《【書籍化】誰にもされないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話【コミカライズ】》変な人しかいない
「――はい、當時のこ――朧気ですが覚え――ります」
神用の食堂に案してもらった私達は長いテーブルの端に座り、連れて來られた年嵩のおじさま神の話を困しながら聞いていた。
「…………あのさ、ごめん。もうちょっと大きい聲で話してもらってもいい?」
殿下がそう言うのも無理はない。
というのも、神さんは長テーブルの反対側――私達がいるところとは対角線上の反対側に座って話を始めたので、めちゃくちゃ遠いところにいるのだ。
いくら怖いからってそんなに距離を取らなくてもいいのにと思う。
「はい!!! 當時のことは朧気ですが覚えております!!!」
聲の振でテーブルがビリビリした。
いやさすがにデケエよ……と小聲で言うのが隣から聞こえる。
會話ひとつままならないなんて、そういう意味では確かに呪われたスキルかも知れない。
「それなら十年前、マーブル侯爵家のご令嬢が來た事も覚えてる?」
「はい!!! ステラ・マーブル様でございますね!!? し変わったご令嬢でしたので印象に殘っていて、今でも覚えております!!!」
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「その時のこと、詳しく聞かせて」
殿下の聲に真剣みが増した。
私の名前が神さんから出てきたのだ。
私がけるはずだった啓示を妹がけていた、という殿下の予想が當たっていた事になる。
「はい!! あの日は確か霧雨の降る寒い朝から始まった日でございました!!! 私は毎朝家を出る前にジンジャーをすり下ろしをれたお茶を飲むのが好きなのですが!! そのジンジャーがハートの形をしていたのが嬉しくて飲まずに持ってきて同僚達に見せびらかしたところ、誰も“イイネ!”と言ってくれなかったのでし寂しい気持ちになりながら」
「ちょっと待って、そのプロローグ長い?」
「はい!?」
「出來ればステラ嬢が登場したところから始めてほしいんだけど」
「かしこまりました!!!」
なんなのかしら、この癖の強い神さん……。
妹より貴方のほうがよっぽど印象に殘るわよ……。
「あと、もうちょっと聲の大きさ落としていいから……最初のと今の中間くらいで」
「は、かしこまりました!」
ようやく丁度いいところにおさまった。
私と殿下は同時にの力を抜いて、安心した狀態で話を聞き始める。
「マーブル侯爵がお連れしてきたステラお嬢様は、しきりに辺りを見回していて落ち著かない様子でありました。周囲は皆お貴族様でいらっしゃいますので、そのような振る舞いをされる方はお子さまといえども珍しく――印象に殘ったことを覚えております」
「ステラ嬢は、金髪だった?」
「はい。そのように記憶しております」
「そうか。他に変わった事は?」
「いえ……。そのくらいでしょうか。ああでも、啓示をける際、水晶玉にれますでしょう? 水晶玉がって“癒し”と文字が浮かんだ時、ステラお嬢様の背後にいた侯爵が“やはりこっちにして良かった”と呟かれました。妙なことをおっしゃるなと思いましたね」
「“こっち”ね……。ありがとう。大分かった。悪かったね、仕事の邪魔をして」
「いえ……では、わたくしはこれで。神長を呼んで參ります」
そそくさと退室していく神さんが扉を閉めた時、殿下が私に話し掛けてきた。
「やっぱりそうだったな。侯爵はステラの名前で妹に啓示をけさせている。……これ、社界でどうするつもりだったんだろうな……。神達は社界には出てこないからバレないとでも思ったんだろうか。……なぁ、ステラ。君の父上、どう始末を付ける?」
「……待って下さい。まだ信じられません……。まさか父がそんな事までするなんて。……一なんのメリットがあるんでしょうか」
「さあね。でも……人が狂う時ってっこには嫉妬があることが多いけど、侯爵はどうなのかな」
「嫉妬?」
意外な言葉が出てきた。
あの父に嫉妬というなどあるのだろうか。
「まぁ……、ここで々考えても仕方ないか。それより今のことを考えないとね。なんとかして神殿の中にれてもらいたいけど、いけるかな」
「中に用があるんですか? ……あまり頼みごとがしやすそうな雰囲気ではないようですが」
「そうだね。俺としてはむしろここからが本命なんだけどさ。ああも怖がられてしまうとやりにくいね」
「近寄って來なかったですものね……。殿下のスキルがあれだからって、あそこまで怖がるものでしょうか」
「まぁ、仕方ないよ。彼らは何回も見てるから」
「何をです?」
「俺が魔獣をバラバラにするところを」
あっ……。
そうなのね……。
それは確かに怖がっても仕方ないわね。
納得して、無意識に姿勢を正す。
バラバラ……。
「そういえば昨日は出なかったけど、あの塔の部屋ってたまに出るんだよなー。魔獣」
「そんなネズミが出るみたいなノリで言わないで下さいよ。やっぱり出るんですね、あそこ。……もしかして生きをバラバラにした事があるって、魔獣のことなんですか?」
「そうだよ。生きと言うとちょっと違うかも知れないけど、似たようなものだ。……ああ、もしかして、人間だと思った?」
「うっすらと思っておりました」
「そんな訳ないじゃないか。バカだな、ステラは」
殿下にバカって言われた……。
そこはかとなくショックをけていると、きらびやかな裝を纏った神長らしきご婦人が現れ、殿下に向かってお辭儀をした。
「お久し振りでございます、セシル殿下。……まぁ、ずいぶん凜々しくなられましたのね」
「瘴気がついてくるのは相変わらずだけどねー。ところで神長。――神殿の中を見て行きたいんだけど、構わないかな」
「神殿の、中でございますか……。申し訳ございません。如何に殿下と言えども、正當な理由もなしにあの神聖な場所にご案する事は致しかねます」
「そこをなんとか」
「規則でございますので……。年に一度の儀式の時以外、みだりに人をれることは止されております」
「……全く? 誰もらない? 掃除もしないの?」
「掃除のためにることはありますが……それが何か?」
殿下はポンと手を打って私の肩に手を置いた。
「ちょうど良かった! 掃除の名手を連れて來たんだ! ただのメイドじゃないよ。元はとある高位貴族のご令嬢で、今はシスター兼俺のお世話係! 中にる資格はじゅうぶんにある!」
――そう來たか。
私は殿下の口車に乗ることにした。
神長に向かって深々とお辭儀をし、それから、外出先で殿下が瘴気に取り囲まれた時を想定し隠し持っていたハタキをスカートの中から取り出して、スッと構えて見せた。
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