《【書籍化決定】拾ったギャルをお世話したら、〇フレになったんだが。》第70話 ギャルとテレテレ

【重要なお知らせ】

第69話の一部を修正しました。

ご不快にさせてしまい、申し訳ありません。

請け負ったのはいいんだけど、俺も和也さんのことを思うと他人事じゃない。

よく考えると……いやよく考えなくても、今の俺は和也さんと同じ境遇だ。

俺、このままじゃ和也さんたちと同じ運命を辿るんじゃ……。

心滝のような汗をかいていると、桔梗さんは清々しい笑顔を浮かべた。

「はぁ〜……なんだかスッキリしました。今までずっと、一人で溜め込んでいたので」

「そ、それはよかったですね」

「はい。ありがとうございます」

やめて! そんな晴れやかな笑顔を向けないで!

良心がずきずき抉られるぅ……!

「ああ、そうだ。メッセージアプリのIDを換しましょう。何かあったら直ぐに連絡出來るように」

「……わかりました」

スマホを作し、桔梗さんとIDを換する。

【☆KIKYOU☆】

…………。

「きつ」

「は?」

「いえなんでも」

思わず聲に出てしまった。てへ。

見た目は確かに若い。でもこれは流石に……いや、よそう。

咳払いをしてスマホをしまう。さて、そろそろ帰るか。

「今日はありがとうございました。疑問が解決出來てよかったです」

「私も、久々に若い子とお話出來て楽しかったです。活力を貰えました」

「若い子って……桔梗さんもお若いじゃないですか」

「あら。褒めても何も出ませんよ」

「本音ですよ。桔梗さんはお綺麗です」

よくよく話してみると、桔梗さんってめちゃめちゃいい人だ。

純夏とは接し方がわからないだけ。ならお互いに素直になれば、いつかは仲良くなれる日が來るだろう。

二人が笑い合う未來を想像しながら帰り支度をする。

が、桔梗さんは俺を見つめて固まっていた。

「何か?」

「……なんか、和也さんみたいだなと思って」

ドッッッキーーン!!

「ハハハ、ソンナワケナイジャナイデスカ」

「そうですかね。……ふふ、そうですね」

ふぅ。あ、危なかった……今、俺と純夏の関係を詮索されるのはまずい。

俺らの関係をスッキリさせるまで、絶対桔梗さんに知られちゃダメだ。

「そ、それじゃあ失禮します」

「はい。生活費は後で振り込んでおきますね」

手を振る桔梗さんから、逃げるようにして家を後にする。

バレなかったか? ……バレてないよな、多分。

複雑な家庭なんだな、清坂家ってのは。

……とりあえず帰ろう。純夏も起きてるかもしれないし。

しだけ清坂家を振り返り、足早に純夏の待つ家に帰って行った。

「ただいまー」

「カイ君!!」

「エルシャダイ!?」

み、みぞおちに衝撃が……!

痛みを堪えて衝撃の原因を見る。

玄関前に押し倒される俺の上には、純夏が乗っていた。

一人が不安だったのか、目には涙が溜まっている。

「カイ君っ、カイ君! いったいどこ行ってたんすか!」

「ご、ごめん。ちょっと買いに」

「お、起きたら一人でっ、ざびじがっだっすぅ〜!」

ちょ、ガチ泣きじゃないっすか。

とりあえず純夏の頭をでる。よしよし、いい子いい子。

……まあ、あんなことがあったんだ。それに起きたら一人だったら、そりゃ怖くもなるか。

でもとりあえず起きてしい。ここじゃ人目に──。

「あら? 海斗君、それに純夏ちゃん」

「あ」

「え? あっ、清楚ギャルさん」

久々に見た気がする、白百合さん。

今帰りなのか、肩にはトートバッグ。片手には酒とつまみのったビニール袋。

そ、そういえば、月曜日は大學早く終わるんだっけ。

白百合さんは俺らを見ると、にやにやと口元を緩めた。

「あらあら、晝間からお盛んね」

「ち、違っ……!」

「でもそういうのは家の中でした方がいいですよ。人前で興するなら、話は別ですが」

「だから違いますから!」

純夏を抱っこして、部屋の中に急避難。

はぁ、ギリギリセーフ……いや、ギリギリアウトか?

「す、すみませんです、カイ君。私のせいで……」

「いや、大丈夫だよ」

まだみぞおちは痛いけど。

リビングに移してソファーに座ると、純夏は隣に座ってきた。

「どうしたの?」

「あ、その、えと……わ、私、カイ君にめられて、嬉しくて……頭の中とかが、ぐわーってなっちゃって……!」

あ……あ、あー、告白のことか……!

そうか、そうだよ。告白されてたんだよ。

いや忘れてないよ? 忘れてないけど……。

チラッと純夏を見る。

純夏も俺をチラ見する。

「「…………(テレテレ)」」

な、なんか凄い照れる。

これ、これからどう接したらいいんだろう……。

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