《聖が來るから君をすることはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?【書籍化&コミカライズ決定】》第10話 天!使!降!臨!
「エデリーン、無事終わったよ」
その日の午後、アイと一緒に絵を書いていた私の元に、穏やかな顔をしたユーリさまが現れた。
この時間はいつも政務が一番忙しい時間帯なのに、どうしたのかしら? 終わったって、何が?
きょとんとした顔の私に、ユーリさまが微笑む。
「アイを養子に迎える手続きが完了した。これで、アイは正式に君と私の子だ」
「まあっ……!」
私はパッと顔を輝かせた。
気持ちはもうとっくにアイの親だけど、やっぱり正式に認められると慨深いわよね。
堂々と家族だと言える喜び! ふふふ、今日はすれ違った人全員に「うちの子よ」って紹介しちゃおうかしら?
「よろしくね、アイ。ママは初めてだけど、一生懸命がんばるわ!」
アイには、まだ手続きといった難しい仕組みはわからないだろう。けれど私が嬉しそうなのに合わせて、なんとなく一緒になって喜んでくれている。ぱちん、と二人で手を合わせた。
「あ。私がママってことは……」
はたと気付いて、私はユーリさまを見た。陛下がコホンと咳払いする。
「も……もちろん、私が、パパ……だ」
ぎこちない言葉に、私はふふっと笑う。
「よろしくお願いしますわ、あ(・)な(・)た(・)」
そう言った瞬間、ユーリさまの顔がボンッと赤くなった。……あらあら? こちらも最初とはずいぶん、態度が変わりましたわね?
くすくす笑っていたら、アイが私の手をぎゅっと握った。見るとアイがもじもじしている。それから頭の中に流れ込んでくる文字。アイが、スキルを発させたのね。
『……ママって、よんでいいの?』
んまあああああーーー!!!
私は心の中で絶した。……一瞬だけ「ン゛ッ」って聲がもれたのは聞かなかったことにしてほしいわ。
とにかく! 『ママ』の威力ったら! 危うく私の心臓が止まるところでしたわ!?
「もちろんよ!!!」
よりも早くしゃがみこんで、私はアイと目線を合わせた。
「アイの好きに呼んでいいのよ! ママでも母さまでも母上でも、なんなら名前呼び捨てでもいいのよっ!」
鼻息荒く話しかけると、アイが照れたように笑う。それから小さな聲でつぶやく。
「……ママ」
天! 使! 降! 臨!
私はバタッとその場にくずれおちた。
「エデリーン!?」
「ママっ!?」
「ご、ごめんなさい……! あまりのかわいさに意識を失うところだったわ……!」
それからサッとハンカチで鼻を押さえる。……鼻が出てるとバレたら、アイを心配させてしまうものね。
「とってもうれしいわアイ。抱っこしてもいい?」
手をばせば、嬉しそうなアイがぽすっとに飛び込んでくる。その拍子に鼻がじわぁとハンカチを染め上げた。でも、抱っこしてるからアイにはバレないわ。
「エデリーン……!? 君……!」
ユーリさまがすごい顔でこちらを見ているけど、私は必死の形相でシッ! と人差し指を立てた。その意図を理解してくれたのね。あわてて新しいハンカチを差し出してくれた。
「ありがとうございます。あとで洗って返しますわね」
「全く君は……」
やれやれという顔のユーリさまを見ながら、私はふとあることを思い出した。
鼻まわりを綺麗に拭って、汚れたハンカチをさっとしまいこむ。
「そういえばアイ、ユーリさまのこともパパって呼んでいいのよ?」
その言葉に、ぴくっとアイのが震える。
顔を上げたアイは、なぜかにゅっと下を突き出し、眉間にふかーいしわを寄せていた。
……あれ? なんか思ってた反応と違う。どう見てもこれ、嫌がってる顔よね……?
なんで!? どうして!? 最近はユーリさまとあんなに仲がよかったのに、何がいけなかったの……!? 「パパはへーかがいい」って、言ってたわよね!?
私が心ものすごく揺していると、アイがぎゅっと私の手を握った。するりと浮かび上がる文字。
『……それはいい』
「あっ、そ、そうなのね!? でもえらいわ。本音が言えるようになってきたのね!?」
私が揺を隠して頭をでると、アイは貓のように目を細めて頭をぐりぐりこすりつけてきた。その顔はいつも通りにこにこしている。
ってことは、言い間違えとかじゃ、なさそうなのね……?
「エデリーン……その、アイはなんて……?」
はらはらした様子で聞いてきたのは、ユーリさまだ。
あっまずいわ、これ。目が完全に期待しちゃってるやつだ。
「えっ……と……」
ここはなんて言うべきかしら!? 「恥ずかしがってるみたい」と噓をつくべき!? でも、変に期待させるのも酷よね? ここは思い切って正直に……。
「そ、それはまだちょっと早い、かもしれないですわよ……?」
途端、ユーリさまがズゥゥウウンと落ち込んだ。
謎の文字アナウンス< 國王ユーリ:「不憫」屬追加
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