《【最強の整備士】役立たずと言われたスキルメンテで俺は全てを、「魔改造」する!みんなの真の力を開放したら、世界最強パーティになっていた【書籍化決定!】》第31話 暴走(1)——side 元・王都ギルマス・デーモ

——元・王都ギルマス・デーモ視點

數人の騎士と、捜査、衛兵たちが、王都ギルド本部にやってきた、あの日。

オレは全てを奪われた。

「全てフィーグのせいだ。アイツのせいで、オレはこんな目に——」

オレはどうしてもボヤいてしまう。

そして——。

薄暗い石づくりの冷たい部屋。

鉄の棒が綺麗に並んでいて、廊下と繋がっている部屋。

常に監視の目がある部屋。

カビと、かすかな腐臭が漂うこの牢獄にオレ、元王都ギルマス・デーモはいる。

あの日から、何日経ったのだろう。

最初の十日までは數えていた。しかし……今は記憶も途切れることがあり、無理だ。

尋問と拷問と食事、そして眠るだけの日々。

近くの牢屋には、アクファ同盟の面々がいたのだが、彼らはオレよりマシのようだ。

あくまでトカゲの尾のように切り捨てられたと判斷されている。厳しい尋問ではあるが、それだけだ。

強制労働などの罰が與えられるかもしれない。いつ終わるかは別としても、生きていられる。

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一方オレは、度重なる拷問による痛みで、夜も眠ることが出來ない。

もっとも、など何日も見ていないので、もう日中のどの時間帯なのか分からなくなっていた。

「デーモ、尋問の時間だ」

看守がそう言って牢の鍵を開け、オレを床に繋いでいる足かせを外した。

牢屋の中では、俺は歩き回ることもできない。

そして、永遠に続くような尋問が始まる。

「それで、あの魔導弾はどこで手にれた?」

拷問が、鞭でオレの背を打ちながら尋問する。

ビシッ、ビシッ。

鞭が背中を打つ度に、引き裂かれるような痛みが襲ってくる。

やめろ……やめてくれ。

いくら言ったところで、尋問は終わらない。

背中はミミズ腫れで酷い見た目なのだろう。

意識が途切れそうになると、水を顔にかけられ強引に戻される。

それをひたすら繰り返すのだ。

「だから……分からないんだ。

いつの間にか、手にしていて、気がついたらアイツら、アクファ同盟に……」

「そんな言い訳が通用すると思っているのか?

あの魔導弾は、王國を危機にさらす危険なものだ。エリゼ殿より、必ず聞き出せとの命をけている。

さあ言え! 誰からけ取った!?」

「だから……記憶が無いと……」

「じゃあ、なんで使い方を知っていた?

アクファ同盟のやつらごと消そうと、わざわざ起の呪文を教えていたではないか!」

そう言われても事実なのだ。

魔導弾をくれたのは誰か、いつの間にか思い出せなくなっている。

前は確かに覚えていたような気がするのだ。

魔導弾について語り合ったような気もするが……思い出せない。

「ふん。まあ今日はこれくらいにしておいてやるか」

「えっ?」

オレは喜びと同時に不審にもじる。

始まって間もないのに終わり? いつもは、もっと何倍も時間をかけているのに。

「おっと、終わると言っても、俺の出番がという意味だ」

「な……なに……?」

「さすがにこのままでは埒が明かないからな。助っ人を呼んだ。麗しいに相手して貰えるんだ。喜べ、デーモ」

ねえ……あのエリゼとか言う騎士か? 確かに人だったが……あのは拷問もするのか?

潔癖に生きてきました、というような典型的な公爵令嬢だと思っていたし、まあ違うか。

その予想は、當たっていた。

「はーい。デーモさん。こんばんは♡」

「おわあああっ!!」

突然がオレの前に現れたので、思わず悲鳴を上げてしまった。この國でも珍しい黒髪のだ。

が多く出した水著のようなドレスをにつけている。

確かに人だ。しかし、瞳は鋭くり、口元の笑みは妖艶でありながら、どこか恐ろしくもある。こんな奴は見たことがない。

「ふふ……。私の名前はサートナよ。よろしくね♡ どうですぅ? 私みたいな可い子ちゃんが來るとは思わなかったでしょう?」

「くっ。何だお前は……?」

「あらあらぁ。まだまだ元気そうですねえ♡ じゃあ、じっくり……時間をかけて楽しみましょ」

そのは、そのに似つかわしくない、鈍くる金屬製の棒を持っている。その先は鋭く尖っている。

「おい! やめろ!! 何をするつもりだ!!!」

「うふふ……安心してくださいねぇ。私は優しくしますから。デーモさんの大事なところは傷つけませんから……ねっ♡ そ・の・か・わ・り、々思い出してくださいねぇ」

「ひいっ」

「うふふふ……」

サートナが口元を緩め、舌なめずりをしている。

こいつ……。

拷問は二種類いると聞く。仕事として淡々と行う者と、こいつのように拷問を楽しむ奴だ。

そんな噂を自分のをもって確認することになるとは。

「じゃあ始めますねえ〜。まずは、魔導弾の手経路についてお聞きしつつ、遊びましょう」

「待て。やめてくれ! 頼むから!!」

「問答無用〜♡」

オレは必死に抵抗するが、手足が拘束されている以上、逃げられない。

「うふふ、いい顔ですわねえ。では、スキル【混(コンフュージョン)】起!」

「ぐっ……グアッァッ……」

世界がぐにゃりと歪み、頭の中をかき回されるがある。

神に影響をおよぼす魔法をけている。

「はあいデーモさん。お薬ですよぉ♡」

に差し込まれる異覚に、オレのがのけぞる。

「ぐが……」

世界が真っ白になった。かと思えば、とりどりの蝶が舞い、かと思えば突然山のてっぺんに立ちがすくむ。

痛みと頭の混で狂いそうになる……が、それさえ許されず、神を蝕んでいく。

「拷問を楽しむやつほど厄介な奴はいない。奴らは、人間の限界を知り、そのギリギリまで神を追い込むからな」

噂は本當だったのだ。

オレは何回もの神攻撃をけた。

永遠のような長い時間、俺は的な痛みとは別の、神的な苦痛をけ続ける。

そして。

どれくらい時間がかかったのか分からないが、突然意識がハッキリとし、頭がクリアになった。

これは……。

まさか……。

記憶が蘇った?

不鮮明なヴェールに包まれた映像が、今ハッキリと頭の中に思い浮かぶ。

俺が黒い禍々しい丸い塊をけ取った時のこと。

まるで、たまごのような黒いものを、オレは確かに彼(・)からけ取った。

そうだ。

俺に魔導弾を渡してきたのはアイツ。

勇者アクファだ……。

やっと思い出した——。

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