《【8/10書籍2巻発売】淑の鑑やめました。時を逆行した公爵令嬢は、わがままな妹に振り回されないよう格悪く生き延びます!》60、逆に見える
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オトゥール1世はすぐにアカデミーの醫療室に運ばれた。卒業パーティは強制的に終了され、レイナンの指示でオーウィンとミュリエルがその場に殘された。
「公爵、なぜあのような場所でそんな話をした?」
レイナンがオーウィンに問いかける。オーウィンはもどかしそうにぶ。
「そんな悠長な話をしている場合ではありません! 早くクリスティナとイリル殿下を捕まえて、あの石を取り戻してください!」
「公爵、言葉に気を付けてください」
レイナンは苛立ちを隠さずに言った。
「それではイリルが罪人のようだ」
「ああ、これは失禮しました」
咎めれば一応謝罪する。しかし、主張は覆さない。どう考えても今日のオーウィンの行はおかしいのだが、目的がわからない。
「『聖なる者』については私も陛下から聞いている。だがミュリエル嬢は十三歳、若すぎるのでは?」
「それくらいは誤差です! シーラ様だって能力を披したのは十四歳のときでした」
レイナンは眉を寄せる。
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「シーラ様の時代と今では年齢の數え方が違う。今の計算ならシーラ様が能力を発揮したのは十六歳だ」
オフラハーティ家の當主なら當然知っていることだ。しかしオーウィンは堂々と言い返す。
「狀況が狀況だから、能力が先に発揮された、それだけです。ミュリエルが生まれるとき、あの石を握りしめていたのが何よりの証拠だ」
「しかし、公爵。私にはその石がクリスティナに向かって飛んでいったように思えるのだが。クリスティナこそ正當な石の持ち主なのでは?」
「そんなわけはない!」
オーウィンは反的にそう答えた。
「なぜ、そう言いきれる?」
「…なぜ?」
オーウィンは大笑いしそうになった。
なぜもなにも、そんなわけはないからだ。アルバニーナの娘より、エヴァの娘が正統な石の持ち主。そう信じてきたからそうなのだ。 大丈夫。俺は正しい。俺は間違っていない。ミュリエルが正統な石の持ち主だ。
——そうでなければ、今まで俺のしてきたことはなんだったんだ?
オーウィンが思考を整理させているそのとき。
カツン。
オーウィンでもレイナンでもない足音がホールに響いた。騎士たちに張が走る。全員、武を構えた。一人がぶ。
「誰だ?!」
「失禮、私です」
黒い髪に赤い瞳。騎士たちに阻まれるように現れたのはドゥリスコル伯爵とギャラハー伯爵夫人だった。
「どこからった?」
騎士の一人が言う。ドゥリスコル伯爵は人差し指を立てて答える。
「上からです」
「上?」
「サプライズでオーウィンのご子息の卒業を祝おうとしたら、このような事態に。出るに出られなかったというわけです」
レイナンはため息をついて騎士たちに聞く。
「バルコニー席を確かめなかったのか?」
「いえ、全部點検しました」
誰か買収された奴がいるな、と思った。後でそれも洗い出さなくては。
「ところでさっきの話」
ドゥリスコル伯爵はレイナンににこやかに告げる。
「私には、逆に見えました」
「逆?」
ドゥリスコル伯爵は、自分がいたバルコニー席を見上げる。
「上から見ていると、石がクリスティナ様に向かったのではなく、クリスティナ様が怪しいを使って石を呼び寄せたように思えました。イリル殿下はそれにわされたのでは?」
そんな馬鹿なとレイナンは思ったが、その場を見ていない騎士たちの間にわずかに揺が走る。
「まさか」
「でも」
ドゥリスコル伯爵は勝ち誇ったように続ける。
「だとしたら、陛下の合が悪いのもあの二人に関係あるのでは?」
ドンッ!
レイナンは床を踏み鳴らした。
「口を慎め、伯爵」
失禮しましたとドゥリスコル伯爵は頭を下げる。しかし、しばらく黙っていたオーウィンが調子を取り戻したように口を挾んだ。
「王太子殿下ともあろう方が、客観を欠いた意見を述べるのは心しませんな」
ほほう、とレイナンは片眉を上げる。
「私には公爵が一番客観を欠いているよう思えるが?」
しかしオーウィンがなにか答える前に、ドゥリスコル伯爵が言った。
「ひとまず、公爵とミュリエルお嬢様を保護してはいかがでしょう? 逃げた二人が何をしてくるかわかりませんものね」
ドゥリスコル伯爵の言う通りにするのは癪だったが、オーウィンとミュリエルを放っておけばまた何をするかわからない。レイナンは、わからないように息を吐いてから、告げた。
「宮殿で詳しい話を聞かせていただこう、公爵。ミュリエル嬢もご一緒に」
ドゥリスコル伯爵は満足そうに笑った。
——シーラが命がけで守ったこの國も、時間が経てばこうなるのか。たわいない。
そう思いながら。
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