《【書籍化】誰にもされないので床を磨いていたらそこが聖域化した令嬢の話【コミカライズ】》お兄ちゃんごっこ
私は、王宮の扉の奧のお部屋で町の年が著るような類を前に立ち盡くしていた。
何故年の類がここにあるのかって?
それはお部屋に運んで貰った晝食を殿下と一緒に頂き、それからお忍びで外出するための支度に取り掛かったところまで話が遡る。
私はメイドの制服でも良いような気がしたのだけど、王宮の、しかも王族に直接仕えるメイドの制服はそれなりに質が上で見る人が見れば分が分かるし、そうでなくても普通のメイドとは違う裝飾があって目立つのでやめた方が良いとの事で。
だけど私の私はお母様の形見の寶石と、修道院で恵んでもらった寢間著と修道服、それとメイドとして仕えた期間の賃金しか無い。
それを殿下に相談すると、修道服で遊ぶのはちょっとマズいよな……という事で、なんとベネディクト王太子殿下が十二~十三歳頃に使っていたというお忍び用の類をお借りする事になってしまったのだ。
こういう事を相談出來るのはベニーしかいないんだ……と悲しそうな顔でおっしゃる殿下の友関係の広さを思いつつ、王太子殿下もこっそり町に出たりしていたなんて王族って思っていたよりもずっと自由なのかも……などと考えながら快く貸して下さった王太子殿下の町民服を眺める。
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元に紐がついている生りの白シャツと茶のベスト、それにゆとりのあるズボン。あとブーツ。キャスケットの帽子もある。
「……どう? ステラ。著られそう?」
扉の向こうから殿下のお聲がする。
「は、はいっ! きっと大丈夫です!」
男の子の服を著るのは初めてだけど、サイズが合わないという事はなさそうだ。
とりあえずシャツを著て、元の紐を閉じてズボンを履く。こうなるとポチをスカートの下に隠せないので、今回はポチはお留守番。
ベストを著て髪を一つに縛りキャスケットの中にれ、ズボンの裾をブーツの中にしまう。
「準備出來ました!」
バッと扉を開くと、王族然りな上著をいで小ざっぱりした黒シャツとズボンだけになった殿下と鉢合わせた。細なのがより際立つ……。ちゃんと食べてるのか心配になる。
「殿下……。町に出たら何か味しいものをいっぱい食べましょうね」
「今食べたばっかりじゃないか。もうしばらくいらないよ」
そう言いながらじっと私を見てくる殿下。
……何かしら。やっぱりどこか変?
「あの……どこか気になるところはありますか?」
「いや、気になるところと言えば気になるところなんだけど……新しい扉が開いた気分っていうか」
「なんですか? それ」
「男子の服を著て髪を隠してもの子だって分かるもんだなぁって思ってさ。何だろう、骨格の違いかな?」
大真面目な顔で私の男裝姿について考察してくれる殿下。ちょっと恥ずかしい。
「……やっぱりこの姿は不自然でしょうか。町で風景に溶け込めないようではお忍びの供として失格では」
「いや、いいよ。どうせ俺達が町に出るってのは父上も知ってる事だしさ。それに、これはこれで良いものだと思うんだ。ちょっと頼みがあるんだけどいいかな。お兄ちゃんって言ってみて」
「お……お兄ちゃん……」
「いい……すごくいい」
なんなのかしら、これ。
今まで気付かなかったけど、そんなにも弟殿下の事が好きだったのですか……?
兄弟の仲が良いのは素晴らしい事ですけど、私に代わりをさせるのはちょっと違うと思うのです。
「あの……良かったらベネディクト殿下もおいしましょうか」
「え!? 何で!? やだよ、何でアイツと一緒にこの特別な時間を過ごさなくちゃいけないんだよ」
一緒に出掛けるのは嫌なんですか。
分からない……。大人になった弟は可くないけど子どもの頃は可かった、みたいな話かしら。
「いいからもう行こ。裏庭の木にね、小さい跳ね橋があるんだけど」
「そこから出するんですか?」
「ううん。それは罠なんだ。城壁にいくつか隠し扉があって、そのの一つが外に繋がってる」
「なるほど」
……ん? 今、跳ね橋の報必要だった……?
気を付けろって意味かしら。気を付けなくても跳ね橋を一人では下ろせないから渡れない気がするんだけど……。
廊下に出て最初の角を曲がろうとすると、殿下は急に立ち止まって壁にぴたっと背中を付けた。
「ステラも隠れて! 侍頭が歩いてる!」
「楽しそうですね」
陛下公認のお忍び外出なので別に隠れなくても良いと思うのだけど、出するのも含めて楽しんでいる様子なので言われた通り殿下と同じように廊下の角に隠れる。
「……行った?」
「ちょっと待って下さいね。確認します。……角を曲がりました」
「よし。行くぞ。ついて來い、ステラ」
「はい」
ささっと廊下を駆けていく殿下の後ろについて行こうと足を踏み出した。その時――。
「おい、小僧。そこで何をしている」
背後から聲をかけられ、同時に首っこを摑まれて「うぐ」と聲が出てしまった。
「……誰だお前。見た事が無い子どもだな。どこの家の子だ? そんな庶民の服を著て王宮をうろつくなど、隨分酔狂な事だ」
首っこをズルっと引きずられて顔を覗き込まれる。
お相手は青い髪で冷たい印象の男だった。
完全に男の子だと思われているとじた私はパニックで咄嗟に本當の事を言えずに、明後日の方向に忖度した答えを口にしてしまった。
「お、おおお兄ちゃんと探検しに行こうって話してて、それで」
「お兄ちゃん? 誰だ、それ」
片眉を上げて怪訝な顔をするその人に、殿下が戻って來て聲をかける。
「あっ、お前は……! えーと、名前なんだっけ」
「お前こそ誰だ。王宮に上がるのに隨分気楽な格好をして來るのだな。この子どもの兄とはお前の事か?」
子ども、と言った瞬間殿下が笑いを頬の奧で嚙み殺したのが何となく分かった。
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