《【書籍化】誰にもされないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話【コミカライズ】》カオスな空間に居る者、変態の素質あり
「何がいるんですか?」
「何だろうなぁ。ほら、見てみなさい。あの大きな枝の上にがあるだろう。あの辺りをちょろちょろしていたのだよ。初めはリスかなと思ったのだが……どうも違う気がしてな。ちょうど良かった。聖ステラよ。その叡智の眼差しで正を見破ってくれたまえ」
「叡智の眼差し……?」
そんなの初めて言われた。
陛下、本當にどうなさったのかしら。王様みたいなお言葉遣いをなさって……。
「かしこまりました。見てみましょう」
じっと目を凝らして大きな枝の辺りを見てみると、小さいけれど濃い瘴気の塊がちょろちょろとき回っている。
「ま、魔獣だと思われます」
「やはりか。リスにしてはやけに黒いなぁと思っておったのだよ」
「そんなに落ち著いていて大丈夫なのですか!? 魔獣ですよ!?」
するとケリー様が口を開いた。
「人の多いところですと小さいのが出るのはさほど珍しくないんですのよ。ステラ様」
「そうなのですか?」
「ええ。魔獣でも小さいうちは力が弱くて、子供でも退治できるのであまり騒ぎにならないだけです。スライムだけは小さくても危ないので特別ですが……。……ステラ様は今まであまり魔獣に遭遇してこなかったのですか?」
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「はい。殿下に仕えるまでは一度も見た事がありませんでした……」
「まぁ。恵まれた環境……と思ったのですが、よく考えたらステラ様の影響かもしれませんわね。ご自宅でも浄化をなさっていたのですか?」
「いえ。當時は浄化とまではいかず、せいぜい払う程度でした」
そう。マーブル家で暮らしていた時は、自分にスキルがあるとか何も知らずにただテーブルの上がし埃っぽいからパッと払ったとか、空気が良くないから換気しようとかその程度の事しかしていなかった。
あれだけでも結構効果があったのかしら。
……だとすると、もしかして今のマーブル家は小さな魔獣が出るようになっている……?
ふと考え込みそうになった私に、殿下が話しかけてきた。
「魔獣を捕まえよう。誰かが退治する前に」
「は、はい。ですがどうやって……。大木の上ですよ」
「ランランに頼もう」
「あ、そうですね」
あっさり解決した。
私は陛下の肩からランランをけ取って腕に乗せ、さっき覚えたばかりの『連攜』を発する。
「うわっ、ランランがった!」
「連攜した瞬間だけるんです。すぐに消えますよ」
ランランは賢いし強そうだからわざわざ連攜しなくても捕まえてくれそうだけど……。念のため、一応ね。
殿下は腕組みをし、顎に手を當ててし考えてから口を開く。
「連攜って……。ステラ、魔獣を統べる王者になるの?」
殿下まで王妃様と同じ事を言った。しかも言葉選びがよりカッコいい。
「なりませんよ!?」
「ならないのかぁ」
なぜか殘念そうだ。本當になぜ。
目指した方が喜ばれるのかしら……。
いやいや、この子達――聖獣達は統べるとかそういうのじゃなくて、仲間とか一心同とかそういうやつですからね。手下とか家來じゃないのです。
「えーと……準備はいい? ランラン」
ピィ、と鳴いて返事をしてくれた。いい返事だ。
鷹のような見た目に違わず、狩る気満々らしい。
「飛べ!」
號令をかけると勢いよく飛び立ち、一直線に大木に向かって行った。
「きゃー! ステラ様かっこいい!」
「本當、勇ましいわね。魔獣の王にならないのが勿ないくらいだわ」
ケリー様と王妃様が何かおっしゃっているけど、私は小さくてすばしっこい魔獣の姿を追うのに必死だ。
魔獣のきも早いけど、私の意思に沿っていてくれるランランも素早いので私の判斷が一番遅いまである。
「あっ、だめ。そっちに行かないで! 大丈夫、怖くないから! おいで~おいで~」
連攜の主はこちらのはずなのになぜか私がランランのきをトレースしてしまい、両腕を広げた狀態で腰を落とし上下左右に揺れている。
なんだか反復橫跳びしている人みたいだ。
「……あれ、かっこいいか?」
「そう思った時もありました……」
殿下とケリー様が何か言っている。
別にいいじゃないですか! こっちは必死なんですからね!
ランランの力で風をり、枝の先に追い立ててようやく小さな魔獣を捕まえる。鋭い爪で摑まれて私の元に運ばれて來た魔獣は、陛下が見間違えるのも無理は無いと思うほどリスにそっくりな、でも真っ黒い子だった。
「かわいいぃー!」
陛下がいつもの陛下に戻った。手のひらにすっぽり収まり、小さな牙を剝き出しにして暴れる魔獣に頬ずりしようとしている。
すかさず王妃様が魔獣の首っこをひょいと摑んで事なきを得た。
「はいステラ。聖獣にするんでしょ?」
「あ、ありがとうございます……」
強い。
ケリー様が顔を引きつらせて見守る中、まずは殿下が魔獣のを開いた。
キィィと悲鳴を上げる魔獣に陛下が勵ましの聲をかける。
「がんばれ! がんばれマロンちゃん! ヒッヒッフーだぞ!」
「マロンちゃん? なんですの? それ」
「この子の名前だよ! 栗を持たせたら絶対に可いと思って」
「父上。集中が切れるので今すぐにそれをやめて下さい」
混沌とした空間にただ一人ついて來れない様子のケリー様はぽつりと呟いた。
「陛下ってこんなお人柄だったんですか……」
陛下の好きは準聖のケリー様でも初見のようだ。普段は上手く隠していたらしい。
――あぁ、妙に王様っぽい話し方だったのは準聖の前だったからなのかしら……。
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