《【書籍化】世界で唯一の魔法使いは、宮廷錬金師として幸せになります ※本當の力はです!》13.決意しました
「……に、苦い……」
二種類のおいしくないポーションを飲み干した私は、あわてて水を口に含んでいた。毎朝、仕事に行く前にテンションが下がるこのイベントは、早急になんとかしなくてはいけないと思う。
「昨日のあれは何だったのかしら……」
いつも通り、薬草園つきのメイドの服裝に著替える。メイドとはいっても、草花のお世話がメインだからひらひらのワンピースやエプロンはしない。
きやすいシンプルなつくりの上下に、男兼用でも行けそうな茶いエプロン。ちなみに、スカートではなくてキュロットなのがきやすくて気にっている。
話を戻すと、昨夜、私の頭の中を占めたのはレイナルド殿下が落としたハンカチのことだった。あのハンカチは、絶対に私が刺繍して送ったもので。
「レイナルド殿下って、贈りを律義に使うタイプなのね。なんだか意外……」
そうじゃないと説明がつかない。無理やり思いこんだ私は、エプロンのリボンをきゅっと結んで寮の部屋を出る。
今日はいいお天気。きっと、いいことがありそうな気がする。
いいことはなかった。
薬草園で楽しく草むしりをしていた私は、突然ぞろぞろとやってきた、肩に紫の線がった白のローブをに著けた方々に囲まれていた。
「この前、うちの見習い、ミアの素材を選んだのはあなたかしら?」
「……は、はははい」
張に負けてつい肯定してしまったけれど大丈夫かな、とミア様が心配になる。私を取り囲んでいるのは、もしかしなくても宮廷錬金師の方々で。
「ミアに言われて、特に優れた品質の素材を選んだのよね?」
「は……は、はい」
ミア様、ごめんなさい。そういうことにさせてください。中級ポーションの材料だと知っていたことや、ミア様の魔力量に合わせた素材選びをしたことを知られては面倒すぎるので。
「やっぱり。はー……。あの子は本當に。……いいえ、そんなことはどうでもいいの。ねえ、あなたのお名前は?」
「フィ……フィーネ・アナ・コートネイと申します」
「そう、フィーネさん。あなた、宮廷錬金師の工房でアシスタントとして働く気はない?」
思いがけない提案に私は目を見開いて固まる。けれど、私に提案をしてきたベテランっぽい宮廷錬金師さんはニコニコと続けた。
「さすがに、王立アカデミーやほかの機関で基礎を學んでいなくては宮廷錬金師になる試験すらけられないのだけれど……。今ね、人が足りなくて。あなたが手伝ってくれたらとても助かるの。薬草以外の見分けはできなくていいわ。上には私が話を通すから」
つまり。私にこの薬草園を離れて、宮廷錬金師の工房で働いてほしいということ……?
普通、王宮の工房で働くためには、王立アカデミーやそれに準ずるものの推薦が必要なはずだった。そこを省略してってくれるなんて。
正直、興味はあるけれど、私にできる……? しかも、ミア様と同じ場所では初日の午前中に気絶する予しかしない。
立ち盡くす私と宮廷錬金師さんたちの間にってくれたのは、ネイトさんだった。
「何やってんすか。困りますよ、うちの新人びっくりしちゃってるじゃないですか。フィーネは即戦力なんだから、俺の意見も聞いてもらわないと」
「薬草園のお世話ならほかのメイドを雇えばいいでしょう。ここまでしっかりした知識を持った子は貴重だわ。ぜひうちにしいの」
「ふーん。うちの薬草園あってこその工房ってわかっておいでで?」
「そちらこそ、工房で働けるのは選ばれしものだけっておわかりかしら? 彼のためでもあるわ!」
ネイトさんと宮廷錬金師さんたちの間で、靜かに火花が散っている。ど……どうしたらいいの。手をグーに握ったまま目を見開いて固まる私に、ネイトさんが穏やかに聞いてくれる。
「フィーネはどうしたい?」
「……!」
わ、私。できることなら、この薬草園にいたい。仕事相手は草と優しいネイトさんだけで、のんびりできるこの薬草園に。
けれど、私はお兄様に心配をかけないためにも、気で弱気な自分をやめると決めたのだ。
兄と妹とVRMMOゲームと
想いを幻想へと導く世界、VRMMORPG『創世のアクリア』。 蜜風望はそのゲームをプレイしている最中、突然、ログアウト出來なくなってしまう。 ギルドマスターであり、友人である西村有から『ログアウト出來るようになるアイテム』を生成すればいいと提案されるが、その素材集めに向かったダンジョンで、望は一人の青年に出會った。 青年は告げる。 彼の妹である椎音愛梨に、望のスキルを使ってほしい、と。 これは、二組の兄妹の想いが、奇跡を呼び寄せる物語ーー。 第4話以降からは、ログアウトできるようになり、現実と仮想世界を行き來することになります。 第9話と第26話と第83話と第100話と第106話と第128話と第141話と第202話と第293話と第300話のイラストを、菅澤捻様に描いて頂けました。 挿絵に使用してもいいという許可を頂けたので掲載しています。 菅澤捻様、ありがとうございます。 ☆がついている話數には、挿絵があります。 この小説は、マグネット様とノベリズム様にも投稿しています。 第二百六十八話からの更新は、一週間に一度の更新になります。
8 166日々
「僕は極力無駄な力は使わない」 何事にも無気力なトモキ。彼は今年から高校一年生になる。しかし、彼は高校生活など特別だとか楽しいとかは考えない。ただ靜かに生きたいと願うトモキだったが。 ______________________________________________ ⚠️ここからは作者あいさつです。 どうも、皆さんはじめまして?らーあわと申します。この作品は初めて書いたものなので、暖かい目で見ていただけると幸いです。 読みやすいように難しい単語を使うのは避けています。これは私が初めて書いたものでして、他のところに保存してあったのですがなんだかんだ、何ヶ月か前にノベルバにあげさせてもらったんですけど、2話くらいで終わらせてしまったので再投稿ですね! 専門用語などたまに出てきますが、できるだけ解説します。 少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 完結します!
8 128まちがいなく、僕の青春ラブコメは実況されている
不幸な生い立ちを背負い、 虐められ続けてきた高1の少年、乙幡剛。 そんな剛にも密かに想いを寄せる女のコができた。 だが、そんなある日、 剛の頭にだけ聴こえる謎の実況が聴こえ始め、 ことごとく彼の毎日を亂し始める。。。 果たして、剛の青春は?ラブコメは?
8 100オバケYouTuber
會社をクビになった晴太郎が、生活の為に家賃の安い物件を探していると、1年間タダ!それ以降は2萬と言う、格安賃貸物件をネットで見つける。その物件には告知事項があり、若い女性が変死した訳あり物件だった。幽霊を信じていないし、怖いと思わない晴太郎は、訳あり物件に引っ越しするのだか、信じられない様な心霊現象が次々と起きて、、、
8 96ワールド・ワード・デスティネーション
僕はあかりに何が出來たのだろう。 戀人「あかり」を突然失った僕が體験した夏の冒険ストーリーと、平和な瀬戸內の島で暮らす少女の不思議な世界。 ぜひ瀬戸內海の穏やかな海を想像しながら読んで欲しい、一夏の物語。
8 142幻影虛空の囚人
プロジェクト「DIVE」と一人の犠牲者、「So」によって生み出された究極の裝置、「DIE:VER(ダイバー)」。長らく空想の産物とされてきた「ゲームの世界への完全沒入」という技術を現実のものとしたこの裝置は、全世界からとてつもない注目を集めていた。 完成披露會の開催に際して、制作會社であり技術開発元でもある「吾蔵脳科學研究所」は、完成品を用いた実プレイテストを行うためにベータテスターを募集した。 その結果選ばれた5名のベータテスターが、新たな物語を繰り広げる事となる。
8 87