《【書籍化&コミカライズ】関係改善をあきらめて距離をおいたら、塩対応だった婚約者が絡んでくるようになりました》奇遇ですね
心臓がどくどくと音を立てている。
視線を上げると、アーネストが呆然とした表でこちらを見つめていた。
「トリシァ……」
「あの、申し訳ございません。私、しびっくりしたので……」
ビアトリスは無意識のうちに後ずさりして、アーネストと距離を取った。
「トリシァ、俺は」
「申し訳ございません! 気分がすぐれないので失禮します」
「待てトリシァ!」
をひるがえしてアーネストに背を向けると、呼び止める聲に構わず足をかした。
アーネストは、今度は追ってこなかった。
気が付けばいつものあずまやに來ていた。
カインはいない。
今は放課後だ。いるわけがない。
(何をやっているのかしらね、私は)
ビアトリスは己のけなさに苦笑いを浮かべた。
あの程度のことで恐慌狀態になって、アーネストを突き飛ばして逃げるとは、我ながらなんという醜態だろうか。
客観的に見れば、アーネストは別に無な真似をしたわけではない。
なんといっても自分たちは婚約者同士だ。結婚まで清らかなでいるのは當然としても、これくらいのれ合いならば一般に許される範疇だろう。
ビアトリスだって、アーネストとの幸せな口づけを思い描いたことがないとはいえない。
それなのに、突き飛ばしてしまった。
王族で、八歳の頃からの婚約者であるアーネストを。
だって恐ろしかったから。
先ほどの彼の異様な言が耳に生々しく蘇る。
アーネストの言う「あいつ」とは間違いなくカインのことだろう。
アーネストはカインを憎んでいる。それでいて酷く恐れている。
二人の間に一なにがあったのか。
「とにかく今日は帰りましょう……」
今はもう何も考えたくはなかった。
ビアトリスはあずまやを出ると、迎えの馬車へと向かった。
日が落ちて夕暮れ空に星が輝き出していた。
翌日。登校したビアトリスは、いつものあずまやでカインと會い、「ちょっとめたので、生徒會はやめることになりましたの」とだけ伝えた。
カインに昨日のことを何もかも打ち明けてしまいたい、打ち明けて、カインとアーネストの間に何があったのか問い質したい衝に駆られたが、結局何も言えなかった。
聞けばカインは教えてくれるだろう。その容はおそらく彼が以前「君には聞く権利がある」と言っていた話と関連している。しかし話すことと引き換えに、もうこんな風に會ってはくれなくなるような気もしていた。
マーガレットとシャーロットは生徒會を辭めたことを大いに歓迎してくれた。
「良かったわ、なんだかビアトリスを取られちゃったみたいで、ちょっと悔しかったのよ」
とはマーガレットの弁である。
彼らはビアトリスに気を使っているのか、ビアトリスとアーネストの複雑な関係についてはほとんどれることはない。もしかすると、ビアトリスの方から相談するのを待っているのかもしれない。
アーネストの方はあれ以來まるで接して來ない。
王太子を突き飛ばしたことについても不問されたようでほっとしたが、考えてみればあのプライドの高いアーネストが、あんな醜態を表ざたにするはずがなかった。
週末はマーガレットとシャーロットと三人で展覧會へと赴いた。それは新進気鋭の畫家を集めた大規模なもので、それぞれ斬新な畫法が大層興味深かった。あの絵が好きだとか、こっちが素敵だとか、三人で他もないことを言い合いながら、楽しい時間を過ごしていた時、突然聲をかけられた。
「やあビアトリス嬢! 奇遇ですね。まさかこんなところでお會いできるとは」
思いもかけない人――眼鏡をかけた生徒會役員にして、將來のアーネストの側近候補、シリル・パーマーがそこにいた。
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