《【書籍化決定】拾ったギャルをお世話したら、〇フレになったんだが。》第89話 風呂と緒話

「ぶはぁ〜……つっかれたぁ……!」

「ウチも〜」

「ふふ。喜んでくれてうれしーよ」

プールサイドのリクライニングチェアに寢そべっている三人。

大きなパラソルが開いていて、濃い日を作っている。

……目のやり場に困る。

いや、眼福ではあるけどプールの中じゃない分、全が顕になっていて……うん、たまりません。

なるべく三人を視界にれず、椅子の上にあぐらをかいてアイスを食べる。

燦々と照りつけるし。

蟬の鳴き聲。

遠くに見える道雲。

そして種類の違う水著

贅沢で最高の夏だ。

純夏はぐぐぐーっとびをすると、にへっと笑みを浮かべた。

「高校生の夏って最高……! もうずっとこうしてたい」

「つっても、ウチら中學ん時も楽しんでたっしょ」

「好きな人と一緒の夏は格別なんです〜」

「あ、それはわかる」

と、二人揃って俺を見て來た。

そういうことナチュラルに言うのやめて。恥ずかしいから。

「ぬふふ。私はちゅーがくからヨッシーと一緒だったからねん。まだせーちょーしきってないヨッシーの寫真とかたくさん持ってるよ」

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「「見たい!」」

「だめ」

「それじゃ、後で見せてあげるよ」

「「やったー!」」

おかしいな。俺、今だめって言ったよね。

中學の頃の俺ってめちゃめちゃちんちくりんだから、あまり見られたくないんだけど。

ソーニャを白い目で睨むと、てへっとウインクしてきた。くそ、可い。

「まあいいじゃないの、海斗くん。ウチらの中學の寫真見せてあげるから。ほらっ」

「お、可い」

スマホの畫面に映っているのは、黒髪の純夏とダークブラウンの天さん。

今よりもいし、メイクもほぼしていない。

それでも、この頃から完された貌を持っている。

「これいつの?」

「中二のときかなー。ウチら、超仲良し」

「ぶい」

純夏が俺に向けてピースを向ける。

確かに、これだけでもめちゃめちゃ仲良いのがわかるな。

それにしても……黒髪ストレートの純夏、普通に可すぎる。

の瞳も神的だし、目元も今よりしくりっとしている。

清純というか、清楚というか……そんな印象のの子だ。

「たった數年前なのに、こんなに変わるんだな」

「カイ君っ、今の私らと昔の私ら、どっちが好み?」

「そりゃ今の方で……あ、いやなんでもない」

なんでもないから、そんなニヤニヤ顔を向けないで。

「むぅ〜……ねーヨッシー。私はー?」

「お前は昔から変わらないだろ」

「ひど!」

いや、マジで長がびた以外なんも変わらないんだよな、ソーニャって。

俺がびた分だけ一緒にびたからか、長差も昔から一緒だし。

「変わらないってことは、ツキクラ先輩って昔からめっちゃ可かったんすか?」

「あー……まあ、そうなる」

それは隠しようのない事実だし。

「ちょっ、ヨッシーなに恥ずかしーこと言うの! ばか!」

「す、すまん」

なんで事実を言っただけで怒られてるの、俺。

「カイ君ってこういうところあるよね……」

「わかる〜」

「まったく、ヨッシーは……!」

いつの間にか俺だけ敵に。

何このアウェイ

◆純夏side◆

「にゃ〜……お風呂サイコー……!」

十六時まで遊び倒した私たちは、ツキクラ先輩の家の大風呂に來ていた。

大風呂というだけあり、シャワーは三つ。湯船も三人が足をばしても問題ないくらい広い。

最高すぎませんか、ツキクラ先輩のおうち。

「ウチ、もうここに一生住む……」

「私も住みたい……できることならカイ君と一緒に」

「あはは。そー言ってもらえると、私もうれしーよ」

を洗ったツキクラ先輩が、湯船に腳をれる。

うわっ。すっごい綺麗な……病的に痩せてるわけでもないし、無駄な脂肪が付いてるわけでもない。

本當に同じ人間なのかな。神様ずるい。

「そ、そんなに見られると恥ずかしーんだけど」

「いやいや、見ちゃいますって」

「ツキクラパイセン、本當に綺麗……!」

「でへへ。照れますなー」

くぅっ、照れてる顔もめちゃめちゃ可い……!

本當、こんな可い人と同中で惚れないなんて、カイ君ってどういう神経してるんだろう。

「……まさかカイ君って、の人に興味ないんじゃ……!?」

「えっ、まさか……!?」

「あはは! それはないよ。だいじょーぶ、ヨッシーはちゃんと好きだよ」

ほっ、よかっ……いや待って。それはいいんだろうか。

「でもツキクラパイセン。海斗くん、ウチらに全然手を出してこないだけど」

「それは負い目じゃないかな」

「負い目?」

「二人との出會いは聞ーたけど、なんか弱みにつけ込んでるじがするんじゃない? ヨッシー、めちゃ優しーから、そーいうところで歯止めが掛かってるんだよ、きっと」

「「ありうる……」」

カイ君、マジで優しいからなぁ……困ったもんだ。

別に弱みとか思ってないし、むしろ手を出してもらった方が嬉しいんだけど。絶対拒まない自信がある。自信しかない。

むぅ、どうするか……。

「で、二人はどーしたい?」

「え、どうってなんすか?」

「ヨッシーとどーなりたい? 付き合いたいの? エッチしたいの? 結婚したいの?」

こ、これまたズバッと聞いて來るっすね、ツキクラ先輩……。

「因みに私の場合、私がヨッシーと付き合えたら、他の誰かがヨッシーと付き合っても問題ないと思う派」

「……どういうことっすか?」

「ウチらまだおバカだから、簡単に説明してほしいんだけど……」

「私の言ったことが全てだから、ちゃーんと考えて」

考えてって……うーん?

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