《【書籍化】誰にもされないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話【コミカライズ】》った(二回)
頭の中に“浄化:F”と浮かんできた。
掃除Cの時と一緒だ。これ、スキルだったのね。……というか、私、本當に“聖”だったの? ちょっと信じられない。
――でも、覚が恐ろしいほどに研ぎ澄まされていくのが分かる。今までの私とは確かに違うとじる。
がおさまってそっと目を開くと、神長と殿下も目を開いてじっとこちらを見てきた。
「…………す、凄いでしたね……」
「ああ。初めて見たな、あんなにるの」
「そうなんですか? 皆さんるのではないのですか」
「るけど、あそこまで強くない。まるで太のようだった……。あれが聖のか」
殿下の中ではもう確定しているらしい。神長も頷き、水晶玉を覗き込んでくる。
「……ちゃんと文字が浮かんでいます。浄化:Fと。……ああ、ステラ様。聖はここにおわしていたのですね。ずっと、お待ちしておりました」
神長は瞳を潤ませ、床に膝をついてしまう。
これ、恭順の姿勢だ。
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「や、やめてください。神長。私はそのような事をして頂くような者ではありません」
「ですが、この世界から瘴気を一掃できるのは貴だけです。今はまだ弱い力でしょうけれども、數をこなしていくうちに強くなり、いずれご意思ひとつで広範囲の瘴気を浄化出來るようになるはずです。それこそ、國ひとつ丸ごと一度に清められるくらい」
「そんなに……」
あまりの規模の大きさに絶句してしまう。
大変なことになってしまった……。
今さらながら、ことの重大さにがすくむ。
「……ステラはあまり外に出ない生活だった上に瘴気に耐があったみたいだからピンとこないかも知れないけど、苦しんでいる人はたくさんいるんだよ。心が蝕まれれば起き上がれなくなるし、大地に溜まれば作の育ちが悪くなる。瘴気による脅威は魔獣だけじゃないんだ」
「殿下……」
お勉強で習ってはいたけれど、改めて言われると浄化の必要を強くじる。
瘴気は風に乗って余所に流れていくことはあるけれど、消失することはない。聖がいない年月が嵩むとそれだけ濃度が増し、脅威が高まると聞いている。
神長は頷き、後に続けた。
「魔獣も近年はずいぶん強くなったと聞きます。そろそろ聖様が現れてくれないと、人間には倒せないような個が出る頃なのではないかと囁かれておりました。……どんなに強くても今ならセシル殿下のスキルでひとまずの対応は可能でしょうけれども、出ないように出來るのならばそれに越したことはありません」
「だな。……俺しか対応できないような魔獣が出たとするなら、俺が到著するまでに犠牲者が出るのは避けられないと思う。そんな事は無いほうが良い」
「そう、ですね……」
三人で話をしていると、扉の外がにわかに騒がしくなってきた。どうやら今のが外にれていたらしく、驚いた神さん達が何事かと集まりだしたようだ。
「……さて、どうしようか。勢いでやってしまったのはいいが、回しを何もしていなかったな。皆になんて説明する? 神長」
「ええ。水晶の貴重な力を無斷で使ってしまった訳ですからね。果は補って余りあるものでしたが、ことの始まりを考えると慎重になったほうが良さそうです」
ことの始まり……。私の家族のことだわ。
それなりに高位の貴族家にも責任の及ぶ事態だとすると、なるべく靜かに事を進めたほうが良いわよね。
でも……。
「……どうするのが最適でしょうか?」
皆目見當がつかない。
そもそも“聖”の重要の割に対象が貴族に限定されているのは、水晶の力には限りがあるからだ。
力を溜めて年に一度、限られた人數にだけ儀式の時に解放する――今回、その溜めている途中の力を使ってしまった。
結果的に浄化のスキルが出てくれたけれど、賭けだったことに変わりはない。
神長と殿下の立場を守るためには、どうくのが一番良いのだろう。
「うーん……。そうだな。ここは一旦俺が泥を被っておくか」
「泥?」
「ああ。うっかり俺が水晶玉にっちゃってよく分かんないけどった、と。そう言っときゃ一旦この場はおさまるだろ。叱られるけど」
「そんな……、殿下がそこまでする必要なんて」
「いーのいーの。意外だと思うけど、こう見えて俺、叱られ慣れてるんだ。ごめんって言えば大抵のことは許されるんだよ。羨ましいだろ」
「……確かに羨ましいですが、あんまり意外じゃないですね」
そう? と笑いながら何気なく水晶玉に手を乗せる殿下。その時、私の時と同じくらいの眩しいが再び放出され始めた。
「えっ!? 本當にっ……ちょ……やば、神長! 何これ!?」
「わ、分かりません! 殿下は既にスキルをお持ちなのに! なんで!? どうして反応しているの!?」
混のさなかはすぐにおさまり、呆然とする私達のところに神さん達がなだれ込んできた。
「神長! ……と、セ、セシル殿下!? なぜ神殿の中に……。いや、それよりも今のはいったい……?」
「……ごめん。俺の仕業。なんか知らないけどったらっちゃった……」
「ほ、本當ですか!?」
噓でこの場を誤魔化すつもりが、本當になってしまった――。
ざわつく中、後ろに下がってちらっと殿下の顔を見ると、あちらも何か言いたげな顔をしてこちらを見ていた。
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