なななっ、なんで服著てないの！？」

「？　著てますよ？」

「水著をね！？」

そう、水著だ。

全ではないが、限りなく全に近い。

どうしては、下著姿は見せたくなくて水著姿は見られてもいいというのか。

天さんは黒のホルターネックビキニ。

全的に布面積が小さく、元や腰の紐が編み込まれている。そのせいでかなり扇的だ。

清坂さんは水の眼帯ビキニ。

布面積はやや多いけど、トップが四角い布で覆われてるだけで上下左右どこからでも房が丸見え。

やばい。やばい。やばい。

頭がやばいしか出てこない。やばい。

なんで俺の部屋の風呂場に、現役JKギャルが水著を著てってるんだ？

「そんじゃーパイセン、座って座ってっ」

「私が前洗うんで、任せてくださいっす！」

呆然としていると、天さんが俺の肩を摑んで椅子に座らせた。

勢が低いから、目の前に清坂さんの下とヘソがよく見えてしまう。

というか本當、綺麗なだ。薄ら腹筋も縦に割れてるし、ヘソも縦長。括れと腰周りの付きはとても子高生とは思えない。

「それじゃ、洗っていくっすよー」

「まずは頭からね。パイセン、目つぶっててねー」

「は、はひっ……！」

「ふふ、張しすぎだよー」

張するわ！

清坂さんが適溫になったシャワーを頭から掛ける。

目に水がらないようにし前傾姿勢になる。

が、それがまたいけなかった。

シャワーの水を弾く、瑞々しくかぶりつきたくなるような太もも。布面積のないボトム。

目を閉じ、その報を遮斷した。

が、視覚報がなくなり、別の覚が鋭敏になった。

「シャンプーしますねー」

「いところがあったら言うんだよ、パイセン」

浴室の反響で、まるで耳元で囁かれているようなじ。

泡立てたシャンプーを髪に乗せ、四つの手がわしゃわしゃと優しく洗う覚。

目を開けると視覚的に毒で、目を閉じると聴覚と皮覚が鋭敏になる。

こんなの、どっちに転んでも天國ですありがとうございます。

「シャンプー落としますよー」

清坂さんが再びシャワーを頭から掛け、シャンプーを落とした。

容室じゃなく、プライベートでの子に頭を洗われるなんて稀だ。

しかもそれが二人。頭が弾け飛びそう。

「ねーねー、知ってるっすか？　一緒にお風呂る友達を、オフレって言うらしいっすよ」

「へー。じゃー私らオフレじゃん。やば、ソフレとハフレの次オフレって、パイセン極まってるね」

二人の聲が遠くに聞こえる。

頭がぼーっとして、んな所の流が暴走しそう。

あれ、おかしいな。視界がボヤけて……。

「ん？　センパイ？　どうしたんすか、センパ……イ！？　ちょっ、センパイ鼻！　鼻出てるっすよぉ！？」

「え！？　ぎゃーーー！？　たたたっ、大変！」

そんな慌てる二人の聲が徐々に遠ざかり、俺の意識は暗闇に落ちていった。

◆純夏side◆

「……私って、お世話する才能ないのかな……」

なんとか鼻を止めた私たちは、センパイを急いでお風呂場から出してベッドに寢かせた。

念の為に冷えピッタンをおでこにり、気絶しているセンパイの手を握る。

センパイ、私たちのせいで……うぅ。泣いちゃう。

「ま、まあ、今回は悪ノリが過ぎたというか、急ぎすぎたね」

「うぅ。嫌われちゃったらどうしよう……」

もしセンパイに嫌われちゃったら、私……。

「だ、大丈夫だって！　パイセンもそれくらいじゃ、純夏のこと嫌いにならないよ！」

「でも私、センパイに迷かけてばかりだよ……？　傍にいて支えてあげたいのに、これじゃあ無理だよ……」

「確かに、勉強も料理も寢床も、全部パイセンに頼りっきりだけど……ふむ？」

深冬が腕を組んで何かを考えている。

「あ、そうだ」

「何か名案が！？」

「うん、私に任せてよ。絶対大丈夫だから」

……どうしよう、不安になってきた。

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