《【書籍化】世界で唯一の魔法使いは、宮廷錬金師として幸せになります ※本當の力はです!》6.図書館で出會った人
魔力を魔法へ変えるためには『呪文』が必要。簡単な風や火を起こす程度のものなら暗唱できるけれど、ちょっと複雑なものになると魔法書を見ないと発させられない。
ということで、魔法で薬草を新鮮な狀態にすることを思い立った私は、工房の帰りに王立図書館へやってきていた。
この王立図書館はアルヴェール王國で一番の広さを誇る。錬金の資料や特別な魔法書まですべてが揃った、夢のような場所。
五階まで吹き抜けの造りになった付スペースを通り抜けて、専門書の場所まで歩く。真っ白い大理石の床に音が響かないように気を付けながら歩く。
「い、いつ來てもすごいわ……!」
思わず嘆の聲をあげた私の目の前には、たくさんの魔法書が壁いっぱいに並んでいた。
専門書のコーナーは五階の吹き抜けの先、一番奧。ステンドグラスが埋め込まれたドーム型の天井が太のをかすその場所は、ものすごく広い。
引きこもり時代から憧れだったこの場所が、私はアトリエの次に気にっている。休日にこそこそと訪れては、錬金の本や魔法書を眺めてぼうっとしていた。
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「魔法書も普通に手に取れるのが不思議なのよね……」
この世界で魔法は消えたとされている。だから、魔法書の管理はそこまで厳重ではない。さすがに忌呪文や危険な魔法がのった魔法書は無理だけれど、一般的な魔法書は図書館で普通に閲覧できる。
魔力を持った人間が呪文を唱えても何も起こらないのだから、當然と言えば當然だった。
私のお目當ての魔法書は、し奧まった場所の高い場所にあった。薬草園の仕事で力はついたけれど、私は機敏にけるタイプではない。落ちないようにしっかりと手すりを握り、恐る恐る梯子によじ登ろうとしたところで聲がした。
「あら、あなた。淑がそんなところに登っては危ないわ。人を呼んであげるから待ちなさい」
驚いて振り向くと、夜明けの空のように青みを帯びた黒髪をなびかせたがいる。はっきりした目鼻立ちと凜とした佇まい。とってもお綺麗な方だ。
に著けた沢のある淡いオレンジのドレスは、一目で上質なものとわかる。この王宮に勤める人……ではなく、まるで使う側のような高貴な空気。気圧された私は、あわてて梯子を下りた。
「……あ、あの、ありがとうございます……ですが、大丈夫です……!」
「その制服は錬金師見習いの子ね。工房にない本を借りたかったの?」
「あ……あの、いえ、その」
まさか、魔法に関する本を読みたいなんて言えない。言ってもいいのだけれど、この方がどんな方なのかわからないのにお話しするわけにはいかなかった。
もごもごおどおどしている私と目を合わせてふわりと微笑んだは、私が登ろうとしていた梯子の先に視線を向ける。
そこには「魔法」の魔法書があった。ちなみに、魔法書にはどれも劣化しない魔法がかけられている。數百年前から変わらずに存在する、魔法書とはそういうものだった。
「あら。あなた、錬金の本ではなく魔法書を探しているのね」
「はっ……はい、いえ、あの……」
「ふふふ。もう消えたと思われていても、わくわくするわよね」
は悪戯っぽく微笑むと、梯子に手をかけて登っていく。まって。今、私を『危ないから待て』って止めたのはどなたでしょうか……?
「あ、あの!」
「あなたがほしいのはこれかしら?」
それは自分で……! と慌てた私の目の前で、は一冊の魔法書を抜き取り梯子から降りた。そして、私に渡してくれる。
「あ……あありがとうございます……ですが、あの」
「いいの。私もここは好きだし慣れているのよ。懐かしい想い出がいっぱいの場所だから」
はそうおっしゃると目を細めて、ドーム型の天井を見上げる。気がつかなかったけれど、この方は私よりもし……ううん、結構年上なようだった。
しい方だから年齢がわからなかったけれど……もし、私のお母様が生きていたらこれぐらいだったのかもしれない、なんて思ってしまう。
とにかく早くお目當ての呪文を覚えて帰ろう。私はに淑の禮をすると、隅に置かれたベンチに座り魔法書を開くことにする。
禮の仕方には気をつけるようにレイナルド様に言われている。けれど何となく、この方には禮儀正しい令嬢の挨拶がふさわしいと思った。
「ふふふ。錬金師の服を著て魔法書を読むなんて……あなたはうちの息子と好きなものが同じなのね。なんだか懐かしいわ」
聞こえた言葉にハッと顔を上げると、階段を下りていく青みを帯びたなめらかな黒髪が見えた。
「獨り言、だったのかな……」
一人、専門書コーナーに殘った私はふと気になった。
さっきの方のお聲はどこかで聞いたことがあるような。うーん、でもどこでだったかな。
どうしても思い出せなくてもやもやしたけれど、魔法が大好きな私は、すぐに手元の魔法書に夢中になったのだった。
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