《聖が來るから君をすることはないと言われたのでお飾り王妃に徹していたら、聖が5歳?なぜか陛下の態度も変わってません?【書籍化&コミカライズ決定】》第17話 なぜ、の子だけなのかしら……
「最初は何が起きたのかわからなかったわ。異世界召喚なんて、漫畫のことだと思ってたもの」
ポツポツと、サクラ陛下は語り始めた。
「でもこの國の人たちは、みんな私に優しかった。陛下だって、とんでもないろくでなしだったけれど、最初は本當に深くしてくれたのよ……」
言いながら目を伏せる。そこに覗くのは、いまだに癒えない深い悲しみだ。
私は目を細めた。……口調からして、サクラ陛下はもしかして今でも前國王陛下をしているのかしら……?
「あの……不躾を承知で聞きますが、サクラ陛下は前國王陛下を恨んではいらっしゃらないのですか?」
「恨んでいるわ。もちろん怒ってもいる。……でもね、それ以上に悲しいのよ」
『悲しい』。ぽつりとらされた言葉が私の耳を打つ。
「ろくでもない人だったけれど、同時にあの人と過ごした日々が幸せだったのは事実よ。穏やかで満ち足りて、幸せとしか言いようがない日々。本當はそれを失ってしまったことが、何よりも悲しいの。一どこで、ボタンをかけ間違えてしまったのかしらって。……駄目ね、もっと毅然としなければいけないのに」
「いいえ、そんなことは」
する人に裏切られるのは、つらいことだ。
私だって過去に婚約解消された時は、してもいなかったくせにひどく傷ついたんだもの。それが心からする人による裏切りなら、なおさらよ。
どうにかサクラ陛下をおめしてあげられたらいいのに……。
私がそう思っていたら、後ろに隠れていたはずのアイがとてて、とサクラ陛下の前に立った。
「おばあちゃん、どこかいたいの……?」
私はぎょっとする。
陛下に向かって「おばあちゃん」って! 先に呼び方を教えておくんだった……!
けれどハラハラする私には構わず、サクラ陛下はアイを見て悲しそうに微笑む。
「そうね……痛いのかもしれないわ。ずっと心の痛いのが治らないの」
アイの眉がしょんぼりと下がる。それから小さな手が、サクラ陛下に向かってばされた。
「じゃあ、アイがいたいのとんでけしてあげる」
「まあ、あなたが?」
「うん、いつもママがしてくれるの」
それを聞きながら私は頬を染めた。「いたいのとんでいけ」は、アイが転んだ時によくやっているのよ。けれど、まさか陛下にやろうとするなんて……!
目を丸くしながらも、サクラ陛下はすっと頭を差し出した。それをアイがぽんぽんとでながら真剣な顔で言う。
「いたいのいたいの〜とんでいけっ!」
「ふふ……優しい聖さん、ありがとう。しよくなった気がするわ」
「ほんとう?」
アイが嬉しそうに笑った。その頭を優しくでながら、サクラ陛下が続ける。
「……話が逸れてしまったけれど、この國に召喚される聖は全員、ひどい家庭環境で育ってきた娘たちよ。……さすがに、こんなにい子はいなかったけれど」
じゃあ、アイが選ばれたのもやっぱり……。
「教えて。この子が來た時はどんな狀態だったの?」
陛下の問いに、私は一瞬ためらってから口を開いた。
「……とにかく怯えていて、口もきけず、栄養失調に陥っていました。醫師の話だと、あとしでも遅ければ命はなかったかもしれないと……」
あの頃のボロボロだったアイの姿を思い出して、心がぎゅっと痛くなる。
サクラ陛下が痛まし気に目を伏せた。
「……そう。でも見た限り、今はもう元気なのね?」
陛下の手が、確かめるようにアイのやわらかなほっぺをでる。アイはくすぐったそうにしながらも、されるがままになっていた。
「最近は本當によく食べるようになって、笑うことも増えて……ようやく、本來の明るさがもどってきたという気がします」
「それはよかったこと。……ホートリーに聞きましたよ。私に、この子の後援者になってほしいそうね?」
思いがけずサクラ陛下の口から本題が出て、私はドキリとした。あわてて説明する。
「見ての通りまだ人前のため、民から非難されるかもしれません。それをしでも和らげるために、サクラ陛下のお力をお借りしたいのです」
私は、あえてできるかぎりややこしい言い方で説明した。――だってすぐそばでアイが聞いていたんだもの。アイに「自分のせいで何かが起こっている」と思ってしくなかったのよ。
ちらりと見ると、やはり言葉の意味がうまくわからなかったようで、アイはきょとんとしている。私はほっとした。
その橫では、サクラ陛下が難しい顔で考え込んでいた。それからゆっくりと口を開く。
「あなたの気持ちはわかったわ。……でも殘念ながら、それはできないの」
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