《【最強の整備士】役立たずと言われたスキルメンテで俺は全てを、「魔改造」する!みんなの真の力を開放したら、世界最強パーティになっていた【書籍化決定!】》第03話 スキルメンテ(2)
のスキルを再度確認する。
『職種スキル:
【風屬霊召喚】 LV39: 《【警告!】:暴走狀態》
【水屬霊召喚】 LV25』
予想通り風屬霊召喚スキルが暴走している。
暴走のため、予想外の霊が召喚され制も失っている。
——念のため俺のスキルも確認してみよう。
そう思った瞬間に、ズキッと頭に痛みが走った。
視界が激しく揺れ、キーンという甲高い音が俺の耳に刺さった。
しかし、その異変はすぐに消える。
王都から出るときの騒ぎといい、いったい何だ?
俺は自分のスキルステータスを確認した。
『名前:フィーグ・ロー
職種スキル:
スキルメンテ:
【診斷】
【整備】
【複製(コピー)】
【上書き(アップロード)】
【試行(テスト)】(←NEW!)
複製済みスキル:なし』
ん、試行(テスト)?
今まで無かったスキルが増えている?
「ちょっといい加減に離しなさい!」
は俺とつないだ手を振りほどこうとした。
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しかし、今は離すことはできない。
診斷の次の工程は、相手のスキルを俺の中にコピーすることだ。
「【スキルメンテ:複製(コピー)】!」
「えっ……あっ——んんっ」
の甲高い聲が聞こえ、繫いだ手がしっとりとるのをじる。
次に、一通りのメンテスキルを実行。
するとスキルからのアナウンスが俺の頭に響いた。
《複製——解析——整備——上書き——確認。
問題なし。
スキル【風屬霊召喚:中】【水屬霊召喚:中】のメンテが完了しました》
『職種スキル:
【風屬霊召喚】 LV39:《絶好調》
《絶好調ボーナスあり》
【水屬霊召喚】 LV25:《絶好調》
《絶好調ボーナスあり》』
「ふぅ……よし、功!」
「あッ……ん…………が熱い……?」
「終わったよ。気分はどう?」
「えっ、私の中のスキルから力が溢れてくる!?」
は、やや顔を赤らめ、ぽかんと口を開けて俺を見つめている。
(からだ)全が興しているのだろう。
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「あのシルフィードを放っておけない。
召喚が不完全だ。もう一度霊召喚スキルを発し制を試みよう。
そして、シルフィードと再契約する」
「でも……大霊と契約なんてできっこない。
私には才能が——」
再び視線を落とす。
その背中をそっと押す。
「レベル39の霊召喚スキル……すごいな」
「私が、すごい?」
「うん、今までの悪い出來事は全てスキルが整備(メンテ)されていなかっただけだよ」
「整備(メンテ)?」
「うん。君のスキルが正しく働くように調整することさ。それに、大人でもそのレベルのスキルを持つ者はない。もう暴走は収まったし、スキルの力をじないか?」
「はい、じます……の中が熱い」
「大丈夫だ、自信を持って!」
「……は、はい!」
「さあ落ち著いて、スキルを発しよう」
の瞳が輝きを増し、彼は力強くうなずいた。
表に自信がみなぎる。
きっと、うまくいく。
「スキル【風屬霊召喚】発っ!!」
《付近でスキルの起を確認。絶好調ボーナス:大霊との召喚・契約が可能となります》
が手を天に掲げ聲を張り上げる。
その聲は、空気を震わせ周囲に広がっていった。
遠くまで屆きそうな芯のある聲だ。
彼のスキルが起し、次第にシルフィードの表がらいでいく。
あともうし。
俺は手助けをしたい。
でも、自分にコピーされている【風屬霊召喚】を俺自が起できないことに苛立ちを覚える。
俺は修復した他人のスキルのコピーを自分自分の中に持っている。
しかし、使うことができず、そのため俺は戦闘時は何もできなかった。
ふと、あることを思いだして、俺は自分のスキルを確認してみた。
『名前:フィーグ・ロー
スキルメンテ:
【診斷】
【整備】
【複製(コピー)】
【上書き(アップロード)】
【試行(テスト)】(←NEW!!!!!!!!!!)
複製済みスキル:
【風屬霊召喚】: LV99 《絶好調》』
試行(テスト)がアピールしているように見えるんだけど……。
一何だこれ?
……もしかして。
俺は可能に賭けこのスキルを起した。
「【スキルメンテ:試行】を起!」
《どのスキルを起しますか?》
「【風屬霊召喚】!」
俺はいちかばちか、スキルの名をぶ。
《風屬霊召喚を試行(テスト)します。
対象:近隣で実行中の召喚をアシストするか、別の大霊を召喚できます》
えっ?
他人から複製(コピー)したスキルを、俺が起できた?
だったら、選択肢は一つだけだ。
「スキルのアシストを選択」
《【風屬霊召喚】アシスト実行。功しました!》
周囲に渦巻いていた暴風が次第に治まっていき、心地よいそよ風になっていく。
怒りの形相だったシルフィードが一転、優しい微笑みを俺たちに向けている。
ゴーゴーとものすごい音を立てていた風が消えた。
よし、功だ!
が目を見開いて驚いている。
「すごい……スキルが使いやすくなっている?」
今まで鬼の形相だった表のシルフィードがハッとした様子で、おずおずと俺たちの前にひざまずいた。
人ならざるしい顔や肢の造形に引き込まれそうになる。
半明になっているところが、神さを増していた。
『……マスター。失禮いたしました。不完全にこの世界に顕現したため……苦痛に蝕まれ我を失っておりました。ご容赦を』
「シルフィード、俺じゃない。召喚主はこのだ」
『マスター、承知しました。では、改めて……可らしい召喚主殿。
今後ともよろしくお願いします』
「大霊シルフィードを制できるなんて……しゅ……しゅごい……!」
顔を紅させ、興気味にはんだ。次に、差し出されたシルフィードの手をそっとけ止める。
ろれつが回ってないのが気になるけど、この様子なら問題なく契約もできるだろう。
俺は握っていた手を離した。
「もう大丈夫だね。じゃあ、俺はこれで」
「あっ……あの……契約が完了するまで手を繋いでくださって……も……いいですわよ?」
「心配はいらない。もう俺なしでも大丈夫だよ」
「じゃなくって、その——」
何かを言いかけたは、頬を赤く染めていた。
俺に向けて手をばし名殘惜しそうにしている。
「今後は無理せずしっかり休養を取って、暴走を防いだほうがいい。君には力があるから、これからも頑張ってね」
「は、はい……本當に……本當にありがとうございますっ!」
久しぶりだな、誰かの役に立ってお禮を言われたのは。
喜んでもらえたり、人の力になれると嬉しい。
俺の力は、きっとそのためにあるのかもしれない。
馬車の方から周囲の暴風が靜かになった様子に歓聲があがった。
「わあああああ!」
「すっかり、風も止んで……生きた心地がしなかったけど、君があの霊を鎮めてくれたのか?」
「助かった……フィーグさんと言ったか? ありがとう」
危険な狀況だったけど、それを自らの判斷と行ですることができた。
皆を救うことができた。
見知らぬと力を合わせて、問題を解決した。
パーティって、こういうことなのかもしれないな。
「素晴らしい! こんなに若いのに大したものだ。
一般人などと言って申し訳ない。君は冒険者か魔師なのか? 先ほどは済まなかった」
「俺は何も……ただ、あのの力を信じていただけです」
俺を馬車に引き留めようとした兵士が頭を下げた。
顔を上げてしい、と言って俺は彼と握手をわす。
兵士はイアーグの街出のようで、いつも街にいるらしい。何か困ったらいつでも頼ってしいと笑顔で話してくれた。
「あ、あの!」
馬車に乗り込もうとしたとき、先ほどの霊使いのが背中から聲をかけてきた。
やはり、よく通る凜とした良い聲だ。
の橫にシルフィードが寄り添っている。
「先ほどのあなたのスキルは一……いえ、あなたのお名前を伺ってもよろしいですか……?」
の瞳は潤み、輝いている。俺は靜かに告げる。
「俺の名はフィーグ。スキル整備士——《スキルメンテ》の使い手だよ」
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