《【書籍化&コミカライズ】関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました》アメリア王妃
ビアトリス・ウォルトンの王妃教育は、去年の段階で既にほとんど終了している。
ゆえに現在ビアトリスが王宮に通うのはせいぜい月に一度か二度のことであり、その容もアメリア王妃が己の験を踏まえて語る形式の、ごくゆるやかな容へとシフトしていた。
ビアトリスはこれまでアメリア王妃とはまずまず良好な関係を築いてきた。それはウォルトン公爵令嬢という彼の分に加え、真面目で勉強熱心な態度が王妃のお気に召したからだろう。
しかしその日のアメリア王妃は、普段としばかり様子が違っていた。
一通りの講義が終わると、アメリア王妃はきつい眼差しで問いかけた。
「ところでビアトリスさん、貴方、あの子から生徒會の手伝いを頼まれたのに斷ったそうね」
「はい、今はし忙しいので」
カインの件をここで出す気にはなれず、ビアトリスは當たり障りのない返答をした。
「まあ、忙しいのはむしろアーネストの方でしょう? 王太子としてのお勉強に加え、生徒會のお仕事までやっているのだから。そのアーネストが手伝ってくれと頼んでいるのに、斷るなんていったいどういう了見なのかしら。王妃にとって一番大切なお仕事はお世継ぎを産むことだけど、二番目に大切なお仕事は陛下をお傍で支えることなのよ? 未來の王妃になろうという人が、未來の國王を支える仕事を『忙しい』と言って斷るなんて、到底考えられないことだわ。貴方、その辺りをどう考えているのかしら」
「……アーネストさまがおっしゃっていた仕事は、別に私でなければできないものではありませんでした。アーネストさまは大変人がおありですから、自ら進んで手伝いたい生徒は大勢いますし、そういう方々の方が適任かと考えました」
「アーネストが貴方が相応しいと選んだのでしょう? なら貴方がそれに異を唱える理由がどこにあるのかしら。ねえ、こんなことはあまり言いたくないのだけど、貴方し調子に乗っているのではなくて? まさかとは思うけど、自分の力でアーネストが王太子になれた、などと勘違いしているのではないでしょうね」
「はい?」
「確かにウォルトン家は古いをけ継ぐ名門だし、それを誇りに思うのはけして悪いことではないわ。だけどあくまで臣下は臣下なのだから、そこはきちんとわきまえなきゃ、ね? 貴方はそれをきちんと理解している賢いお嬢さんだと思っていたのだけど、私の勘違いだったのかしら」
「それはもちろん、わきまえております」
「本當にそうかしら。數多いる令嬢の中から、貴方がアーネストの婚約者に選ばれたこと、それは外の幸運なのよ? まずはそこに謝しなくてはいけないのに、當たり前のように思っては――」
「母上、あまり余計なことを言わないでください」
王妃の饒舌を遮ったのは、他でもない王太子アーネストその人だった。
「生徒會の件は俺と彼の問題ですから、母上に心配していただく必要はありませんよ」
部屋にってきたアーネストは、王妃に対して苦笑するようにそう告げた。
「まあアーネスト、なぜ貴方がここに?」
「婚約者をお茶にいに來たんです。王妃教育はそろそろ終了の時間でしょう? トリシァを借りて行きたいのですが、構いませんよね、母上」
「……仕方ないわね」
する息子にそう言われて、王妃はため息とともに引き下がった。
アーネストは唖然としているビアトリスの方に向き直ると、穏やかに微笑みかけた。
「――トリシァ、お茶のいに來たよ」
まるでいころの優しい王子様そのままに。
【書籍6/1発売&コミカライズ配信中】辺境の貧乏伯爵に嫁ぐことになったので領地改革に勵みます
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