《【書籍化決定】拾ったギャルをお世話したら、〇フレになったんだが。》第77話 酔っ払いと悪ノリ

「しゅみませんでした……」

1時間後。ようやく起きた白百合さんは酔いが冷めたのか、恥心で顔を真っ赤にして項垂れていた。

白百合さんは、どれだけ酔ってても記憶は殘っているらしい。

あれだけの醜態を曬し、更に起きたら目の前に俺の顔があったら、こんな顔にもなるか。

「俺は気にしてないんで。白百合さんも気にしないでください」

「……なんか腹が立ちますね」

「なんでだよ」

折角人が気を使ったのに。

白百合さんは三角座りでむすーっとした顔を見せる。拗ねてるというか、抗議してるじだ。

「ふーんだ。どうせ私なんて、純夏ちゃんや深冬ちゃんみたいに可くないですよー。飲んだくれの酒カス野郎ですよー」

「卑下しすぎ卑下しすぎ」

誰もそこまで言っていない。思ってはいるが。

「白百合さんも可いですよ。間違いなく」

「……本當に?」

「はい。ただまあ、俺の場合は狀況が狀況なんで」

もし日頃から純夏や天さんとくっ付いてなかったら、俺だって揺する。常人よりに耐があるってことだ。

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……誇ることなのかわからんが。

俺の視線が純夏と天さんに向かったのを察したのか、白百合さんと花本さんが「あー」といった顔になる。

「確かに二人と普段からいちゃこらしてたら、白百合の抱きつき程度じゃ今更どぎまぎしないか」

「言い方にトゲがありますが、概ねその通りです」

だから白百合さんも、そこまで気に病まないでほしい。

そんな意味で白百合さんをめたのだが。

「……やっぱり腹立って來ました」

「奇遇だな、私もだ」

「だからなんでだよ」

何故ここで腹が立つんだ。意味がわからないぞ。

心と秋の空とは言うけど、秋の空以上にわからない。わからなさすぎる。

「あーあ、私も子高生になりたいです。そうしたら……」

「……え、なんですか? なんで俺見るの?」

「ふん」

今度はそっぽ向かれた。解せぬ。

すると、白百合さんが何かを思い出したのか、腕を組んで思案している。

何を考えてるのかはわからないが、なんか嫌な予

「……カレンちゃん、來てください」

「え、何? くだらない話なら聞かないけど」

「全然くだらなくないので、いいからっ」

「えぇ、めんどーくせー」

白百合さんが何故か花本さんを連れて部屋を出る。

音からして、自分の部屋に戻ったみたいだ。

と、急に隣の部屋が騒がしくなった。一何をしてるんだろう。

『ちょっ!? 白百合何すんの!?』

『いいからいでください! 全部! 下著姿になって!』

『いやいやいや私ノンケだからな!? こんなこと嫌なんだが!』

本當に何をしてるの!?

2人が何をしているのかをつい想像してしまい、顔が熱くなる。

そんな狀況でも純夏と天さんは睡だし。どんな顔してここにいればいいのかわからないよ。

恥ずかしさを紛らわせるように、その辺のコップにっていたジュースでアヒージョを流し込む。

まだ隣の部屋からは、2人が何かを言い爭っている聲が聞こえてくる。

『私だってノンケですよ! でも必要なことなんです! ほら、これ!』

『……え、これ……服……』

『そう……す。これを著……こうせ……仲間……』

『なんで私のまで……だよっ……!』

『卒ぎょ……とっとい……』

……いきなり聲が小さくなったな。本當、何をしてるんだろう。

そのまま待つことしばし。不意に俺の部屋の扉が開いて2つの足音が聞こえた。

「海斗くん、お待たせー!」

「お待たせって、待つように言われてな……いっ!?」

振り向いて驚いた。いや、驚くなという方が無理だろう。

だって、これ……え、これまさか……!?

「せ……制服、ですか……!?」

「その通り! 高校の制服です!」

「うぅ。なんで私まで……」

白百合さんと花本さんが、がっつり制服姿で戻ってきたのだ。

元を緩めたワイシャツに、折ったスカート。

2人とも20歳を超えてるのに、普通に子高生に見えるくらい似合ってる。似合いすぎている。

ただ花本さんは恥ずかしいのか、ずっとスカートを手で抑えていた。

そりゃそうだ。花本さん、ずっとジャージ姿だし、スカートなんて履いてるところを見たことがない。

新鮮で、可い。ドキドキする。

「いやー、こんなこともあろうかと、制服を取っておいて正解でした。カレンちゃんの制服と一緒に」

「くぅっ、捨てたはずなのに……!」

「拾っときました」

「それ犯罪だからな!?」

ド正論すぎる。捨てたものを拾うのは犯罪だ。

でも著てあげるあたり、花本さんも優しすぎる。

「どうです? 可いですかー?」

「あ、あんま見んな、ばか」

くポーズを決めている白百合さんに、恥ずかしがる花本さん。

純夏、天さん、ソーニャに負けずとも劣らないほどの可さだ。

「そ、そうです、ね……」

「ですよね! ふふ、褒められましたー!」

「ま、まあ、褒められて悪くはないな……えへへ」

あ、ダメだこの2人酔っ払いだった。

今もナチュラルにビール飲んでるし。制服姿でビールとか、マジで背徳が凄いな。

「……って、白百合さんってそんな風に制服著るんですね。ちょっと意外です」

「いえいえ。私もこうやって著るのは初めてですよ、優等生でしたので。でもさっきカレンに教えてもらったんです。こうやって著るのもいいですね〜」

スカートをひらひら捲るな。見える。見えるから。

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