《聖が來るから君をすることはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?【書籍化&コミカライズ決定】》第4話 聖……可すぎない?
「はい、あ~ん」
満面の笑みで、私はアイにスプーンを差し出した。スプーンに載せてるのは、ぷるんぷるんのプリン。
はむっという音とともに、アイの口にスプーンが吸い込まれる。
途端、アイの目がきらきらっと輝いた。
ほふぅ……と幸せそうな吐息がれて、それを見ている私もほぅっと息をつく。
なんでかしら。妹たちにご飯を食べさせていたときは、「かわいい!」なんて思ったことはなかったのに。
これはアイが特別に可いのか、私が年をとって丸くなったのか。……といってもまだ、二十歳なんだけどね。
私は再度プリンをすくった。
ぷるるんとゆれるきだけで、アイが目を輝かせ、その顔には一秒でも早く食べたいと書かれている。でも口には出さず、じっと私を待っている姿がとてもいじらしい。
私がスプーンを差し出すと、待っていましたとばかりに「あ」と口が開かれる。プリンはそのままつるりと吸い込まれ、アイが幸せそうにきゅっと目を細めた。
ああ、本當なんて可いのでしょう……! そんなに喜んでもらえると、用意したかいがあるわね!
私はじーんとに震えた。
なんかもう、一生この時間を続けていたい……。
なんて思っていたら、突然部屋の扉が開いた。
現れたのはユーリ陛下だ。
「エデリーン、聖の様子はどうだ」
その聲に、アイがびくっと肩をすくめる。
ああっ! 顔が青ざめてるわ! そりゃそうよ、大の男がそんな仏頂面と低い聲で言ったら怖いに決まってるじゃない!
「陛下、アイが怖がっていますわ。お話は後にしていただいても!?」
「わ、わかった。出直そう」
困顔の陛下があわてて出て行く。……ちょっと悪いことしちゃったかしら? でも今はアイ最優先だものね?
「もう大丈夫よ、アイ。次はどれを食べる? それとももうお腹いっぱいかしら?」
何事もなかったかのように私が聞けば、アイは恐る恐る白パンを見た。うんうん、次はこっちね?
私はあえてパンをまるごと渡した。
本當はちぎって食べるのが淑のマナーだけれど、今はそれより食の喜びを知ってほしいわ。
ふわふわの白パンをにぎったアイが、またキラキラと目を輝かせている。
……小さい子って、なぜかこういうの持ってるだけで楽しかったりするのよね。末の妹も、リンゴがしおっしおになるまで持ち歩いていたことがあるもの。
存分にふわふわ合を堪能したのだろう。アイが小さなお口でかぷっとかぶりついた。
そこへ、ガチャリと扉が開く。
「すまない、これだけは伝えておかねば――」
再度現れた陛下に、アイが一瞬ムグッとを詰まらせかけた。
キャーーー!!! 大変!!!
慌てて背中を叩いて吐き出させ、水を飲ませる。
なんとか事なきを得て、私は心底をでおろした。それから立ち上がって陛下に詰め寄る。
「へ・い・か!? せめてノックはしてくださいませ!」
アイを怯えさせないよう聲は小さめに、でも瞳に全力の圧をこめて問いかける。多分、こめかみに青筋浮かんでたわ。
「ほ、本當にすまない……」
「……まあ無事だったのでよかったですが、お話ってなんでしょう?」
本當は早く食べたくてしょうがないだろうに、アイは後ろで律儀に待っている。それをちらりと見ながら私は聞いた。
陛下が真剣な顔になる。
「……エデリーン、今回の召喚は知っての通り、想定外のものだ。彼は五歳。言葉も喋れず、本當に聖なのかもわからない」
私は黙って聞いていた。
「引き続き召喚が違えた原因を調査しているが、その間よく聖を観察してほしい。彼が本當に聖なのか、それとも巻き込まれたただの不幸な子供なのか」
私は小さくため息をつく。
そうなのよね……。幸か不幸か、アイは聖として召喚されてしまった。
本當はこんな小さな子に“聖”なんて重役を背負わせたくないのだけれど、陛下や大神たち、何より民のことを考えると「知りません」ではすませられない。
「……わかりました。何かわかったら、すぐ報告します」
「ああ、頼む。……それと、もうひとついいだろうか?」
陛下は控えめに聞いた。早くアイの所に戻りたかったけど、あんまり失禮な態度をとるのもよくないと思って私はうなずいた。
「なんでしょう?」
「聖用に用意していた裝は、みんな大人用のものだ。彼用に、新しく服を仕立てる必要がある」
その言葉に、私はパッと目を輝かせた。
――アイに服を仕立てる?
つまり、アイにあんな服やこんな服を著せられる……ってこと!?
私は鼻息荒く答えた。
「大歓迎ですわ!!!」
【書籍化】キッチンカー『デリ・ジョイ』―車窓から異世界へ美味いもの密輸販売中!―【コミカライズ】
.。゜+..。゜+.書籍発売中!TOブックス様よりイラストはゆき哉様で発売中! コミカライズ化決定!白泉社様マンガparkにて11月下旬、漫畫家水晶零先生で公開です!。.。゜+..。゜+お読みくださる皆様のおかげです。ありがとうございます! 勤め先のお弁當屋が放火されて無職になった透瀬 了(すくせ とおる)22歳。 経験と伝手を使ってキッチンカー『デリ・ジョイ』を開店する。借りた拠點が好條件だったせいで繁盛するが、ある日、換気のために開けた窓から異世界男子が覗きこんで來た。弁當と言っても理解されず、思わず試食させたら効果抜群!餌付け乙!興味と好奇心で異世界交流を始めるが、別の拠點で営業していたら、そこでもまた別の異世界へ窓が繋がっていた!まったり異世界交流のはずが、実は大波亂の幕開けだった…。 注:キッチンカーではありますが、お持ち帰りがメインです。立ち食いOK!ゴミだけは各自で処分ねがいま……じゃなかった。料理メインでも戀愛メインでもありません。異世界若者三人の異文化(料理)交流がメインです。
8 126家から逃げ出したい私が、うっかり憧れの大魔法使い様を買ってしまったら
◇SQEXノベルさまより書籍全3巻発売中!3巻は完全書き下ろしで、WEB版の続きになります。幸せいっぱい、糖分過多のハッピーエンドです。 ◇ガンガンONLINEさまにてコミカライズ連載中! コミックス2巻が発売中です。 ◇ 書籍ではWEB版のラストを変更しています。 伯爵家に引き取られたジゼルは、義母や妹に虐げられながらも、持ち前のポジティブさと亡き母に貰った『やさしい大魔法使い』という絵本を支えに暮らしていた。 けれどある日、自身が妹の身代わりとして変態侯爵に嫁がされることを知り、18歳の誕生日までに逃げ出す計畫を立て始める。 そんな中、ジゼルは奴隷市場でムキムキの青年を買うつもりが、ついうっかり、歳下の美少年を買ってしまう。エルヴィスと名乗った少年は、ジゼルをクソガキと呼び、その上態度も口もとんでもなく悪い。 ──実は彼こそ、最低最悪の性格のせいで「人生をやり直してこい」と魔法を封印され子供の姿にされた後、神殿から放り出された『大魔法使い』だった。 魔法によって口止めされ、自身の正體を明かせないエルヴィス。そんな彼に対しジゼルは、あまりにも辛い境遇のせいでひねくれてしまったのだと思い、逃亡計畫の傍らひたすら愛情を注ぎ、更生させようとする。 (あれ、エル、なんだか急に身長伸びてない?魔法が少し使えるようになったって?ていうか距離、近すぎるのでは……?) 世話を焼き続けるうちに、エルヴィスに少しずつ不思議な変化が現れ始める。彼に掛けられた魔法が、人を愛することで解けることを、二人が知るのはまだ先で。 家を出たい心優しい少女と、元の姿に戻りたい優しさの欠片もない魔法使いが、幸せになるまでのお話です。
8 181【WEB版】身代わりの生贄だったはずの私、兇犬王子の愛に困惑中【書籍化】
11月11日アリアンローズ様より【書き下ろし2巻】発売! 伯爵家の長女ナディアは、家族から冷遇されていた。実母亡き後、父は後妻とその娘である義妹ジゼルを迎え入れ溺愛し、後妻はナディアを使用人以下の扱いをしていた。そんなとき義妹ジゼルに狂犬と呼ばれる恐ろしい王子の侍女になるよう、國から打診がきたが拒否。代わりにナディアが狂犬王子の生贄として行くことになった。そして噂通りの傲慢な態度の狂犬王子クロヴィスは、初対面からナディアを突き放すような命令をしてきた。ナディアはその命令を受け入れたことで、兇犬王子は彼女に興味を示して―― ◇カクヨム様でも掲載 ◇舊題『身代わりの生贄だったはずの私、狂犬王子の愛に困惑中』※狂犬→兇犬に変更
8 74骸街SS
ーーこれは復習だ、手段を選ぶ理由は無い。ーー ○概要 "骸街SS(ムクロマチエスエス)"、略して"むくえす"は、歪められた近未來の日本を舞臺として、終わらない少年青年達の悲劇と戦いと成長、それの原動力である苦悩と決斷と復讐心、そしてその向こうにある虛構と現実、それら描かれた作者オリジナル世界観ダークファンタジーです。 ※小説としては処女作なので、もしも設定の矛盾や面白さの不足などを発見しても、どうか溫かい目で見てください。設定の矛盾やアドバイスなどがあれば、コメント欄で教えていただけると嬉しいです。 ※なろう・アルファポリスでも投稿しています! ○あらすじ それは日本から三権分立が廃止された2005年から150年後の話。政府や日本國軍に対する復讐を「生きる意味」と考える少年・隅川孤白や、人身売買サイトに売られていた記憶喪失の少年・松江織、スラム街に1人彷徨っていたステルス少女・谷川獨歌などの人生を中心としてストーリーが進んでいく、長編パラレルワールドダークファンタジー!
8 55存在定義という神スキルが最強すぎて、異世界がイージー過ぎる。
高校生の主人公 ─── シンはその持つスキルを神に見込まれ、異世界へと転移することに。 シンが気が付いたのは森の中。そこには公爵家に生まれ育ったクリスティーナという少女がいた。 クリスティーナを助ける際に【存在定義】という名の神スキルを自分が持っていることに気付く。 そのスキルを駆使し、最強の力や仲間、財寶を手に入れたシン。 神に頼まれた事を行うのと一緒にした事は……のんびりな日常? ※基本のんびりと書いていきます。 目標は週一投稿!
8 84FreeWorldOnline~初めてのVRはレア種族で~
このお話は今年で高校一年生になり念願のフルダイブ型VRMMOをプレイ出來るようになった東雲亮太が 運良く手にいれたFreeWorldOnlineで好き勝手のんびり気ままに楽しむ日常である
8 195