《【書籍化】世界で唯一の魔法使いは、宮廷錬金師として幸せになります ※本當の力はです!》2.アカデミーでの記憶①
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アドラム男爵家の養子・ミア様が転してきたのは、遡ること1年前。
アルヴェール王國の王立アカデミーは王族と貴族子弟だけが通う特別な學校。彼が転してきた日のアカデミーは大騒ぎだった気がする。
「フィオナ様、魔法史の課題はお済みでしょうか。わからないところがあり、教えていただきたいのですが」
「ジュリア様、私のノートで宜しければどうぞ……っ」
友人であるジュリア様からの聲掛けに、私はノートを差し出した。
「ありがとうございます、フィオナ様。やはり魔法史はフィオナ様ですわね。……あ、もちろんほかの教科もとんでもなく優秀でおいでですが。……なんといっても、スウィントン魔法伯家のお方ですから」
「……お、お役に立てたら良いのですが……」
ジュリア様からの過分な褒め言葉に頬が赤くなって、私はうつむいた。
私の家――スウィントン魔法伯家はし特殊な立場にある。
かつてこの世界には『魔法』が存在した。魔法を使えるものは魔法使いと呼ばれ、その中でも特に優秀な人間は『宮廷魔法師』になり『魔法伯』の地位を得た。
私のご先祖様はとても優秀な宮廷魔法師だったらしく、國を救ったとか何とかでスウィントン家には永年魔法伯の地位が與えられた。……けれど。
それから長い年月が経ち、いつの間にか世界からは魔法が消えてしまったのだ。
魔法とは魔力と引き換えに霊が起こしてくれるもの。霊がいなくなったり、霊の機嫌を損ねたりすると魔法は起こらない。
ここ二百年ほどはその狀態が続いていて、我が家の沒落は時間の問題だと言われている。
「……ィオナ様。フィオナ様」
「は、はい!」
ジュリア様に呼びかけられていたことに気がついて、私は慌てて顔を上げた。
「フィオナ様。今日、転生がいらっしゃるってお聞きになりましたか?」
「まぁ。それは珍しいですね……っ」
「噂では、つい最近までは平民の學校に通われていたと。能力が認められて男爵家の養子になったお方のようですわ」
意外と噂好きなジュリア様は、いろいろな噂を私に教えてくださる。
それを聞きながら中庭に植えられた樹に目をやると、大きな枝が折れかけているのが見えた。それは風に吹かれてゆらゆらと揺れている。
あれ……。危ないのでは?
「ジュリア様、ここは危ないです。も、もうし向こう側に……」
「……え?」
私が聲をかけるのと、強い風がびゅうと吹き枝が本格的に折れるのは、ほぼ同時だった。
≪風を起こせ(ウィンド)≫
衝的に、私は風の音に紛れて小聲で呪文を詠唱する。
すると小さなつむじ風が巻き起こる。それは落ちてきた枝を直撃し、枝はばさりと音を立てて地面に転がった。
「……! だ、大丈夫ですか、ジュリア様……?」
「ええ……怖かったですわ。風が強くて、助かりましたわ」
「あの、念のため醫務室へ……。もしかしたら、どこかりむいているかもしれませんし……」
私はガタガタと震えるジュリア様の手をひいて、その場を離れる。
今日は風が強くて本當に運が良かった。風魔法を選べば違和がなくジュリア様を助けられたから。
――実は、私にはこの世界から消えたはずの魔法が使える。
消えたと思われている霊だけれど、なぜか私の魔力には反応してくれるのだ。
けれど、そのことは私とお兄様だけの。
かつて魔法は誰もが使えるものだった。だからこそ魔法使いは憧れの職業だった。しかし、度を越えた希は人々に畏怖をもたらす。
気な私が靜かに幸せに生きていくためには、隠し通すのが正解。
それ以外の答えはない。
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