《【書籍化&コミカライズ】関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました》生徒會役員たち
アーネストはビアトリスと生徒會メンバーを引き合わせると、てきぱきと両者を紹介した。
「みんな、知っていると思うが、ビアトリス・ウォルトンだ。今日から生徒會の手伝いにってもらうことになった。トリシァ、副會長のマリア・アドラーに、書記のシリル・パーマー、會計のウィリアム・ウェッジ、庶務のレオナルド・シンクレアだ」
「ビアトリス・ウォルトンです。よろしくお願いします」
生徒會役員たちもそれぞれ挨拶を返したが、わずかでも笑みを見せたのは書記のシリルくらいのもので、會計のウィリアムは無表だし、庶務のレオナルドは憮然としている。副會長のマリアに至っては、骨に睨みつけてきた。
アーネストはビアトリスが手伝いにることについて「皆快く承諾してくれた」と語っていたが、的にどんなやりとりがあったのだろうか。
(覚悟はしていたけど、やっぱり歓迎されてないじよね)
彼らにとってビアトリスは、仲良し集団に割ってった無粋な闖者なのだろう。いたたまれない気持ちになりかけたとき、ふっと今朝がたカインとわした會話が蘇った。
Advertisement
ビアトリスが不安な気持ちをらしたとき、カインは諭すようにこう言った。
――君はただ生徒會長に頼まれて手伝いにっただけだろう。生徒會役員が不満に思ったとしても、それをぶつけるべき相手は會長であって君じゃない。もし君に対して不快な態度を取る奴がいたら、それはただの八つ當たりだ。
(そうですわね、カインさま)
この狀況を招いたのは、彼らの慕う會長のアーネストであってビアトリスではない。自分を睨みつけてくる役員は、道理をわきまえない子供なのだ。そう思っておくことにする。
「それじゃビアトリス、この書類を項目ごとに仕分けしてくれないか」
アーネストがビアトリスにさっそく仕事を振ってきた。
「分かりました」
「それが終わったら、次はこの書類の誤字をチェックして――」
手伝いが必要だというのは本當らしく、こまごました事務仕事が実に多い。言われるままに作業を次々と片付けていくと、書記のシリル・パーマー――細で眼鏡をかけた青年――が「助かります」と小聲で禮を言ってきた。
彼は宰相の息子であり、本人もいずれは即位したアーネストの右腕になることを希しているらしいので、仮にも未來の王妃であるビアトリスと敵対したくない計算もあるのかもしれない。
會計のウィリアム・ウェッジ――小柄で顔だが一學年上の上級生――は我関せずといった様子だったが、彼が休憩で淹れたお茶に対して、ビアトリスが「東方産のお茶ですわね」と言ったとたんに態度が変わった。
「そうなんだよ。僕が実家から持ち込んだ茶葉なんだけど、ここには味が分かる奴いなくてさ。それを一口飲んで気付くとは、いやぁさすがウォルトン家の令嬢だね」
なんでも彼の実家は茶葉の輸でり上がった大商人で、彼もお茶に対しては特別なこだわりを持っているらしい。その後は地方ごとのお茶の特徴などについて盛り上がり、多打ち解けたところで作業容の疑問點についていくつか提案したところ、心したように耳を傾けてくれた。
一方、庶務のレオナルド・シンクレア――大柄で筋質な青年――は終始仏頂面で、ビアトリスに対しては不機嫌な様子をまるで隠そうともしなかった。とはいえ、的に何を言ってくるわけでもないので、ビアトリスは気づかないふりでやり過ごした。
そしてマリア・アドラー副會長――ストロベリーブロンドの小柄な――に至っては、ビアトリスには敵意に満ちた眼差しを送る一方で、まるで挑発するようにアーネストの腕や肩にれながら、甘くまとわりついて見せた。
「ねえアーネスト様、ちょっとこれ見てほしいんですよ、ほらこれ!」
どういう意図があるのかは、あまり考えたくはない。
そして々と神経を使いながらも、その日の生徒會業務は終了した。
自宅通學はビアトリスの他にはアーネストだけだったので、自然とビアトリスとアーネストが連れ立って馬車のところまで歩くことになった。
既に日はとっぷり暮れており、空には白銀の月がかかっている。
連れ立って歩く道すがら、アーネストは相変わらずのらかな笑みを浮かべて言った。
「今日はありがとう、助かったよ」
「いえ、お役に立てたのなら幸いです」
「シリルも心してたよ。呑み込みが早いし仕事が正確だって。ウィリアムもさすが優秀だなと言っていた」
「それはようございました」
「レオナルドも君の手際の良さに文句のつけようもなかったみたいだな。そしてマリアは……まあ基本的には人懐っこい子だし、君ともおいおい打ち解けると思うよ」
「彼は私がいることが気にらないようですね」
「いやそんなことはないだろう。ああもしかして、彼の態度から何か誤解したのかもしれないけど、俺と彼は別に何もないよ。マリアはちょっと人との距離が近いことがあってな、俺も困ったなと思ってるんだが」
「大丈夫ですわ。私は気にしていませんから」
「そうか」
し、間が開いた。
「やっぱりビアトリスが俺の隣にいるのはとてもしっくりくるな。君とは行き違いもあったけど、仲良くやっていきたいと思ってるんだ。どうかこれからもよろしく頼むよ」
「……こちらこそよろしくお願いします」
「そういえば、髪型を変えたんだな」
「はい。ちょっと気分転換に」
「ふうん……結い上げてるのも似合うけど、俺はやっぱり下ろしてる方が好きだな」
「そうですか。でも私はこの髪型がとても気にっているんですの」
なんとなく「じゃあまた下ろすことにします」と言うのを期待されている気がしたが、応える気にはなれなかった。
アーネストはふいと目をそらすと、「――まあ君が決めることだけどな」と呟いた。
「それじゃあ、また明日」
「はい、それでは失禮します」
アーネストと別れて迎えの馬車に乗り込むと、ビアトリスはほうと息をついた。
思っていた以上に消耗したのは、敵意に満ちたマリアとレオナルドのせいか、あるいは友好的なアーネストのせいか、自分でもよく分からなかった。
々と気疲れすることは多かったが、それから數日は滯りなくときが過ぎた。
相変わらずマリアとレオナルドは敵意を隠さないものの、特に衝突するようなこともなく、シリルやウィリアムからは事務作業についてあれこれ意見を求められるようになった。
アーネストとは帰り道にさまざまな思い出話をするようになった。相変わらずぎこちないものの、ときには二人の間に笑い聲が上がることもあった。
そしてこのまま馴染んでいくのかと思った矢先に、事件は起きた。
案の定というべきか、そのきっかけとなったのは、マリア・アドラー副會長だった。
魔法陣を描いたら転生~龍の森出身の規格外魔術師~
放課後の部活。俺は魔法陣をただ、いつもどうり描いただけだった。それがまさか、こんなことになるとは知らずに……。まぁ、しょうがないよね。――俺は憧れの魔法を手にし、この世界で生きていく。 初投稿です。右も左もわからないまま、思うままに書きました。稚拙な文だと思いますが読んで頂ければ幸いです。一話ごとが短いですがご了承ください。 1章完結。2章完結。3章執筆中。
8 91異世界は現実だ!
闇サイトに登録した主人公は厳正な審査の結果?、異世界に飛ばされ絶望的な狀態からたくさんの人々と出會い個人最強、ギルド最強を目指していく、主人公成長系物語! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「異世界は現実だ!」を開いて頂いてありがとうございます!竹華 彗美です! 進むのが早いところがあり説明不足なところ、急展開な場所も多いと思います。溫かい目でご覧下さい。 フォロー220超えました!ありがとうございます! いいね550超えました!ありがとうございます! 二萬回PV達成!ありがとうございます! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 18時に更新しています。 質問や疑問などもコメント欄にて受け付けています。 現在一話からの誤字脫字の直し・內容の矛盾の訂正・補足説明などの修正をさせて頂いております。それでも見落としがあると思いますので気軽に教えて頂けると嬉しいです。11/18 読者の皆様、いつも「異世界は現実だ!」をお読み・フォローして頂きありがとうございます!作者多忙で更新が遅くなっています。ゆっくり長い目で見て頂けると嬉しいです。これからもよろしくお願いします! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「小説家になろう」でも掲載を始めました。 Twitter投稿始めました。 @takehana19
8 82五つの世界の神になる!?
主人公神谷皐月はトラックにより死んだ…それは神様が関わっていた!? 死なせてしまった神様は謝罪を込めて皐月を異世界に送ると言い そこから皐月の異世界生活が始まるが…能力がチート過ぎて…どうなってしまうのか!?
8 77神様にツカれています。
おバカでお人よしの大學生、誠司がひょんなことからド底辺の神様に見込まれてしまって協力するハメに。 振り回されたり、警察沙汰になりそうになったりと大変な目に遭ってしまうというお話です。折り返し地點に來ました。 これからは怒濤の展開(のハズ)
8 122《完結》勇者パーティーから追放されたオレは、最低パーティーで成り上がる。いまさら戻って來いと言われても、もう遅い……と言いたい。
おのれ、勇者め! 世界最強の強化術師(自稱)である、このオレさまをパーティ追放するとは、見る目のないヤツだ。 「パーティに戻ってきてください」と、後から泣きついても遅いんだからな! 「今さら戻って來いとか言われても、もう遅い!」 いつか、そのセリフを吐きつけてやる。 そのセリフを言うためだけに、オレの冒険ははじまった。
8 194獣少女と共同生活!?
ある日、朝倉 誠は仕事帰りの電車で寢てしまい、とある田舎に來てしまう。 次の電車まで暇つぶしに山へ散歩に行くと、そこにはウサギのコスプレをした少女がいた。 彼女から帰る場所がなくなったと聞いた誠は、自分の家に招待。そして暫くの間、一緒に過ごすことに。 果たして、彼女との生活がどのようなものになるのか? ※作者からの一言 この作品は初投稿で、まだ不慣れなところがあります。ご了承下さい。 また、投稿間隔は気まぐれですが、金曜日に投稿出來るように努力します。毎週ではないですが……。 1話あたりの文字數が1,000〜2,000文字と少ないですが、ご了承下さい。 リクエストなども隨時受け付けています。全ては不可能ですが、面白そうなものは採用させて頂く予定です。 また、小説投稿サイト「ハーメルン」でも投稿しているので、そちらも宜しくお願いします。
8 160