《【書籍化&コミカライズ化】婚約破棄された飯炊き令嬢の私は冷酷公爵と専屬契約しました~ですが胃袋を摑んだ結果、冷たかった公爵様がどんどん優しくなっています~》第9話:お庭に厄介な植が繁していました
「さて、そろそろ仕事に行く時間だな」
「お見送りします、ルーク様」
ルーク様の朝は早い。
そして、朝起きるとすぐに仕事へ行かれる。
さらには夕食の後も、お仕事をされているみたいだ。
昨日も夜遅くまで、書斎に明かりがついていた。
「どうした、メルフィー?」
「あの、何か簡単なでもご用意しますか?」
私はルーク様のおが心配になって聞いた。
やっぱり、何も食べないでお仕事に行くのは良くないわよね。
「いや、それには及ばない」
「で、でも……」
しかし、ルーク様はスタスタと歩いてしまう。
あっという間に、門まで來てしまった。
「では、行ってくる。帰りはいつも通りだ」
「わかりました。行ってらっしゃいませ、ルーク様」
私はお屋敷の門に立って、ルーク様を見送った。
朝ごはんをご用意しようとしたけど、今日も斷られてしまったわね。
ルーク様は歩きながら、肩をトントンと叩いていた。
たぶん、肩が凝っているんだろうな。
お仕事もお忙しいみたいだし。
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「あっ、そうだ。今日の夕食を考えないと」
お屋敷に戻っていくと、花壇に誰かがしゃがみ込んでいた。
リトル君とラベンテさんだ。
「はぁ、疲れますねぇ」
「どうしてこんなに、たくさん生えているんだろうね。ほんと憎ったらしいよ」
二人はブツブツ言いながら、草を抜いている。
「何してるんですか? リトル君、ラベンテさん」
「あっ、メルフィーさん」
「アタイたちはね、雑草を抜いているのさ」
二人の前には、たくさんの草が生えていた。
紫で縁どりされた大きな葉っぱに、白い花。
これは……。
「ドクダミですね。たしか、繫力がとても強いと聞いたことがあります」
「そうなんです。抜いても抜いても、すぐに生えてくるんです」
「有効活用もできないし、まったく迷な草だね」
二人は文句を言いながら、ドクダミを抜いていく。
「っこまでしっかり生えていて抜くのも大変だし、僕はこの臭いが特に嫌いなんです」
「捨てに行くのも疲れるしね。困ったもんだよ」
「私も手伝います」
「ありがとうございます、メルフィーさん。今日は姉さんがお屋敷の中で仕事だから、とても助かります」
私も一緒に作業を始める。
二人の橫には、ドクダミの小さな山ができていた。
おそらく、すでに結構抜いたのだろう。
それでも花壇には、まだまだたくさん生えていた。
「お庭が広いから、いっぱい生えてしまうんですね」
「取っても取っても、すぐに生えてくるから困っているんです。もう永遠に消えることはないんじゃないでしょうか」
「おまけにドクダミって、毒があるんだろう? できれば、アタイはりたくないんだよ」
ラベンテさんは汚いでもるように、ドクダミを摘まんでいる。
「いいえ、この草に毒はないです」
「え、そうなんですか?」
「アタイは毒草だと思っていたよ」
私が言うと、二人はとても驚いた顔をしていた。
よく勘違いされるが、ドクダミに毒は無い。
「むしろ、毒草というよりは、薬草といった方が正しいですね。冷えが治ったり、効果があったり、“十薬( じゅうやく)”なんて呼ばれることもありますよ」
「「へぇ~、このドクダミが」」
でも、どんどん繁するし、し傷つけただけでイヤな臭いを出す。
だから、忌み嫌われることが多いのよね。
見たところ、たくさん生えていた。
そして、別の植も繁しているようだ。
「こっちの雑草には、そんな良い効果なんてありませんよね?」
背の高いに、ギザギザとした葉っぱ。
白っぽいが、葉にポツポツとくっついている。
「あら、これはシロザね」
この植も、一般的には雑草と言われている。
あっという間に長するほど、繫力が強いからだ。
「この雑草も迷極まりないね。アタイたちが、どれだけ困っていることか」
「どこから種が飛んできたのか、全然わかりません。いつの間にか、こんなに生えてしまったんですよ」
「シロザは元々、食用として栽培されていたのよ」
「「え、食用!?」」
二人はとても驚いていた。
あまり知られていないが、シロザはほうれん草の仲間だ。
「それにドクダミもシロザも、雑草と言われているけど、実際は野草なの。生命力が強いからお料理に使ったら、活力が吸収できるかもしれないわ」
「野菜でもないのに、食べられるんですか?」
「下処理をしっかりすれば大丈夫よ」
「メルフィーは食べのことなら、何でも知っているね」
「まぁ、よく本を読んでいましたから」
見たところ、シロザもドクダミと同じくらい生えているみたいだ。
これを全部抜き取るのは大変だろう。
いくら抜いても、またすぐ生えてくるだろうし……。
「何かこの野草を使って、おいしい料理ができないかしら?」
せっかく、に良い分がっているのだ。
捨ててしまうくらいなら、料理に使った方が野草もみんなも喜ぶだろう。
「ドクダミやシロザが、ご飯になるんですか?」
「食材としては栄養もあるし、十分使えるわ」
「アタイは野草料理なんて、初めて聞いたよ」
「特にドクダミは、おにも良いし肩こりも良くなるし、ダイエットにも効果的です」
「ダイエット!?」
「きゃあっ!」
ラベンテさんが、すごい勢いで迫ってきた。
「ぜひ作ってちょうだい、メルフィー」
「僕も野草料理、食べてみたいです」
今朝のルーク様を思い出す。
野草料理を食べれば、肩こりも和らぐかもしれない。
「じゃあ、さっそく今日の夜ご飯に使いましょう」
「「やったー!」」
私たちは野草を持って、キッチンに歩いていく。
ルーク様の肩こりが、しでも良くなったらいいな。
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