翌日。今日も俺は一人で駅前に來ていた。

今日の約束の相手は天さんだ。

連日別のと約束のあるって、なんか悪いことをしている気分になる。

いや、悪いことではないはずだ。……悪くないよね？

待ち合わせまであと十五分ある。

なんだか張してきた。いつもは學校の空き教室か俺の家でしか會ってないし、いつも制服か俺のシャツを著ていて、私服姿を見たことが無い。

やっぱりギャルっぽい服なんだろうか。

出多め？　それかのラインが出るようなぴったりめの服かな。

そわそわと待っていると、人混みがざわついた。なんか昨日もあったな、こういうの。

「うわ。何あの子……」

「え、可い」

「あれって天さん？」

「本當だ。えー、なんかいつもの印象と違うね」

「可すぎ……」

聞き耳を立てると、どうやら天さんが來たみたいだ。

というか、天さんの知り合いが近くにいるらしい。そりゃそうか。ここ駅前だし……しまった、その可能を考えてなかった。

天さんが來たら、直ぐに場所を移しないと。

「あっ！　パイセン、お待たせー！」

「あ、うん。待ってない……よ……？」

人混みの先からやって來たのは、予想通り天さんだった。

でも恰好が印象と違う。

ミニスカのタートルネックのワンピースでのラインが強く出ている服裝に、大きめのサングラスを掛けている。

が、思ったより全然出が多くない。

天さんのことだから、元の開いたギャルっぽい服裝で來ると思っていた。

天さんは俺の傍によると、恥ずかしそうに頬を掻いた。

「えへへ……なんか恥ずかしいね。改めてデートするのって」

「そ、そうだね。……って、やっぱりこれデートなの？」

「あったりまえじゃん。せっかくのデートなんだし、私は気合れまくりだよ」

そんな気合をれられても、俺がたじたじになるから困るんですが。

反応に困っていると、し遠くからこっちを見ていた二人組の子が、格悪そうな顔で何かを話していた。

「ねえ、天さんと一緒にいる人って誰かな？　結構イケメンじゃない？」

「彼氏とか……」

「でも天さんに彼氏がいるって聞いたことないよ」

「じゃあパパ活？　それか売り……？」

「あー、そんな噂聞いたことある」

「不潔～」

む。そんなも葉もない噂を話すなんて……ここに正座しろ、説教してやる。

二人の方に向かおうとすると、手で制して天さんがそっちに向かっていった。

「ねえ、あんたたち。私が彼氏(、、)とデートしちゃいけないわけ？」

ちょっと天さん？　なんで今彼氏を強調したの？

彼氏じゃない、彼氏じゃないからね？

そんなこと聞かれたら、天教（ファンクラブ）にがっつり目を付けられちゃうでしょ。

天さんは腰に手を當てて二人を睨み付ける。

圧のある言葉と腰に、二人の子は気まずそうに目を逸らした。

「え。いや……」

「そ、そんなこと言ってないし……」

「ふーん。ま、私が可いのは私が一番よく知ってるし、それを嫉妬するあんたらの気持ちもわからなくはないよ。でも嫉妬する暇あったら自分を磨けば？　まずは面からね。あんたら、格が可くないから。可くない格が顔面にまで現れてるからね」

激辛辣ディス。

ほら、子二人も顔真っ赤にしてるじゃん。

これ以上、火に油を注ぐのはよろしくないな……仕方ない。

「こら」

「ひゃん！」

天さんの頭を軽くチョップすると、可い聲を出して涙目になった。

「ちょ、パイセン何するの！」

何するのはこっちのセリフだ。全く……。

俺が二人に向き直ると、目を逸らされた。

「ごめんね、二人とも。でもあんまり噂を信じないでしい。天さんがそんなことをする子たちじゃないって、し見ていたら分かるでしょ？　同じ學年なんだしさ」

「っ……ふんっ」

「あ、待ってよ……！」

言い返せないのか一人が逃げるように立ち去ると、もう一人も慌ててついて行った。

あの反応を見るに、明らかに天さんへの嫉妬だろう。可いもんね、天さん。

人間の質上、上にいる人間と自分を比較すると、どうしても嫉妬が生まれる。

だから劣っている自分をしでもよく見せるために、上の人間の悪い噂を鵜呑みにする。

その劣等を自分を磨く活力にすれば、間違いなく何かしらの分野で大するだろうに……。

「ふう……余計なお世話だったかな、天さん」

「い、いえっ。……庇ってくれて、ありがとう……です」

「いやいや。俺、ああいうの許せないんだ」

俺も學校の績が常に上位だから、口を叩かれることが多かった。

それに學年一のであるソーニャとも仲がいいし、悠大とも親友だ。二人のおかげで直接的な攻撃はないけど、ずっと「なんであんな奴が」と言われてきた。

俺の努力を知らない奴が何を言っている。

俺があの家(、、、)から逃げ出すために、どれほど努力したか知らないくせに。

當時はずっとそんなことを考えていた。

今は口もないし、むしろ頼られることの方が多くなった。

だから、ああいった変な噂を鵜呑みにして他人を陥れようとする奴は許せない。

「……行こう。今日は天さんが案してくれるんだよね？」

「う、うん。……えへへ。なんかちょっと……ううん、超嬉しいよ。庇ってくれてありがとう、パイセン」

天さんは俺の腕を抱き締め、幸せそうな笑みを俺に見せた。

続きが気になる方、【評価】と【ブクマ】をどうかお願いします！

下部の星マークで評価出來ますので！

☆☆☆☆☆→★★★★★

こうして頂くと泣いて喜びます！