《聖が來るから君をすることはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?【書籍化&コミカライズ決定】》第3話 まま、ぱぱ、おこらないで ◆――アイ
ばしゃん。
みずがこぼれるおと。
それから、ママとパパがおこるこえ。
こわいかおをしたパパがわたしのてをつかむ。
「! てめぇまたこぼしたな!?」
ばしん。パパがわたしをたたく。
「! 何度言えばわかるの!? 全く、あんたなんか産むんじゃなかった!」
ごめんなさい、ママ。だからぶたないで……。
でも、わたしがどんなにごめんなさいをいっても、ママとパパはゆるしてくれない。
「ここで反省してなさい!」
どんとせなかをおされて、わたしはベランダにおいだされた。
そとでは、ゆきがふっている。さむくて、わたしのからだがガタガタふるえた。
なかにいれてほしい。
でもそんなことをいったら、またぶたれる。
ぎゅっとからだをだきしめても、ちっともあたたかくならない。
だんだん、めのまえがくらくなってきた。
たすけて……だれか、だれでもいいから、アイをたすけて……。
そのとき、だれかがわたしのてをグイッとひっぱった。
かおをあげるとまわりはひかりでいっぱいで。
まぶしくてよくみえなかったけど、おんなのひとがにっこりわらってた。
くろいかみに、くろいふく。でも、ママじゃない。
……あなたは、だあれ?
ききたかったけどこえがでなかった。めのまえが、まっしろになっていく――……。
◆
「……イ。……アイ」
だれかのやさしいこえ。
……ママ?
めをあけると、とてもきれいなおんなのひとがいた。
「大丈夫? うなされていたわ、ひどい汗よ」
きらきらしたきんいろのかみに、みずいろのおめめ。……えほんにでてくる、おひめさまみたい。
……そういえば、このひとはエデリーンというなまえだった。
わたし、きづいたらへんなところにいて、たくさんのひとがいて……。
おもいだしていたら、おひめさまのてがのびてきて、わたしはびくっとした。……たたかれるかと、おもったの。
「ごめんなさい、驚かせたわね」
おひめさまは、とてもかなしそうにわらった。
◆
目の前で怯えるアイを、私は痛ましい気持ちで見ていた。
汗を拭こうとハンカチを出しただけで、こんなに怯えるなんて。今もびくびくと震え、上目遣いで私の顔をうかがっている。
「王妃さま、食事をお持ちいたしました」
そこへ、侍が朝食の載ったワゴンを運んできた。
「ありがとう、そこに並べてくれる?」
アイの前に、ベッド用の小さなテーブルが乗せられる。そこに、彼のための食事が並べられた。
コーンポタージュに、やわらかく煮たパンがゆ。白パン、とりどりのフルーツ、ふるんと揺れるプリン。……ちょっと変な組み合わせだけど、今は栄養面より、い子が好きそうなものを集めてみたの。
アイはそれらを、ぱちぱちと目をしばたかせながら見ていた。
それから聞こえる、ぐぅぅという可い音は、アイのお腹の音ね。
「ふふ、どうやらお腹は元気みたいね? どうぞ、好きなだけ食べていいのよ」
勧めると、アイはしばらくおどおどしたあと、恐る恐るスプーンをにぎった。
けれど、うまく手に力がはいらないようだ。手が震えたと思った次の瞬間、スプーンがアイの手からつるりとり落ちた。
ばちゃん、とポタージュの中にスプーンが落ちて、辺りにが飛び散る。幸い、スープは人に保っているので火傷するようなことはないが、アイの顔も汚れてしまった。
「あっ……! ごめんなさい! ごめんなさい!」
サーッと顔が青ざめたかと思うと、アイは泣きそうな顔で謝りだした。たったそれだけのことで、私にぶたれると思ったのかしら。
ぎゅっと心が痛む。
それを表には出さず、私は優しい聲で言った。
「……大丈夫よ。私はあなたを叩いたりしないわ」
それから優しく、ハンカチでアイについた汚れをふき取る。
彼はそれを震えながら耐えていた。
「手が震えてスプーンがうまく持てないのね。なら、私があーんしてあげる」
言って、私はスプーンを手に取る。
――実はアイが寢ている間に、宮廷醫師に彼のを見てもらっていた。
醫師によるとアイは毆られただけでなく、ひどい栄養失調にも陥っていた。
あとしでも遅かったら、そのまま亡くなっていたかもしれないという話を聞いて、私がどれほど怒り、同時に安堵したことか。
あの子の親は絶対に絶対に許せないけれど、間一髪のところで間に合って心からよかったと思う。……神たちもたまにはいい仕事するじゃない?
とりあえず、まずはこの子のを回復させてあげなくちゃ! そのためには、ご飯を食べてもらわないとね!
新しいスプーンでポタージュをすくい、アイに差し出す。
「はい、あーん」
怖がらせないようにっこりと笑えば、アイはどうしようか迷っているようだった。だが、そこで再びぐぅぅとお腹が鳴って、アイのほっぺが赤くなる。
それからおそるおそる、小さな口を開く。そこへ私は、そっとスプーンを運んだ。
ぱくっとくわえられる銀のスプーン。
途端、アイの目がうっとりと細められ、ふわぁ……という、ため息とも吐息とも言える小さな聲がれる。
ふふふ、そうでしょう。おいしいでしょう。
私は微笑んだ。
このポタージュに限らず、今日運んできた料理は全て私監修の元、料理人に作ってもらったのよ。
子供用に生クリームをたっぷりれたあま~いコーンポタージュに、ミルクでことことと煮込んだパンがゆ。すぐに冷めてしまわないよう、全部鍋ごとワゴンに載せてもらっている。余った分? 私が食べるわよ。
「遠慮しないで、いっぱい食べていいのよ」
言いながらまたスプーンを差し出すと、今度はすぐにお口がひらいた。
はむっという音とともにスプーンが口の中に吸い込まれる。その拍子に、アイのまあるいほっぺたがぷくっとふくらんだ。
あぁあ~~~!? 今の何!? すっごくかわいい……!
子リスに餌をあげるのって、こんなじなのかしら!?
私はときめきにを押さえた。「ハァッ!」と野太い聲でばなかっただけ褒めてほしい。
隣で侍がちょっと噴き出してるのには見ないふりをして、私はせっせとアイの口に食べを運び始めた。
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