《【8/10書籍2巻発売】淑の鑑やめました。時を逆行した公爵令嬢は、わがままな妹に振り回されないよう格悪く生き延びます!》50、ブレスレットの評判
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「クリスティナ様、赤いブレスレットの効果すごいです!」
私とラダとニナ、そしてルシーンの四人で、ビーズを分ける作業をしていたときのこと。黙っていると眠くなるのでしお喋りしましょうか、と言うとラダがすぐに切り出した。
「ニナがブレスレットのおかげで騎士団の方とうまくいきそうなんです」
「ラダ!」
「詳しく聞かせて!」
慌てるニナをよそに、私は思わず先を促した。
「ニナ、最近とっても綺麗になったと思ったら、騎士団のラデクと仲良くなったんですよ。大人しいニナにしては珍しいなと思ったらなんと、赤いブレスレットをつけて騎士団の練習を眺めていたんです。そうしたら向こうから聲をかけてきて! ブレスレット効果です!」
「もう……ラダったらクリスティナ様にそんなこと」
ニナがブレスレットより赤くなって呟く。
「そんなんじゃないんです、ただちょっと喋るようになっただけで」
「クリスティナ様からいただいた赤いブレスレットを、見えないように袖の中にれたおかげだって言ってました!」
ラダの冷やかしにニナが口を尖らす。ラダとニナは同郷でとても仲がいいのだ。
「もう! ラダ! あなただってブレスレット付けているじゃない!」
「私はローレンツ様と同じ濃い青だもの」
「私もそれにしようかと言ったら、あなたが赤を薦めたんじゃない」
「だって焦れったかったんだもの」
明るく元気なラダと、控え目だけどテキパキしているニナ。二人ともブレスレットなどつけていなくても聲をかけたいと思っている男は多いだろう。でも、ブレスレットをつけることでニナの背中を押せたのなら、それはそれで微笑ましいことだと思っていた。
「私も赤にすればよかったかしら」
ちょうど赤いビーズをより分けていたルシーンまで、そんな冗談を言う。ルシーンもラダと同じように、健康への願いをこめた濃い青のブレスレットを持っていた。
「ルシーン様が赤? それは事件ですよ」
ラダが目を見開いた。
「じ、事件なの?」
「ルシーン様が赤いブレスレットを持っていらっしゃるという噂だけで、宮廷中の男がそわそわしてしまいますよ」
「私もそう思います」
ニナまで大きく頷いた。
「そんなことないわよ」
苦笑するルシーンに、ラダは真剣な表で言った。
「いいえ! ルシーン様とお近づきになりたい方は多いですよ」
「え、じゃあルシーン、赤も付けましょうよ。そわそわさせてみるのも面白いんじゃないかしら」
「クリスティナ様までそんなことおっしゃって」
「前回」も今回も、ルシーンは結婚に興味を持たなかった。だが先のことはわからない。宮廷で働く人と結婚するならルシーンが遠くに行くことはないという願をちょっと持ってしまった。
「ルシーン様は、いいなと思う方などいらっしゃらないんですか?」
「ラダ! 失禮よ」
気のせいか、ルシーンの視線が一瞬扉の向こうにいた気がしたが、すぐに戻った。
「そうね、今はいないわ」
でも、とルシーンが私を見た。
「もしも、この先そんな方が現れたときのために、赤いブレスレットいただいてもよろしいですか? クリスティナ様」
きゃあ、とラダが騒いだ。私も意外に思いながら答えた。
「もちろんよ!」
扉の向こうに目を向けたい気持ちを私は必死で我慢した。
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その翌日のことだ。
「クリスティナ。ブレスレットの評判、すごくてよ」
私をお部屋に呼んだフレイア様まで開口一番そうおっしゃった。
「やはり赤ですか?」
ついそう聞き返してしまう。
「赤? ああ、ラデクとニナね」
ご存知のようで、ふふっと笑った。
「それもあるけど、今回のはまた違うわ」
また違う?
なんのことだろうと、私はソファの上で姿勢を正した。淹れられたお茶を薦めながら、フレイア様が言う。
「クレイザ伯爵令嬢のカロリーヌ様、ご存知でしょう?」
「はい。先日、お母様であるクレイザ伯爵夫人が娘のカロリーヌ様への贈りにしたいと、黃のブレスレットをお求めになりましたよね」
そんなに流はなかったが、カロリーヌ様は私と同じ年齢なので覚えていた。フレイア様は頷いた。
「昨日、そのクレイザ伯爵夫人からお禮狀が屆いたの」
「ではカロリーヌ様が社界にお出になるようになったんですね!」
黃のブレスレットにはタンポポの花のように人気者になれますようにという願いが込められている。大人しい質のカロリーヌ様は年頃になっても社界に出たがらなくて、クレイザ伯爵夫人が困っていたのだ。
しかしフレイア様は、首を振った。
「以前よりは社界に興味を示すようになったらしいのだけど、今回のお禮はそのことじゃないの——リザ様のときと同じよ」
「……え?」
フレイア様は顔を近づけて、聲をひそめた。
「カロリーヌ様、階段を踏み外して大怪我をしそうになったのだけど、ブレスレットのおかげで回避できたらしいわ。なんにもないところで突然足元がよろめいて階段から落ちたのだけど、ブレスレットがったと思ったら怪我もなく著地していたと」
私は言葉も出なかった。
【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。
【注意】※完結済みではありますが、こちらは第一部のみの完結となっております。(第二部はスタートしております!) Aランク冒険者パーティー、「グンキノドンワ」に所屬する白魔導師のレイ(16)は、魔力の総量が少なく回復魔法を使うと動けなくなってしまう。 しかし、元奴隷であったレイは、まだ幼い頃に拾ってくれたグンキノドンワのパーティーリーダーのロキに恩を感じ、それに報いる為必死にパーティーのヒーラーをつとめた。 回復魔法を使わずに済むよう、敵の注意を引きパーティーメンバーが攻撃を受けないように立ち回り、様々な資料や學術書を読み、戦闘が早めに終わるよう敵のウィークポイントを調べ、観察眼を養った。 また、それだけではなく、パーティーでの家事をこなし、料理洗濯買い出し、雑用全てをこなしてきた。 朝は皆より早く起き、武具防具の手入れ、朝食の用意。 夜は皆が寢靜まった後も本を読み知識をつけ、戦闘に有用なモノを習得した。 現にレイの努力の甲斐もあり、死傷者が出て當然の冒険者パーティーで、生還率100%を実現していた。 しかし、その努力は彼らの目には映ってはいなかったようで、今僕はヒールの満足に出來ない、役立たずとしてパーティーから追放される事になる。 このSSSランクダンジョン、【ユグドラシルの迷宮】で。 ◆◇◆◇◆◇ ※成り上がり、主人公最強です。 ※ざまあ有ります。タイトルの橫に★があるのがざまあ回です。 ※1話 大體1000~3000文字くらいです。よければ、暇潰しにどうぞ! ☆誤字報告をして下さいました皆様、ありがとうございます、助かりますm(_ _)m 【とっても大切なお願い】 もしよければですが、本編の下の方にある☆☆☆☆☆から評価を入れていただけると嬉しいです。 これにより、ランキングを駆け上がる事が出來、より多くの方に作品を読んでいただく事が出來るので、作者の執筆意欲も更に増大します! 勿論、評価なので皆様の感じたままに、★1でも大丈夫なので、よろしくお願いします! 皆様の応援のお陰で、ハイファンタジーランキング日間、週間、月間1位を頂けました! 本當にありがとうございます! 1000萬PV達成!ありがとうございます! 【書籍化】皆様の応援の力により、書籍化するようです!ありがとうございます!ただいま進行中です!
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